【ネタバレあり】7/4「新宿末広亭 7月上席 遊雀・伯山主任興行」~ごくらくらくごの東京落語日記
2026年7月上席。新宿末広亭で「三遊亭遊雀・神田伯山 主任興行」が今年も開催されました。
2022年から夏の末広亭の風物詩となっているこの興行。神田伯山さんが、大先輩である三遊亭遊雀と交互で主任を務めることもあり、常に大入り満員という大人気の興行です。
今年は、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんが前面プロデュースをする特別な公演ということもあり、前売り券、追加の2階席チケットも即日完売。公演当日も、50枚だけ出される整理券を求める人達で早朝から長蛇の列ができるなど、この公演の人気のほどがうかがえます。
1日だけですが、私もこの歴史的な公演を観ることができました。
この歴史的な興行がどんなものだったのか、個人的な感想を交えながら振り返っていきたいと思います。
当日券を入手するまで
この公演は、前売り券のほかに補助席・立ち見の当日券が販売されました。毎日11:00から、50枚の整理券が配布されるのですが、大人気の公演ですから、何時から並べば確実に整理券が入手できるかわかりません。
特に私は、2020年2月の伯山さんの真打昇進披露興行の、前日からの徹夜組が出るほどの人気ぶりを目の当たりにしているので、大事に大事をとって、朝7:00に末広亭に行くことにしました。
土曜日の朝の新宿は、朝まで飲んでいた若者たちの姿が見える時間帯。
金曜の夜のにぎわいが去り、休みの日ののんびりとした朝が支配する独特の時間帯です。
まだ涼しい新宿の街を抜け、7:00に新宿末広亭の前に行ってみると…。
並ぶ人は0人。
(そりゃそうだよな…)と心の中で思いながらも、ほっと一安心。
ただこれから4時間並びっぱなしはしんどいので、末広亭の様子が観察できる近くのスタバで時間をつぶします。
8:00、8:30になっても人は現れず、8:50頃に人が並び始めたので、私も列に。結果、5番目に並ぶことができました。
11:00に整理券が配布される頃には50人以上の列になっており、最後の方に並んだ人は、もしかすると整理券をゲットできなかったかもしれません。
いずれにせよ、無事に当日券(しかも補助席!)をゲットすることができました。
開場、そして開演
16:00を過ぎ、末広亭の周りにはチケットを手にしたお客さんが集まり始めます。談幸師匠がトリを務める昼席が終わり、お客さんが会場から出てくると、いよいよ夜席が開場。
待ちに待った公演が始まるとあって、みんな前のめりというか、思いっきり楽しんでやる!という意気込みが感じられます。
当日券の人達も、会場へ。補助席や桟敷の後ろの立見席に案内されます。
16:45、いよいよ開演。
この特別な興行を楽しもうと、お客さんの熱気も高まります。
玉川き太「つる」
開口一番は、前座の玉川き太(きだい)さん。玉川太福先生の弟子の浪曲師ですが、寄席では落語を演じています。
つるは非常にオーソドックスな前座噺。「つる」の名前の由来を知った男がそれを真似て失敗するという、典型的なオウム返しの噺です。
限られた時間のなかでもしっかりとオウム返しの面白さをコミカルに演じ、この会のトップバッターを見事に務めました。
神田鯉花「扇の的」
続いて上がったのは神田鯉花さん。松鯉一門の二ツ目さんで、最近は落語芸術協会の二ツ目、春雨や晴太さんと職場結婚をされたことでも話題となりました。
鯉花さんの高座はとにかく情熱的。セリフの力強さ、テンポ、響き渡る張扇の音など、とにかくパワフル。高座の前方をカッと見開いた目で見つめ、演じる講談は大迫力。一気呵成に演じ切る鬼気迫る熱演は、客席に強烈なインパクトを与えました。
オキシジェン「漫才」
お次は漫才のオキシジェン。2025年10月に落語芸術協会に加入したばかりですが、その実力は折り紙付き。2024年には漫才協会の真打に認められ、またTBS『水曜日のダウンタウン』の人気企画30-1グランプリで優勝するなど、漫才師としての実力は疑いようがありません。
この日も、登場するなりテッパンの「浅草の師匠モノマネ」を披露するなど、客席を沸かせていました。
すでに寄席にはかなりの高頻度で顔付されており、落語芸術協会にまた頼もしい色物さんが加わったことを感じさせてくれる高座でした。
桂鷹治「山号寺号」
桂鷹治さんは、2027年に真打昇進を控えた二ツ目さん。師匠の前名である「桂平治」を継ぐことが決まっています。
ずんぐりとしたフォルムが愛らしいですが、落語の語り口はとてもシャープでありながら、どこか温かみを感じさせてくれます。
「山号寺号」は、幇間持ちが山号寺号を言うたびに祝儀をもらえると知り、身の回りのいろいろな「~さん ~じ」を言うというネタ。非常に短く、またオリジナルの入れごとを入れやすいため、演じる噺家の個性が出る演目ですが、鷹治さんは敢えて変な入れごとに逃げず、「◯◯屋さん◯◯じ」という商店をモジったやり方で演じ、しっかりと笑いを取っていました。
噺本来の面白さをきっちり演じ、ちゃんと客席を楽しませる骨太の芸で、真打を迎える鷹治さんの技量の高さを見せつけてくれました。
中盤~仲入り 次々登場する実力者
神田鯉栄「寛永宮本武蔵伝〜狼退治」
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