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昇格を目指す旅路。信じ抜き、共に前へ。

待ちに待ったSC相模原の2026/27シーズンは、予想外の形で幕を開けることになった。
8月1日、天皇杯神奈川県予選決勝、専修大学体育会サッカー部戦は、相手に押し込まれた展開から不用意なプレーを突かれ、屈辱的に喫した失点を取り返すことができず時間だけが過ぎ、最終スコア0-1の惨敗に終わった。

これは、相手が大学生だから褒めているのではなく、純粋にピッチの中で相手に上回られていたような試合に見えた。

特に、準備の質の差は顕著だった。
相模原側は何らかチーム事情があることは容易に推測できるメンバー構成であったし、出ている選手の中にも、明らかにコンディションが下向きな選手がいた。
昨オフから志向した、「少数精鋭」編成の負の側面をまざまざと見せつけられてしまった。

とりわけ彼我の差を感じたのはスカウティングだ。
例えば、今の相模原は非保持で中盤にボールがある際に対角に張ったフリーの相手選手にロングフィードが入ると、一気に局面を打開されてしまう。この方法は、百年構想リーグでベガルタ仙台から食らったのを皮切りに、いくつかのチームから同様に展開されたが、いずれもされるがままだったと記憶している。
今日の専修大学戦でも、何度かそんな場面が見られ、やはり厳しい局面に持ち込まれてしまっていた。

昨年は天皇杯本戦では川崎フロンターレを下し、クラブ史上最高成績となるベスト8。百年構想リーグでも、J2の強豪相手に大健闘し、大きな成果と確かな自信を得た。

強く、大きくなれば、その分目立つ。
走りまくるフットボールをする以上、綻びやネックとなるポイントは必ず発生する。そうした部分が今まで以上に対戦相手に「見られている」ことを忘れてはならないと改めて感じた。

前半、相手は相模原の選手の個々のストロングを消すプレーが多く見られた。また、右サイドが構造的なウィークとなることにつけ入れられ、人の出し入れをされて何度も食い破られた。
一対一を仕掛けられる選手も限定され、相手の距離感で上手くボールを運ばれていた。チームとしてのスタイル以前に、選手個々のスペックが相当詳細にスカウティングされていたのを感じた。

一方で、相模原側は残念ながら相手をスカウティングしていたのかどうかすら不明な前半戦に見えた。
明らかに素晴らしい個の能力を持つタレントが居るのにも関わらず、相手の土俵でプレーをしてしまう時間帯が長過ぎた。
試合中のポジションチェンジも急場凌ぎで、選手交代も試合中に相手のスペックを見て慌ててマッチアップできる選手に入れ替えたような印象を受けた。

こうした大学生相手の敗戦をJクラブが喫した場合、先行してスタンドへ挨拶に来る対戦相手の大学生を大いに称えたあと、次にやってくる自チームに最大限のブーイングと罵声が送られるのが一般的かと思われる。
この試合もご多分にもれず、準備を含めて賞賛には到底値せず、プロとして至らないだろうとブーイングを食らって当然の内容・結果であったと思う。

それでも、試合後スタンドの大半のSC相模原を応援する人々が取ったアクションは、ブーイングや罵声を浴びせることではなく、労いとリーグ戦開幕に向けた激励の拍手だった。

僕もそうだったが、どのようなアクションでチームを迎えるか悩んだ人は相当数いたのではないかと思う。
本来ならば、至らなかったことや味わった悔しさややりきれなさをそのままブーイングに変換するのがフットボールサポーターとしては当たり前なのかもしれない。
けれど、このチームで昇格すると信じ応援するからには、応援する人間としてもチームを信じて伴走し、そして最終的には全てが溶け合うような一体感を醸成しなければいけないと思う。

全てが上手くいくわけではなく、その場が限りなく悪かったとしても、この先、一年間のリーグ戦を共に戦っていこうという、決意の拍手であったと僕は思っている。


SC相模原は、2025シーズン終了から、大きく変わった。
徹底的に走って前を向けるチームを作り、エネルギッシュなフットボールを展開するようになった。
百年構想リーグでは、J2クラブを圧倒するような素晴らしい試合も見られた。

確かな手応えを皆が感じて、いよいよ2026/27シーズンを迎えようとしている。


これまでのシーズンは、どこか浮ついていた中で「今年は昇格だ」と言っていたが、今季は違う。
明確に皆が現実的に到達可能な目標と信じてJ2昇格を目指している。

J3の進歩は目覚ましい。
僕がサッカーを見始めた2021年と比較すると、J3自体が5年の間に1つ上のカテゴリーの実力をつけたようにすら感じる。プレーの質、スピード、戦略性、どれを取っても異常なスピードで急速に進化していて、そのリーグの奔流に各クラブが食らいつきつつ他を出し抜こうとしている。


その中で始まる2026/27シーズン。
J2を戦ってきた強いチームもいる。スタイルが確立されたチームも数多くいる。
その中で、我々SC相模原が今シーズンの目標を達成するのは、容易なことではない。けれど、一年間歯車が噛み合えば必ず昇格できると僕は信じている。


先日開催されたキックオフブリーフィングでは、西谷社長、平野孝スポーツダイレクターはじめ、SC相模原各事業部の部長が登壇した。
DeNA傘下となり5年を迎える中で、会社としての取り組みが内部の数字だけではなく、いよいよ目に見える形として表れ始めるフェーズに入ってきたことを感じた。

編成面でも、ようやく掲げる理想に近しいメンバーが集められ、チームとして一枚岩を形成できる状態になったことを確認した。


5年半Jリーグを見た中で、昇格に必要な要件の1つとして、「チーム・クラブ・サポーターの一体感」があることを強く感じている。

昇格するチームのスタジアムには、必ずそこに確かな「熱狂」が宿っている。
それは、スタンドにいるファン・サポーターが、クラブやチームを信じ、良い結果が得られることを心の底から期待しているからこそ生まれるものに他ならない。

今のSC相模原にも、この絶好機を逃す訳にはいかないという雰囲気が充満している。


チームは半年間で確かな手応えを得た。
このチームでなら昇格をできると信じて、SC相模原に残ってくれた選手がいる。
このクラブが大きくなるために、大切なキャリアを捧げてくれる選手がいる。
クラブを下支えし、情熱的に働くたくさんのクラブスタッフがいる。

全てのエネルギーを前進する推進力に変えて、絶対に掴み取ろう。

昇格に向けた、長い旅路が始まる。

信じて、信じて、信じ抜いて、
共に笑い合える6月を目指そう。

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