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CL通算3得点、日本人歴代4位タイ。それでも上田綺世は素直に喜べなかったはずその理由とは?!



ゴールを決めた。それなのに、ピッチの上で本当に喜べていたかと言うと、たぶん違う。

上田綺世がリール加入後、CL初先発でヘディングを叩き込んだ。ニュースだけ見れば「日本人エースがついに5大リーグ&欧州最高峰へ」という、綺麗な物語で片付けられてしまいそうな試合だった。

普通に考えれば、これは“サクセスストーリー”だ。トルコ・フェネルバフチェからの2500万ユーロという高額オファーを断り、あえて条件面では見劣りするリール移籍を選んだ。プレミアリーグへの憧れを一旦脇に置いてでも、「5大リーグで新しい挑戦をしたい」と自らクラブに申し出たという。その決断が、わずか数試合で結果として返ってきた。デビュー戦でゴール、そしてCL初先発でも先制点。誰が見ても「移籍は成功だった」と言いたくなる数字が並ぶ。

でも、試合結果は2-3の逆転負けだ。しかもチームメイトの一発退場が絡んでの黒星だった。個人としては結果を出しているのに、チームは勝てていない。この“噛み合わなさ”にこそ、上田が今向き合っている本当の課題があると思う。

事実を整理しておく。

- 9月3日、リーグ・アン第3節で移籍後初出場を果たすと、途中出場から決勝ゴール
- 9月8日、CLリーグフェーズ第1節ベティス戦で加入後初先発。前半12分、イーサン・ムバッペのクロスにヘディングで合わせて先制。CL通算3得点で、本田圭佑・鎌田大地と並ぶ日本人歴代4位タイに浮上
- 後半、そのイーサン・ムバッペが相手への報復行為で一発退場。数的不利になったリールは2-3で逆転負け
- フェイエノールト時代から通算で公式戦5試合連続ゴールという好調を継続中

数字だけ見れば文句なしの滑り出しだ。でも、プレーする側の感覚で言うと、「個で結果を出す」ことと「チームで勝ちきる」ことの間には、思っている以上に大きな溝がある。

一つ目。上田の決定力そのものは、もう疑う余地がない。ファーサイドに走り込むタイミング、クロスに体を合わせる角度。これはエールディビジだろうがCLだろうが質が落ちていない。“個”としての適応は、正直あっさりクリアしていると思う。

二つ目。問題は“勝ちきる”側にある。5大リーグ、しかもCLという舞台では、一瞬の激情が即座にスコアボードに跳ね返ってくる。今回はイーサン・ムバッペの退場だったが、これはチーム全体の“我慢の総量”の問題であって、個の力だけではどうにもならない。自分が点を取っても、周りが一瞬で崩れれば試合そのものが壊れる。これは、エールディビジでエースとして君臨していた頃にはあまり直面しなかった種類のプレッシャーだと思う。

三つ目。上田自身の立ち位置の変化。フェイエノールトでは“チームを背負うエース”だった。でもリールでは、まだ“チームの中の一つの駒”としての信頼を積み上げている段階だ。ゴールを決めても、チームが崩れかけたときに周りにどう働きかけるかまではまだコントロールできない。ここは、経験でしか埋まらない部分だと思う。

香川真司や南野拓実が、ビッグクラブやCLの舞台で結果を出しながらも、チームの浮き沈みに巻き込まれてきた歴史を見ても、同じことが言える気がする。“個で通用する”ことと“チームを勝たせる”ことは、5大リーグでは別のスキルとして評価される。日本人選手が本当に突きつけられる“世界との差”は、実はシュート精度でも身体能力でもなく、こういう「崩れかけたチームの中でどう振る舞うか」という部分にあるんじゃないかと思う。

上田は今、間違いなく結果を出している。でもこの試合が教えてくれたのは、“個の結果”と“チームの勝利”が必ずしもセットでは訪れない、5大リーグのシビアさだ。ここから上田が「点を取れるFW」から「勝たせられるFW」にどう進化していくか。そこが本当の見どころだと思う。

みなさんは、上田綺世がリールで本当の意味で“信頼される選手”になるまで、あとどれくらいかかると思いますか?

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