【女性と子どもの医療、なぜ「儲からない」と思われてきたのか】——カナダ発ファンドが5800万ドルで示した答え。「女性の健康に投資する」とは慈善ではなく94兆円の放置市場に最初に船を着けること。#女性の健康 #フェムテック #インパクト投資 #スタートアップ #ヘルスケア #カナダ #ベンチャーキャピタル #ポス鳥 #海外ニュース
こんにちは、ポス鳥です。
今日のニュースはこちら。
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📰 今日のニュース1分まとめ
2026年8月6日、カナダ・トロントに本拠を置く投資会社、クロスボーダー・インパクト・ベンチャーズ(Cross-Border Impact Ventures、以下CBIV)が、 5,800万ドル(約87億円) の資金調達の第一弾を完了したと発表しました。
この会社がやっていることは、とてもシンプルです。
女性と子どもの健康に特化した医療テクノロジー企業に、お金を出す 。
それだけです。
「え、女性と子どもの医療って、そんなに投資するものがあるの?」
そう思った方も多いかもしれません。
実は、ここに巨大な「見落とし」があります。
🔍 何が「見落とされて」いるのか
世界の人口の約半分は女性です。
ところが、医療の研究開発費のうち、女性の健康に特化して使われているのは わずか4〜5% 。
これは、マッキンゼー・ヘルス・インスティテュートと世界経済フォーラムの共同調査で明らかになった数字です。
もう少し具体的に言うと、こういうことが起きています。
・心臓発作を起こした女性が、男性より 最大7倍 「誤診」されて帰される
・薬の副作用報告は、女性の方が男性より 52%多い ——それなのに、臨床試験の被験者は男性が多い
・子宮内膜症は世界で最大1.9億人の女性が苦しんでいるのに、アメリカ国立衛生研究所(NIH)からの研究助成金はわずか2件(姉妹疾患の子宮腺筋症について)
・勃起不全(男性の性機能障害)の研究論文は、月経前症候群(PMS)の研究論文の 5倍 もある
例えるなら、こういう状態です。
学校の給食で、クラスの半分の生徒には毎日フルサイズのお弁当が届くのに、 残り半分にはおにぎり1個だけ が渡される。
しかも、「おにぎり1個で足りてるよね?」と、誰も疑問に思わない。
CBIVは、この「見落とし」に正面から投資で切り込んでいるファンドです。
⚡ そして、このニュースの注目すべき点
このファンドの中身も興味深いのですが、 注目すべきは「投資家たちの動き」 です。
通常、社会貢献型の投資(インパクト投資)は、リターン(投資の利益)が低いと思われがちです。
「良いことをしているけど、儲からない」というイメージです。
ところが、CBIVの場合は違いました。
1号ファンド(最初のファンド)に出資した投資家たちが、 2号ファンドでは出資額を増やして戻ってきた のです。
しかも、出資者の中にはドイツ政府系の開発銀行(KfW)、アメリカの名門財団スコール財団(Skoll Foundation)、そしてカナダのジェンダー平等ファンドであるイクオリティ・ファンド(Equality Fund)など、 「慈善」ではなく「実績に基づく再投資」 の顔ぶれが揃っています。
最終的な目標額は 1億2,500万ドル(約188億円)
2027年後半までに達成を目指しています。
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🌸 季節の情景
8月、日本は猛暑のまっただ中です。
エアコンの効いた産婦人科の待合室で、妊婦さんがお腹をさすりながら順番を待っている——そんな光景が、今日もどこかの病院で繰り広げられているはずです。
妊婦健診。
日本では当たり前のように受けられるこの検査ですが、世界に目を向けると、まったく違う現実があります。
WHOによると、2020年時点で、毎日約800人の女性が、 妊娠・出産に関連した予防可能な原因 で命を落としています。
2分に1人。
しかも、その大半は、適切な医療さえあれば防げた死です。
今日のニュースは、この「適切な医療」を届けるための技術に投資する、あるファンドの話です。
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📨 一般的なイメージへの疑問
「女性の健康に投資する」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。
多くの人は、「社会貢献」「チャリティ」「寄付」を思い浮かべるかもしれません。
あるいは、「それって儲かるの?」という素朴な疑問。
実はこの「儲かるの?」という問いそのものが、 この分野が長年見落とされてきた最大の原因 です。
マッキンゼーの試算によると、女性の健康格差を埋めるだけで、 世界経済に年間1兆ドル(約150兆円)以上の経済効果 が生まれます。
投資1ドルあたり約3ドルの経済リターン。
「儲からない」のではなく、 「誰も本気で投資してこなかった」 だけなのです。
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💼 筆者コメント
正直に言います。
今回の記事を調べる前、私も「女性の健康ファンド」と聞いて、最初に浮かんだのは「社会貢献系のファンドかな」でした。
でも、調べれば調べるほど、これは 構造的に巨大な投資機会が放置されている 話だと分かりました。
人口の半分がターゲットで、研究開発費は全体の5%以下。
市場規模は現時点で約94兆円、2035年には約165兆円に成長する見込み。
それなのに、競合する専門ファンドはまだほんの一握り。
貿易の世界で言えば、 「誰も手を出していない港に、最初に船を着けた」 ような話です。
では、このファンドの中身を詳しく見ていきましょう。
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📑 本文予告
この記事では、以下の流れで解説します。
第1章 :CBIVとは何者か——2人の女性が立ち上げたカナダ発ファンドの正体
第2章 :投資先の実績——AIで胎児を守る企業から、タンポンで子宮頸がんを検診する企業まで
第3章 :なぜ今、女性の健康が「投資チャンス」なのか——94兆円市場の構造的理由
第4章 :日本に住む私たちに、どう関係するのか
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