芋出し画像

ドむツで肉屋の詊隓を受けた話

こんにちは、私は゜ヌセヌゞが奜きすぎお単身ドむツぞ飛び、肉屋で働き出しお今幎で2幎目の日本人です

突然だが、Ausbildung(アりスビルドゥング)ずいう蚀葉をご存じだろうか
これはドむツ語で『職業蚓緎』を意味する蚀葉である

ドむツには、孊校での座孊䌁業での実務を同時に行いながら資栌取埗を目指せる職人育成システムがある
職業の皮類は、医療系・技術系・サヌビス系ず倚岐にわたり、そのうちの䞀぀に肉屋も含たれる
肉屋の堎合、幎の蚓緎期間を経お、最終詊隓に合栌した人だけがゲれレ職業蚓緎制床を修了した人ずしおの資栌を受け取るこずが出来る

私はこのドむツの職業蚓緎制床を利甚しお肉屋で働いおおり、今珟圚、蚓緎生ずしおは2幎目である
そしお我々、蚓緎2幎目の埌半には特別な䞭間詊隓が埅ち受けおいる
肉屋ずしおの実力を枬る実技詊隓ず、知識を枬る筆蚘詊隓の䞡方があり、この䞡方の詊隓を乗り越えた者だけが3幎目の最終詊隓に臚む資栌が䞎えられる
この蚘事では、今幎の3月末に私が受けおきたこの䞭間詊隓に぀いおの話をしたい

倧䜓、詊隓の2週間前に家のポストぞ招埅状が曞面で届く
そこに詊隓番号・日皋・䌚堎・詊隓内容・持ち物などが詳现に蚘されおおり、圓日はこの招埅状を持参するよう指瀺される
぀たり、この招埅状が無いず詊隓を受けるこずができないのだ

実際の詊隓の招埅状

招埅状には、肉屋の䞭間詊隓の詊隓内容が现かく蚘茉されおいる
倧きく分けお以䞋の4぀に分かれおいお、

❶豚の半身の解䜓
❷調味料/腞の芋分け方・腞詰め
❞調理枈み補品の補造
❹Rollbratenの補造

それぞれ簡単に説明するず

①豚の半身の解䜓
これは名前の通り豚の半身の解䜓である
自分の勀める䌚瀟から詊隓䌚堎たで豚の半身を運搬しおもらい、それを私が䌚堎で実際に各17の郚䜍に解䜓
その様子や仕䞊がりを芋お詊隓官が正しく捌けおいるかを採点する詊隓

②調味料・腞・腞詰めのテスト
調味料は、゜ヌセヌゞ補造でよく䜿われる代衚的な調味料が数皮類机の䞊に䞊べられ、それを芋た目ず匂いのみで名前を圓おるテスト
腞は、机に眮かれた皮類の腞を芋おそれそれがどの動物由来の、䜕ず呌ばれる腞なのかを答えるテスト
腞詰めは、事前に甚意された肉だねを腞詰機を䜿っお䞊手く腞の䞭に肉を詰めるこずができるか芋るテストである

③調理枈み補品の補造
これは先皋解䜓した豚肉の䞀郚を䜿っお肉料理を䜜る詊隓
䜜る料理に決たりは無く、どんな肉料理を䜜るかは受隓生自身が決めなければならない
肉料理を䜜るず蚀っおも火を通す盎前たでの調理でOKで、生肉の状態でお皿にデコレヌションを共に添えお盛り付けする
その最終的な仕䞊がりや盛り付けの矎しさを審査されるテストである

④Rollbratenの補造
Rollbratenロヌルブラヌテンずは肉を巻いお焌いたドむツ肉屋の定番料理の䞀皮
䞻に薄く広げた豚肉や牛肉を䜿い、野菜やチヌズなど奜みの具材をクルクル巻いお糞で瞛ったものを焌いお食べる
芋た目はチャヌシュヌに近いが、䞭に色ずりどりの食材が巻かれる事で断面に個性の出る料理である
これも調理枈み補品の補造ず同様、加熱前の状態たで仕䞊げおデコレヌションず共にお皿に盛り付ける

以䞊が肉屋䞭間詊隓の内容の抂芁である
この抂芁は受隓者党おの家に盎接届く招埅状に詳しく蚘茉がある
加えお、この招埅状には『詊隓で必芁なものは党お持っおくるように』ずいう指瀺もある
ここで蚀う党おずは、本圓に党おのこずである
䟋えば、基本的な道具、ナむフ・肉屋が着る鎖で出来た重たい゚プロンや手袋・制服から始たり、
調理枈み補品を䜜る為の具材・調味料・Rollbratenに詰める食材・盛り付ける皿・デコレヌション甚の食品等・そのほか自分で必芁だず感じたものetc...
䌚堎にあるのは本圓に「堎所」だけで、詊隓で提出すべきものは党お持参しなければならない
故に倧倉な倧荷物ずなる為、基本的には生埒䞀人が自力で荷物を持参するのではなく、生埒が働く䌁業偎が車で詊隓䌚堎たで荷物を運んでくれる流れになっおいる

詊隓甚の持ち物を箱に詰めおる様子

私の受隓日が月曜日だったので、前の週の金曜日に準備を開始
枅掃業務も終えた金曜の午埌、同僚が先に垰っお行くのを暪目に、箱の䞭に自分の持ち物を䞀぀䞀぀確認しながら詰めおいく
料理を盛り付ける皿を職堎の棚から適圓に遞んで入れたら、䞊叞に「銀より黒のトレヌがいいよ」ず勧めおもらったり、
別郚眲の䞊叞も私が詊隓の準備をしおいる様子を芋お、職堎で䞀番切れ味のいいピヌラヌを貞しおくれたり、
同僚らも垰り際に「Viel GlÃŒck!」「good luck!」ず、私に応揎の䞀声をかけお垰っお行った

みんなが私の詊隓を気にかけおくれおいる ただ詊隓前なのにもう既に少し緊匵が高たっお来た
家で䜜った持ち物リストず箱の䞭身を芋比べながら、忘れ物は無いか確認をする
入念な確認の元、最終的に私の持ち物は箱二぀いっぱいに収たり、それを䞊叞に預けこの日は垰宅 

垰宅しおからも、招埅状の䞭身を今䞀床確認する
先生や同僚に䜕床も詊隓に関しおの質問をしたが、その床みんなが口をそろえお「招埅状に党郚曞いおあるから」ず私に教えおくれた
だから私は䜕床も䜕床も招埅状に曞かれおいるこずを確認し、ずりあえずこれにさえ埓っおいればOKず内容を頭に叩き蟌む

招埅状のこずを信じおいれば倧䞈倫、私は招埅状に曞いおあるこずに埓っおいればいいんだ
結果、この考えが正しくもあり間違っおいた事に気づくのは詊隓の埌のこずである

午前2時の朝食、春雚サラダ

週末はあっずいう間に過ぎ、ずうずう詊隓圓日の月曜日
朝ごはんを食べながら詊隓のむメトレをする

しかし、どの堎面を想像しおも様々な䞍安が浮かび䞊がっおくる
詊隓官に蚀われた蚀葉が理解できなかったらどうしよう
聞き返せればいいのだがそうもいかないタむミングもあるだろうし、䜕より本圓に知らない単語を蚀われたら詰む
加えお肉屋は刃物を扱う仕事であるが故に、ケガの心配は垞である
緊匵のあたり手が滑っお倧けがでもしたらどうしよう
珟に私の呚りでも、勀務䞭に機械や刃物による倧ケガをしおカ月以䞊䌑たざるを埗なくなった人を、少なくずも人は知っおいる
圌らを思うず、い぀も私のお腹の底に重たい氷が溜たったようになるし、次は私だず思わない日は無い

月曜日の早朝、ただ䜕も始たっおいないのに緊匵が高たっおしたったので、萜ち着くためにRentaで和山やた先生のファミレス行こ。の䞋巻を賌入しお読んだ
そうしお感情をメチャクチャにされた私は、遅刻ギリギリの時間に逃げるように家を飛び出た
ただ空が薄暗い午前6時20分 メンタル敎わぬたた電車を乗り継ぎ、時間以䞊かかったがなんずか詊隓䌚堎のある建物に到着するこずができた

めんそヌれず蚀う文字列をドむツで初めお芋た

受付カりンタヌで詊隓䌚堎の堎所を蚪ねるず、芪切に道を教えおくれた
蟿り着いた曎衣宀で持参した制服に着替え倖ぞ出るず、同玚生たちがちらほらず到着し始めおいお、軜く挚拶をする

詊隓をする郚屋は広く、たな板の付いた䜜業台がいく぀も䞊んでいる
たずは手掗い堎でハンド゜ヌプを䜿い、肘たで掗っおから䞡手を消毒する
芋回すず郚屋には肉屋で䜿う基本的な機械がずらり揃っおおり、恐らく埌ほど詊隓で䜿われるであろう腞詰め機もあった それほど倧きく無いが冷蔵宀もある
みんな、誰に蚀われるでもなくなんずなく自分のスペヌスを陣取り始めおいたので、私もなんずなく空いおいる䜜業台の前に立っおみる 今日ここで私は豚を捌くのか

しばらくするず詊隓官がやっおきお、各々の䌁業から荷物や豚の半身が搬入され始める
最埌の方に私の荷物の入った赀い箱ず豚の半身も届き、早速先ほど陣取った䜜業台で荷物の敎理を始める

私は事前に赀い箱぀分に今日必芁な道具の党おをギチギチに収めおおいたのだが、ふず呚りの他の生埒たちを芋回すず箱぀ずか぀分の荷物を持っおきおいる
䜕をそんなに持っお来おいるのだ もしかしお私が䜕か重倧な忘れ物をしおるんじゃないか

うっすらずした䞍安に襲われる䞭、私にはたた別の䞍安もあった
これから始たる豚の半身の解䜓は、䞊叞や同僚曰く時間で捌ききらなければならないらしい
私は職堎で解䜓䜜業をする時はい぀もタむムを蚈っおいたのだが、正盎時間で党おをやり切れた事は䞀床も無かった
解䜓しおおおたかな郚䜍に分けるこずは出来おも、解䜓の際に出た䜙りの豚肉をS1S12たで分類し等玚分けしきる事がどうしおも難しかった

肉の脂肪・鍵の量や、どの郚䜍から取れたかによっお豚肉をS1〜12に等玚分けしお分類する緎習した時の写真

幞い、今日は実際の仕事ず違っお途䞭で急に話しかけられたり、別の指瀺を䞎えられたりしお、䜜業を䞭断せざるを埗なかったりするこずは無い
ただ解䜓だけに集䞭できるある意味では貎重な機䌚だ ベストを尜くすしか無い

そんなこずを思いながらナむフを䜜業台の䞊に䞊べおいたら、詊隓官の䞀人が蚀った

「それでは、豚の半身の解䜓は7:20開始で終了が9:20ずしたす」

7:20開始で9:20終了か、芚えおおこうず思ったその瞬間思考が停止した
時間しかない
私の頭は真っ癜になった

詊隓開始盎前、唐突に身䜓に詊隓番号を貌られる

混乱する私を眮き去りに、無情にも詊隓は始たった 
そこから䜕床か詊隓官が時間に぀いお口に出しおいたが、䜕床聞いおも2時間しかなかった
やばい これは い぀ものスピヌドでやっおいたら100%間に合わない

授業で描いた豚の解䜓方法のポスタヌ的なもの

詳しい解䜓方法を説明するず長くなるので省くが、たず始めは倧䜓䞊の画像のように吊るされた状態のたた頭→豚バラ→肩肉+銖肉→ヒレ肉→背肉→もも肉ずいう順番で各郚䜍を倧たかに切り出しおいく
ここたで出来たら、残りの䜜業は党お䜜業台の䞊で行う

たな板の䞊にずらり䞊べた郚䜍の䞭から、い぀も通りもも肉から着手する
豚の足郚分を間接に沿っお切り離し、台の䞊でくるりず回しお今床はしっぜの骚を倖す
焊らず、でも急いで、しかし気を付けるべき堎所には気を配っお、集䞭力を高めながら解䜓を進める
止めるこずなく右手を動かし続けながら、私は䞊叞の蚀葉を思い出しおいた

「〇〇←私の名前、䞁寧にやる事はいいこずだよ
でも詊隓では時間が無いから、こう、ざっくり切っちゃっおいいんだよ」

そういいながら目の前で、ナむフを肉ず骚の間に倧胆に差し入れ、そのたた手を玠早く匕いおあっずいう間に骚を倖しおみせた䞊叞
そこには確かに、むしろその方が綺麗かもしれないず思える豚の肩肉があった

今はあれをやるしかない ただでさえ時間が無いのだ
私はあの時の䞊叞の動きを思い出し真䌌しお思い切っお切っおみた

ザクッ めちゃくちゃな所にナむフが入っおしたった 慌おお修正に泚力する
結局、緎習で出来ないこずは本番でできる蚳ないのである 反省しおい぀ものやり方に戻す

職堎で解䜓緎習しおた時の写真

詊隓では豚の半身を頭から埌ろ足たで、蚈17郚䜍に切り分け机に䞊べる
本圓は党おの郚䜍の名前を挙げお、それぞれの解䜓方法などに぀いお語りたいこずが山ほどあるのだが、それを今するずあたりに長すぎおしたうのでここでは割愛

本来、これら17の郚䜍は仕䞊げる際、「こうした方が芋栄えがいい」ずいうような现かなお玄束が色々ある
しかし今日はそこたで远っおられない ずにかく切り分けお切り分けお、終わらせるこずが出来なければいけない
もし奇跡的に党お時間内に終えられ、か぀時間的䜙裕があればそこたで远えるが、恐らく今日の2時間でそれは望めない
ずにかく今は切り分け続ける 切っお切っお切り続けるしか無い
䞀぀の郚䜍を最䜎限の圢だけ敎えたら、盎ぐに次の郚䜍に取り掛かるの繰り返し
普段職堎で捌くよりちょっず雑な仕䞊がりに「本圓はもっずきれいにできるのに」ず思いながら、次の郚䜍に取り掛かるしかない
ずにかく時間が無いのだ 繰り返し繰り返し、時蚈も芋る䜙裕も無くただただ目の前の肉を捌き続ける

黙々ず肉を捌いお、たた次の郚䜍を捌く
2時間ずいう時間が、思ったより長いような、いや党然そんなこずないような䞍思議な感芚の䞭倢䞭で肉ず骚ず栌闘を続ける
気づけばあっずいう間に、残り15分ずいう時間になった

目の前には捌ききれおない肉が、ただそれなりにある
17の郚䜍に切り分ける䜜業は党お枈んでおり、埌は予想通り、解䜓の際に出た现かな肉の分類が間に合っおいない 急がなければ
残り10分、ただ終わらない
残り5分、あず少しだ あず少しなのに、5分では足りない

そしお、あっけなく終了の時間が詊隓官から告げられ、私はナむフから手を離した
濃厚な2時間が、終わった
最終的に私は、党䜓の䜜業を100で衚すなら、92くらいの䜜業を終えるこずが出来た
目の前に残っおいるのは、豚皮にくっ぀いた脂肪をはがす工皋だけだった

2時間の解䜓䜜業が終わり、たな板の䞊の肉を敎理しおいた時、私は私自身に驚いおいた
普段なら3時間あっおも終えられない䜜業を、本番では2時間で9割終えるこずが出来た その結果が目の前にある
職堎で䜕床も緎習したが、たった2時間では、絶察にここたで出来おいなかった

䜜業䞭は特に特別な感芚は無かったが、い぀もより栌段に集䞭できおいたのは確かだ 魔法にかかっおいたようだった
呚りも、みんな時間ギリギリたでナむフを握っお捌き続けおいた 詊隓時間の2時間は、結果ずしお䞁床いい時間配分なのかもしれない

そこから間を眮かず、私は調味料・腞・゜ヌセヌゞの腞詰めのテストの呌ばれる
同じ郚屋の別のテヌブルに呌ばれ、詊隓官3人に囲たれおそれは始たった

たずは机の䞊に䞊んだ぀の調味料を芋る・嗅ぐをしお名前を圓おるテスト
私はこのテストの為、肉屋で䜿われがちな兞型的な調味料を䞀通りスヌパヌで買っお、昚日のうちに芋た目の色や銙りを頭に叩き蟌んでいた
それが功を奏し、5぀䞭4぀をかなりスムヌズに答えた 残り䞀぀は、どうしおもドむツ語名が出おこずしばらく黙り蟌んだが奇跡的に名前を思い出せた
30秒くらいの沈黙の埌、私の口から「KÃŒmmel ※キャラりェむの実」ず出た時の、詊隓官党員がバッず顔を䞊げた瞬間の光景が忘れられない

次に腞を芋おどの動物の腞か圓おるテスト
これは簡単である 腞の倪さを芋お䞀番现いのが矊、䞭くらいが豚、䞀番倧きいのが牛ず答えればいいだけ
そしおここで思わぬ远加質問 「それぞれ䜕の補品に䜿う」ず詊隓官に尋ねられた
たさかそんな質問が来るずは予想しおおらず、䞀瞬蚀葉に詰たった
私は脳内で職堎ず孊校の知識を総動員し、そしお
「矊腞がりィンナヌ、豚腞がボックブルスト、牛腞が血の゜ヌセヌゞ」
ず、萜ち着いお答えるこずが出来た 正盎すごく安心した

そしお間を眮かずに腞詰のテスト
予め甚意された肉だねを䜿い、腞詰機を操䜜しながら8本ほど豚腞の䞭に詰め蟌んで゜ヌセヌゞの圢にしおいく

たず本目で、倪さの均䞀でない゜ヌセヌゞが出来おしたった
詊隓官の䞀人に「ganz ruhig萜ち着いお」ず声を掛けられる そうだ萜ち着かなければ
機械を䜿った腞詰は家で緎習できない 私は1本目の゜ヌセヌゞの圢を指で敎えおから次の本目、本目の腞詰を進める
幞いにも、前の週に職堎で緎習させおもらえたおかげで、それ以降は぀たづく事も無く、スムヌズに詰めるこずが出来た

そうしお腞詰した゜ヌセヌゞを、燻補機甚の棒にひっかけおこのフェヌズは終わりかず思った

問題はここからだった たたしおも远加質問が来たのだ

「゜ヌセヌゞをぶら䞋げる時、゜ヌセヌゞ同士の間隔を開けなければいけないのはなぜ」
「この補品を䜜るずきにPökelsalz(亜硝酞塩)を䜿う理由は」

私は思いもよらぬ問いに狌狜し、その堎で職業孊校で習った事や職堎での経隓を脳フル回転で思い出しおみた

「゜ヌセヌゞ同士がくっ぀かないように」
「゜ヌセヌゞの発色のために」

思い぀く単語を䞊べ立お、぀たないドむツ語で喋る私に、詊隓官たちが厳しい芖線を向ける
結局、完璧に答えるこずは出来なかった 単語や知識を思い出そうずしお黙る床に、沈黙が苊しかった
こういった招埅状には曞かれおいないが、口頭で呚蟺知識に぀いお質問をされたりするこずを党く予想しおいなかった
私はすっかり招埅状に曞かれたこずが党おだず信じ切っお、呚蟺知識の予習を党くしおいなかったのである
「招埅状に曞かれおいる事が党お」を鵜呑みにし過ぎおしたった結果である トホホ 

そしお腞詰めテストが終わっおから1時間の䌑憩時間が䞎えられ、䞀床詊隓䌚堎を出るよう指瀺された
食堂で食事しおきおもいいよず蚀われたが、特にお腹もすいおないので基本的に曎衣宀のベンチに座っお時間を぀ぶす
女子曎衣宀には私の他にもう䞀人、今回の詊隓の参加者でクラスメむトの女の子がいた
なんずなく二人きり沈黙が気たずくお、あたり話したこずはないが、私から぀たないドむツ語で話しかけおみた

あたりに暇で撮った床の写真

するず圌女は20歳で既に䞀人暮らしをしおいお、今日の詊隓䌚堎にも自分の車で来たずいう
なんならい぀もの孊校ぞの登校も、電車でなく自分の車で来おいるこずも教えおくれた
その䞊Fleischerの職業蚓緎をする前には、Pflegerずいう動物のお䞖話をする別の職業蚓緎も3幎間経隓しおいるず蚀う
そうか、圌女がなんずなく他のクラスメむトず比べお倧人びお芋えるのは、もう瀟䌚人ずしお20歳ながら4幎以䞊のキャリアがあるからなのか
その他にも静かな曎衣宀でぜ぀ぜ぀ず、お互いのこずやドむツ語に぀いお話し合った

それでも、1時間を぀ぶすには私のコミュ力はあたりに䜎すぎお、最終的に圌女は「カヌドゲヌムでも持っおくればよかった」ず挏らしおいた

あたりに暇で䌚堎を埘埊しおた時に撮った倧麻のポスタヌ蚳:倧麻職堎ではダメ

䌑憩の途䞭、曎衣宀の扉がノックされ、開けるず詊隓官の先生が順番に詊隓䌚堎に来るように指瀺しおきた
たずは私ではなくもう䞀人の圌女の方から その玄10分埌に私が呌ばれた

䌚堎に戻るず、たずは先皋捌いた豚肉の17の郚䜍をそれぞれ指差しながら答えるように求められた
その次に「それらの郚䜍を䜿っおどんな料理が提䟛できるか」ず3床目の思わぬ远加質問がやっお来た
䟋えば豚の背肉を䜿っおシュニッツェル、腰肉はステヌキ肉ずしお販売できるなど、実際にお客さんに売る時どうなっおいるかを答える質問である

私はここで完党に぀たづいた 孊校や職堎で孊んだ知識を急いで総動員するが、17郚䜍党おの䜿い道を完璧に答えるこずは出来なかった
党く答えられなかったわけではないが、それに答えるための語圙の準備が私の䞭であたりにできおいなかったのだ

呚りの人々に「招埅状に曞かれたこずがすべおだから」ず蚀われたこずをそのたんた鵜呑みにした呑気な自分に、助走を぀けおパむ投げでもしおやりたい気分だ
こんなに口頭質問があるならそう曞いおおいおくれ、ず泣き蚀が出そうになるが埌の祭り
ずにかく間違いでも䜕でも、無回答だけは避けなければいけないず思った
答えなければ確実に0点である、䜕でもいいから答えなければ

答えがわからなくおも解答欄は党お埋める、この粟神を某゜シャゲから教わった私は、この日も、ずにかく無蚀だけは可胜な限り避け、ずにかく口から出る蚀葉そのたたに答え続けた
それがすべお正しい回答だったのかず聞かれたら絶察違うのだが、ボロボロなりに䜕かを答えるこずだけは出来た
どうしおも無蚀で黙りこくり床を芋぀めたり「keine Ahnung(わからない)」で抌し通す事だけはしたくなかったのだ

しかし圓然ちゃんず答えられるに越したこずはないので、もし今埌Fleischerの䞭間詊隓を受ける人がいたら、どうぞこの蚘事を螏み台にしおほしい
党く同じ質問が起こるかどうかは保蚌できないが、この蚘事が䜕か少しでもお圹に立おるこずを祈っおいる

そうしお豚の解䜓に関する質問・採点が党員分終了した頃、各自䜜業台䞊の豚肉を片付けるように指瀺される
私はい぀も職堎でそうするように、持参した赀い箱に切り分けた肉を䞊べおいく
そこで私はたたたた自分の臎呜的なミスに気付いた
箱が足りないのである

※赀い箱です

本来、豚の半身を解䜓したら最䜎でもこの赀い箱が぀は必芁である
切り分けた17の郚䜍を2぀の箱に分けお入れ、もう2぀の箱にS1S12たで分類した肉の切れ端を敷き詰める
しかしどんなにぎゅうぎゅうに詰め蟌んでも、17の郚䜍を入れるだけで私の持参した぀の箱はパンパン
そうか 他のみんなこの肉を持っお垰るずきのこずを考えお沢山箱を持ち蟌んでいたのか
この、少し考えればわかるようなこずを「招埅状に曞かれおるこずが党お」ず鵜呑みにし䜕も考えなかった結果がこれである 今日䜕回目だよこれもう泣きたいでござる

泣く泣く詊隓官に「赀い箱っおもう1぀くらいありたせんかね 」ず尋ねたら即答で「無い」ず蚀われ途方に暮れおいたら、それを芋おいた同玚生の䞀人が「これ䜿う」ず箱を䞀぀くれた
有難く頂いお蚈䞉぀の箱を䜿いギチギチに肉を詰め蟌んだ

それらを䌚堎の冷蔵宀にしたい蟌んだ埌、間もなく次の詊隓の準備が始める
残る詊隓、「ロヌルブラヌテンの補造」ず「調理枈み補品の補造」である
ロヌルブラヌテンはドむツ肉屋の蚓緎生・䞭間詊隓の定番科目
薄く開いた豚肉に奜きな具材を入れおグルグル巻きにしお、糞で瞛ったものをオヌブン等でじっくり焌く料理
しかし詊隓では糞で瞛るたでが我々の課題であり、火は通さずにお皿にデコレヌションず共に盛り付けるだけ

もう䞀぀の調理枈み補品の補造は、「これ」ず決たった料理を䜜るわけではない
よく肉屋で提䟛される兞型的な肉料理の䞭から自分で奜きなものを遞び取り、こちらも火を通す前の状態たで䜜り䞊げ皿に盛り付ける
そしおその料理の付け合わせも評䟡察象になるので、忘れずに準備しおおかなければならない
私は、薄く叩いた豚ロヌス肉の䞭にチヌズずハムを挟んでパン粉を挟み揚げ焌きにするCordon Bleuコルドン・ブルヌを䜜るこずにしおいた
ドむツの定番肉料理の䞀぀でありながら、䜜業工皋がずおもシンプルで党く難しくない
付け合わせである塩茹でじゃがいもずレモンのスラむスは前日のうちに家で仕蟌みタッパに詰めこんだものを持っおきおいる 準備は䞇端だ
ちなみに䜜ったものは原則持ち垰らなければならないので、無料で肉料理が持ち垰れるラッキヌむベントでもある

そしお詊隓の埌半郚分が始たった どちらから始めおもいいのだが、たずは時間のかかるロヌルブラヌテンから
先ほど豚の半身から切り出した筒状の豚の背肉を、巻物を開いおいくようにナむフを䜿っお平たく切り開く
そうしお長方圢になった背肉の片面にたっぷりクリヌムチヌズを塗り、その䞊にピヌラヌで薄くしたにんじんず现長く切ったパプリカを敷き詰めおいく
具材で埋たった長方圢の豚肉を、今床は恵方巻きの芁領でグルグル巻いたら、玐を䜿い䞭倮・䞡サむドの3点を、圢が厩れないようき぀く瞛る
そこからその間にも玐を結び぀けおいき、玐同士の感芚が倧䜓1cmくらいになるたで玐を巻き付け、瞛る
ここの結び方がゆるかったり、結び目が盎線でないず枛点の察象になる 䜕床か結び盎しおようやくロヌルブラヌテン本䜓の完成である

実はロヌルブラヌテンの工皋䞭に、先に捌いおいた豚肉の回収に䞊叞が䌚堎たでやっおきた
想像よりずっず早い到着に焊りながらも、冷蔵宀に仕舞い蟌んでいた3箱分の豚肉を枡しお䜜業再開
その為少し䜜業台を離れたり、玐を結ぶのに手こずったおかげで時間が思ったよりかかっおしたった
このフェヌズに厳栌な時間制限はないのだが、それでも呚りず比べおペヌスが遅れるず焊るものである

私は間を眮かず、コルドンブルヌの補造に取り掛かる
先ほども䜿った豚の背肉の䜙りを1cmくらいの厚さに切り萜ずしたら、そこからさらに半分に開く
そこを持参した調理甚ハンマヌでぶったたき薄くしたら、そこにハムずチヌズを䞀枚ず぀重ねお眮いおパタンずたたむ
卵液にひたし、持参した味付きパン粉をたんべんなくたぶしお完成ずっおも簡単である
ちなみにここでは人前の料理を䜜らなくおはいけないので、以䞊の䜜業を4回やる
比范的かんたん寄りな工皋ずはいえ、それなりの手間はある
焊らず、萜ち着いお進める事で、なんずか滞りなく4枚分のコルドンブルヌが出来䞊がった
私は職堎から持参した皿に、自宅から持参した付け合わせも添えお盛り付ける

完成したもの

私の料理が出来䞊がった頃は、呚りの生埒たちはほずんど䜜業を終えお曎衣宀での䌑憩に入っおいた
ポツポツず残った人の机をちらりず芗き芋たら、野菜ず豚肉を亀互に刺した立掟なBBQ䞲やズッキヌニの肉詰め等が出来䞊がっおいた
䞭にはものすごく凝ったデザむンのデコレヌションしおいる生埒もいた
お花の圢に食り切りしたビヌツに、葉っぱに芋立おたネギを添え、四角いお皿の四隅にそれぞれ異なる食りを斜しおいる
瞬間悔しかった 私はずにかく詊隓を乗り切るこずで頭がいっぱいで、点数を䞊げるためのもう䞀歩の工倫が県䞭になかった
ロヌルブラヌテンは具材であるパプリカずニンゞンのシンプルな食り
コルドンブルヌの付け合わせも、茹でじゃがいもずスラむスレモンのみ

定番の食りだが、定番すぎるが故に芋方によっおはごく普通すぎお退屈な食りずも蚀える
なんずか提出できる圢に完成はしたが、他の人ず比べた時あらわになった差が少しだけショックだった

こうしお党員が料理を䜜り終え、詊隓官がそれぞれの食品を採点する間、我々受隓生は片付けの準備をしおいた
そこで私は曎に絶望的な事実に気づくこずになる
持っお垰るべき荷物が倚すぎるのである

たず䜜った料理のロヌルブラヌテンずコルドンブルヌは必ず持ち垰らなければならない
加えお元々は職堎から車で運んでもらった鎖でできた゚プロンず防氎の゚プロン、長靎、䜙った食材、ナむフやナむフ研ぎ甚の棒、盛り付けに䜿った倧きいお皿、その他现かな台所甚具など
今着おいる制服䞊䞋も脱いでカバンに詰め蟌み持ち垰らなければならない

本来、職堎から持参したほずんどの荷物は党お肉の回収に来る䞊叞に預けお車で運んでもらうはずだった
しかし、䞊叞が回収に来た時点で調理詊隓の方が終わっおおらず、それ以倖枡せるものが䜕もなかったのである
たさか䞊叞がちょっず早く回収に来すぎおしたったばかりに、詊隓の埌にこんな倧荷物が発生するなんお1mmも考えおなかった 今日䞀番の倧誀算である

なんずなく捚おられず持ち垰った詊隓番号

党おの詊隓・採点が終わり、片付けを指瀺された私は急いで䜜業台䞊の肉をラップで包み、党おの荷物を抱え曎衣宀に駆け蟌む
目の前には到底䞀人で運びきれそうもない荷物の山

ずにかく出来る所たでなんずか察応すべく、持参したリュックに衣服系・゚コバッグ倧に食べ物系・゚コバッグ小にその他现かな雑品をテトリスのように詰め蟌んでみた
そしたら、なんずか、本圓になんずか党おがギリギリで収たった
チャックが裂けるんじゃないかず思うほど極限たで詰め蟌んだリュックは、背負うず䞡肩に重く食い蟌み、䞋手したら埌ろにコケる
そこに、倧きな肉塊を含む食材・調味料等が入った倧きな゚コバッグが右肩にかかっお曎に远い打ちをかける
小さな゚コバッグは巊手の肘にひっかけお持぀ず、腕肉に食い蟌んでかなり痛い

曎衣宀には䌑憩時間に少し話したFleischerの女の子ず私の二人だけである
䜕ずなく気たずくお、ねえ芋お私めっちゃ荷物あるず話しかけたら、「自分でやりなよ、じゃあね」ず蚀い残し圌女は先に垰っお行った
どうやら、少し話しおお近づきになれたかもず思っおいたのは私だけだったようだ
疲れおいる時にカタコトの蚀葉で䞀方的に話しかけおくる倖囜人などうっずうしい以倖ないだろう
私は萜ち蟌みかけた頭を匷制的に切り替えお、急いで荷物をたずめ曎衣宀を出た

私は倧荷物を抱えペロペロず䌚堎を埌にした
人生でこんな倧荷物を䞀床に運んだ蚘憶は、手䜜りのコピヌ本を詰めた荷物を匕きずっお参加した同人むベント以来だ
぀の倧きなカバンを153cm䞭肉䞭背女が抱え、おが぀かない足取りで歩いおいる 受付の女性に「倧䞈倫」ず声をかけられた

䞍運にも倖は倧粒の雚が降っおおり、私は小さな折り畳み傘をさしお、できるだけ食材の入った゚コバッグの䞭身を濡らさないよう努め歩く
そしお最寄駅たで朝来た道を戻っお歩いおるだけなのに、道に迷い、スマホの画面をビショビショに濡らしながら地図を頌りに匕き返す
䞀歩䞀歩が着々ず私の䜓力を奪っおいく
悪いこずは重なるもので、ドむツ名物電車の倧幅遅延も同時発生
線路前にある屋根の぀いた埅機堎は満員で、私は地䞋通路の䞭に避難しお電車を埅った

ようやく来た電車に乗り蟌み荷物を䞋ろし怅子に座る
途端、麻酔銃で撃たれたような匷烈な眠気
朝から気を匵っおいた 䜓力も粟神力もちゃんず䜿った1日だ
私は目を閉じた 目的地でなんずか目芚め、匷烈な眠気のたた重い荷物を匕きずり、路面電車に乗り換えどうにかこうにか家に着いた

食品は冷蔵庫・冷凍宀ぞ、着替えは掗濯機ぞ、職堎ぞ返すものは同じ袋にたずめお
家に぀いたけれど、持ち垰った荷物を敎理するだけで30分かかった

この日、私の䜏むシェアハりスの台所では同居人が明るい笑顔で私を劎っおくれた
私たちは詊隓が終わった埌、今日䜜ったコルドンブルヌを䞀緒に食べる玄束をしおいたのだ
1人でいおも倱敗や埌悔を思い出しおしたう、移動䞭の電車でしこたた寝たおかげで、眠気も晎れおいた
コルドンブルヌのラップを早速剥がし、油を敷いたフラむパンで揚げ焌きにする
お皿に䞊べ、生たれお初めおの自䜜コルドンブルヌを同居人ず共に食べた

同居人が癜ワむンをお裟分けしおくれた

分厚い豚肉に、スラむスチヌズずハムが挟たっおいる
味付きのパン粉が、もうほんずしょっぱくお、䞀口食べた瞬間、疲れた䜓ず心がビリビリ痺れた

「今日はご耒矎ごはんですね」
そう蚀う同居人に、私は今日あったこず、感じたこずを話した
「今日は始たりから終わりたで色々あったけれど、倧きなケガも無く終われたから、いいかなっお」
そう挏らす私に「玠晎らしいそれだけで100点満点ですよ」ず声を掛けおくれお、私は少し救われた

☆

そうしお、カ月埌の月半ば
詊隓の結果が自宅ポストに盎接届いおいた
結果がこの通りである

〜結果発衚〜

豚半身の倧たかに切り分ける 82/100
骚を倖した肉を基準通り现かく切り分ける 84/100
腞詰め 83/100
Rollbratenの補造 76/100
調理枈み補品の補造 95/100

私はこれが届いたずき、平均的に芋おこれがいい点数なのかどうか分からず翌日䞊叞や同僚に芋せ尋ねた
するず「nicht schlecht悪くないじゃん」的な反応が返っおきたので、恐らくたあたあの成瞟なんだず思う
実技詊隓の埌には筆蚘詊隓もあり、その成瞟も䞀緒に届いたのだが、そちらはこっちよりもう少し悪かった 悲しい

これは職業孊校の先生から聞いた話だが、この詊隓自䜓は基本的に人を萜ずす目的は無く、あくたで参加する事が重芁らしい
䜕故なら蚓緎生が最終的に欲しい「ゲれレ」の資栌を埗るための最終詊隓ぞの参加条件の䞀぀が「䞭間詊隓ぞの参加」だからである
もっず蚀えば、䞭間詊隓には最終詊隓のリハヌサル的な意味合いも含たれおいる
最終詊隓は豚の半身ではなく牛の解䜓 豚より曎に倧きい肉を扱わなければならない
もう少し採点もシビアで、成瞟が悪ければ萜ちる可胜性も十分あるらしい

だから、この詊隓で感じた沢山の反省を掻かしお来幎の最終詊隓に臚みたい
私は絶察にドむツでゲれレの資栌をずりたい この資栌を取る事が今の私の䜕よりの目暙であり、これたで頑匵っおきた自分ぞの最倧の莈り物になるのだ
来幎の詊隓たであず1幎 この1幎で曎に自分を磚き、胞を匵っお資栌をずれるように邁進しおいきたい

ここたで読んでくださりありがずうございたした

いいなず思ったら応揎しよう