ポルの王子さま
昨年の秋、神田古本まつりに足を運びました。そこで見つけて迷いに迷って買わなかった一冊の本があります。それが「ポルの王子さま」です。
タイトルから想像がつくかと思いますが、「星の王子さま」のパロディー本であることは言うまでもありません。
良い値段だったので天秤にかけた結果、見事に連絡先を交換したセクキャバの女の子に敗北し、買うことなくその場を去りました。
要はセクキャバで1セット+指名料+女の子にドリンクの総額よりも高い価格でした。
神田にいた時点ではセクキャバに行くつもりでいたのですが、結局帰ってから行くことはありませんでした。
浮世之介にとって「星の王子さま」は人生における大切な一冊です。古本まつりで手に取ったその本は、装丁、外箱に貼られたステッカーまでパロディー本として完璧に作り込まれていました。
記事にも書いた通り、逃した魚は大きかったという感がいつまでも消えませんでした。
結論から言えば、結局ネットで探しまくって購入に至りました。
そして手元にやってきた「ポルの王子さま」がこちらです。

「星の王子さま」と並べてみるとこうなります。ステッカーまで細部にわたってパロディー化されています。


少しだけ本文もお見せします。挿絵のタッチも「星の王子さま」にそっくりです。出てくる動物も「星の王子さま」でお馴染みの羊やキツネも出てきます。

文章自体は「星の王子さま」を踏襲しつつもポルノなのです。「星の王子さま」が哲学的であったり社会風刺であるように、こちらもエロ哲学や風刺に溢れています。文章自体も実に完成度が高く秀逸なので面白く読めてしまいました。
設定もちゃんとある海外の作家ということにはなっていますが、たぶん架空の作家でしょう。
架空の作家というとデレク・ハートフィールドを思い出します。村上春樹さんの「風の歌を聴け」に出てきた架空の作家です。図書館や書店で問い合わせる人が出たという逸話があります。中学生の浮世少年も長いこと実在の作家だと思っていました。
「ポルの王子さま」を書いたのは日本の方ではないかと思います。あくまで想像ですが、こんな手のこんだパロディーが作れるのは日本人だと思いました。
そして王子さまが訪れる星にヒジリ星という星があるのですが、そこに住んでいる一人の名前がなんと浮世ヒジリなのです。しかも、浮世ヒジリは二千人斬りの宇宙一のスケコマシでした……モデルは井原西鶴の「好色一代男」の世之介のようです。ネタ元は浮世之介と同じだったのです。
浮世ヒジリは物語の最後の方に出てきます。そこまで読んで、この本は高額であっても僕の手元に置いておくべき本だったと思ったのでした。
そんな素敵な大人の童話でした。

しかし、禁断のニョロうさぎ画伯の描いた浮世之介はチャラい星の王子さまに見えなくもない……とかねてより思っていて、とても気に入っています。
おしまい

