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town103
余白に戻る。
何かを始めるとき、
人はつい、足そうとする。
もっと知識を。
もっと方法を。
もっと誰かの経験を。
そうすれば、きっと遠くまで行けると思っていた。
けれど、ある日気づく。
必要だったのは、
新しい何かではなかった。
今まで握っていたものを、
ひとつずつ手放すこと。
誰かの正解。
誰かの速度。
誰かの「こうするもの」。
それらを置いていくと、
不思議なくらい、自分の歩幅が見えてきた。
ただ、歩き始めると、
また声が聞こえてくる。
「そっちでいいの?」
「普通はこうするよ」
「もっと別の方法があるんじゃない?」
以前なら、立ち止まっていた。
調べて、比べて、
もう一度考えて。
けれど今は、
少しだけ違う。
その言葉を否定する必要はない。
「そういう考え方もあるんだ」
そう受け取って、
また自分の場所へ戻る。
なぜなら、
誰かの道を理解することと、
その道を歩くことは違うから。
私は、私の歩幅で進む。
早くなくてもいい。
完璧でなくてもいい。
ただ、
自分が今やろうとしていることを、
途中で手放さない。
静かにひとつ終わらせる。
そして、次へ進む。
もしかすると、
人生を整えるというのは、
何かを増やしていくことではなく、
自分に必要のないものに、
「もう大丈夫」と言えることなのかもしれない。
余白ができたとき、
初めて見えるものがある。
その余白の中に、
私はもう一度、自分を置いてみる。
そして思う。
「これでいい。」
その言葉は、
誰かに許可をもらうためではなく、
自分自身に返すための言葉だった。
最後まで、読んでくださりありがとうございます。
心より感謝しています。
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