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【旅行記】妻と二人で過ごす、最後の旅。熱海の朝に、これからの家族を思う

0500。

朝日で目が覚めた。

外からは、朝焼けに染まった熱海の街が目に入ってきた。

まだ街は完全には目を覚ましていない。

そんな静かな時間の中で、建物や屋根が朝の光を受けて、ところどころキラキラと輝いている。

しばらくテラスから、その景色を眺めていた。

そして、そのまま部屋の露天風呂へ。

お湯の温度がちょうどいい。

でも、気持ちいいのはお湯だけじゃない。

朝焼けに照らされた熱海の街並み。

少しずつ色を変えながら、青くなっていく空。

その景色を眺めながら湯船に浸かっていると、ふと、

「ほんまに幸せやわ」

と思った。

何か特別なことをしているわけじゃない。

ただ、朝早く起きて、温泉に入って、景色を眺めているだけ。

それなのに、心がすっと落ち着いていく。

旅には、こういう時間があるからやめられない。


身支度を整えた後は、旅館のロビーへ。

ここからは、いつもの日課。

日記を書き、noteを書く。

場所がどこであろうと、時間が何時であろうと、これは自分の人生におけるルーティンになっている。

旅をしていても、記録する。

その日に何を見て、何を感じたのか。

できるだけ鮮明に残しておきたい。

そして最近、ふと思うことがある。

この記録を生まれてくる娘が読んだら、どう思うんだろう。

「お父さん、こんなこと考えてたんだ」

と思ってくれるだろうか。

まだ顔も見ていない娘に、自分の言葉を残しておく。

それは父親としての、小さな仕事なのかもしれない。

いや、少し大げさかもしれないけれど、自分がこの時代に生きた証を残すことは、これから父親になる自分にとって大切なことだと思っている。

フリードリンクのマンゴージュースを飲みながら、黙々と文字を打ち続けた。

こういう朝も、悪くない。



部屋に戻ると、妻も身支度を終えていた。

そろそろ部屋食の朝食が運ばれてくる時間だ。

私は今もそうだが、基本的に「コスパ重視」の人間である。

旅行先でも、

「どうすれば元を取れるか」

をついつい考えてしまう。

我ながら、なかなかセコイ男だと思う。

だから宿泊先では、ビュッフェを選ぶことが多い。

好きなものを好きなだけ食べられるし、何より「元を取った感」がある。

そんな私が、今回は部屋食を選んだ。

そして、これがなかなか良かった。

仲居さんが一品ずつ料理を運んできてくれて、料理の説明をしてくれる。

目の前に並べられていく料理は色鮮やかで、どれも新鮮そうだ。

ビュッフェのように「次は何を取りに行こう」と考える必要もない。

目の前にある料理を、ただゆっくり味わえばいい。

今回の朝食は「朝活セット」。

名前の通り、朝からしっかりと精が出そうな料理が並んでいた。

そして何より、量が決まっているからこそ、一品一品をちゃんと味わうことができた。

「食べ放題で元を取る!」

という私のいつもの旅とは、少し違う朝だった。

でも、こういう贅沢も悪くない。

朝食を終えて、チェックアウトまでは約90分。

私はテラス席に座り、村上春樹の『夏帆』を読み続けた。

熱海の風を感じながら、本を読む。

時間がゆっくり流れている。

こういう時間も、旅の醍醐味だと思う。


やがて、チェックアウトの時間が近づいてきた。

いつだって、旅の終わりは寂しい。

特に今回は、少し特別だった。

今回泊まったのは、マタニティプランの部屋。

妻のお腹には、もうすぐ生まれてくる娘がいる。

この旅が、妻と二人で過ごす最後の旅行になる。

そう思うと、部屋を出るのが少し名残惜しかった。


チェックアウトを済ませ、旅館の前で最後の一枚。

そこにはフォトスポットがあり、足元には今日の日付が記されていた。

令和8年8月8日。

8が三つ並ぶ。

これ以上ないくらい、縁起の良い日だ。

マタニティ旅行で妻とこの日に来られたこと。

そして、この日に二人で写真を残せたこと。

なんとなく、

「娘はきっと元気に生まれてきて、すくすく育っていくんだろうな」

そんな気がした。

根拠なんてない。

でも、なぜかそう思えた。


熱海駅までは車で5分ほど。

駅周辺まで来ると、坂道と人の多さに驚いた。

なんとなく、京都の清水寺周辺に似ている。

狭い道にたくさんの人がいて、そこに観光客向けのお店がずらりと並んでいる。

狙っていたのは、30分110円の公共駐車場。

しかし、案の定、満車。

ただ、駐車できる台数も多そうだし、入れ替わりも激しそうだったので、しばらく待つことにした。

そして30分後。

無事に駐車完了。

いざ、熱海の中心地へ!

まず向かったのは「まる天」。

かまぼこの名店だ。

お目当ては、タコ棒とチーズ棒。

駅構内にあるので、炎天下の中を歩き回らず、涼しい場所で買えるのもありがたい。

そして、実際に食べてみる。

……美味い。

熱々のチーズかまぼこが、想像以上に胃袋へ入ってくる。

ボリュームもしっかりある。

朝食を食べたばかりなのに、これは別腹だった。

さあ、ここからはいよいよ熱海の商店街。

アーケード街へ向かう。

ありがたいことに、商店街はほぼすべて屋根に覆われている。

この日の熱海はかなり暑かったので、直射日光を避けられるのは本当に助かる。

しかも、ところどころにミストまである。

これは食べ歩きに向いている。

暑いけど、楽しい。

そんな絶妙な観光日和だった。


次に向かったのは「熱海ミルチーズ」。

ここでずっと楽しみにしていたものがある。

「のめるバスク」。

名前からして気になる。

隣の熱海プリンには、すでに長蛇の列ができている。

一方、熱海ミルチーは比較的空いていた。

これはラッキー。

さっそく、のめるバスクを実食。

……。

飲める。

本当に飲める。

チーズケーキなのに、飲める。

口の中に入れた瞬間、チーズの濃厚な味が広がって、そのままスッと消えていく。

気がつけば、もうなくなっていた。

これは美味い。

今回の熱海スイーツの中では、個人的に一番だったと言ってもいい。

「飲めるチーズケーキ」という言葉に偽りはなかった。


続いて向かったのは「熱海パン」。

ここは『るるぶ』を見ていて気になったお店だ。

ふんわりしたパンの中に、もちもちしたクリームが入っているという。

注文したのは、

ブリュレ富士。

そして、NYチーズケーキパン。

一口食べる。

ふわっ。

その直後、クリームが口いっぱいに広がる。

これも美味い。

旅先では、こういう「たまたま見つけた店」が当たりだった時が一番嬉しい。

店内には、直近で来店した阿佐ヶ谷姉妹のサインも飾られていた。

こういうのを見ると、

「あ、本当に人気のお店なんだな」

と実感する。

一方、熱海プリンには相変わらずものすごい行列。

本当にすごい。

ただ、店舗は違うものの、昨日はほとんど並ばずに食べることができた。

今思えば、かなりラッキーだった。

商店街を歩いていると、至るところに熱海プリンの昔ながらの看板がある。

ここまで街の至るところで目にするとは思わなかった。

熱海を代表するスイーツなんだな、と改めて感じる。


しかし、気温はどんどん上がってきた。

そろそろ限界。

駅前のショップでお土産を購入し、駐車場へ戻る。

そして、いよいよ熱海を離れる時間がやってきた。

楽しい時間は、本当にあっという間だ。

車に乗り込みながら、ふと思う。

「次に熱海へ来る時は、家族3人なのかな」

今度は娘も一緒に。

もう少し大きくなったら、3人で海水浴なんかもいい。

砂浜で遊んで、海に入って、疲れたら3人でかき氷でも食べる。

そんな普通の一日が、今の自分にはものすごく楽しみに思える。


帰り道。

せっかくなので、鎌倉・七里ヶ浜にあるPacific DRIVE-INへ寄り道。

目的は、展示されているJeep Wrangler Whitecapを見ること。

ブルーのボディが夏の景色によく映えている。

やっぱり、この色は夏に似合う。

ただ、年中乗るとなると……少し悩む。

私は現在、Jeep Wrangler Rubiconのグラナイトに乗っている。

次に乗り換えるとしたら、候補はゴビ、スティングレー、アンヴィル、そして41。

こうやって車を眺めながら「ああでもない、こうでもない」と考える時間も、結構好きだったりする。

その後、ヤマダ電機に寄り、帰宅。


今回の旅も終わった。

旅行って、本当にあっという間だ。

出発する前は、

「まだまだ先だな」

と思っていたのに、始まってしまえば一瞬。

そして終わると、

「もう終わったのか」

と寂しくなる。

でも、それが旅なのだと思う。


今回の旅には、ひとつだけ大きな意味があった。

妻と二人で過ごす、最後の旅行。

次に旅行するときには、きっと3人になっている。

そう考えると、寂しいような、嬉しいような、不思議な気持ちになる。

これまで妻と二人で作ってきた思い出。

これからは、そこにもう一人加わる。

3人で旅行して、

3人で笑って、

3人でくだらないことで喧嘩して、

3人で美味しいものを食べて、

3人でいろんな景色を見る。

そして、その一つひとつを記録していく。

いつか娘が大きくなったとき、

「この頃のお父さんとお母さんは、こんなことをしていたんだ」

と、この日記やnoteを読んでくれたら嬉しい。

2026年8月8日。

熱海の朝焼けを見ながら、

「ほんまに幸せやわ」

と思った。

たぶん、これからもっと幸せになる。

妻と二人で過ごす旅は、これで一区切り。

でも、旅そのものが終わったわけじゃない。

むしろ、ここからが始まりだ。

次の旅からは、家族3人。

これから始まる我が家の歴史を、ゆっくりと、でも鮮明に刻んでいこうと思う。


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