アンコールは突然に。
先日。
GET BILL MONKEYSのツアーファイナルが行われた。
楽しかったツアーも、これで終わり。
どこかの会場でお会いしてくれた方々。
ありがとうございました。
そして、都合上、会場ではお会いできなかったけれど、こうしてこのnoteを開いてくれている方々。
いつもありがとうございます。
さて。
ツアーが終わり、KONGにはまだやり残していることがあった。
それは……。
打ち上げだ。
人は何かをやり遂げると、"打ち上げ"という名の行事を開催したがる。
そもそも"打ち上げ"とは、能楽や歌舞伎などの演奏で区切りをつけるために、太鼓を強く打って"打ち終える"。
そこから"打ち上げる"という言葉が生まれ、相撲などでも『行事をすべて終えること』という意味で使われるようになり、一つの区切りとして『打ち上げ』が広まったらしい。
つまり。
ツアーファイナルが終わった今。
KONGは『打ち上げ』を欲している。
お祭り男として、やらないわけにはいかない。
いざ尋常に挑む。
一人で。
好きなものを、好きなだけ食べる。
一人で。
話し相手が欲しくなったら、カリン様のフィギュアに話しかければいい。
(ゴトッ)

「カリン様、無事ツアーが終わりましたよ。」
カリン様は何も言わない。
さすが仙猫様。
寡黙だ。
寂しくなったら、ヤジロベーのフィギュアも置けばいい。

これで三者面談も出来る。
完璧だ。
誰にも気を遣わず、誰にも止められない。
最高の打ち上げが、今ここに始まろうとしている。
この日が休みということもあり、昼過ぎにスーパーへ足を運ぶ。
外はまだまだ夏の暑さを感じさせてくれる。
『夏よ。今年の夏は素敵な思い出になったよ。』
夏に感謝をするのは、久しぶりな気がする。
そんなことを思いながらスーパーに入ると、いきなりKONGの目に飛び込んできたのは…。
『ゴーヤ』
実はKONG、ゴーヤが好きだ。
チャンプルーとはなんぞや?
と、思っているが、豚肉と炒めると、お腹いっぱいまで食べられる気がする。
今夜は打ち上げ。
『ゴーヤでお腹をいっぱいにしようではないか!!』
カゴにサッとゴーヤを2本入れ、豚肉も買う。
『家に卵はあったな。』
必要なものだけを買う。
今夜はゴーヤと向き合うと決めている。
そう。
今日は余計なものは買わない。
レジに向かう。
……向かうはずだった。
しかし。
なぜか足は鮮魚コーナーへ向かっていく。
そして、出会ってしまう。
【えんがわチャンジャ】
(ドキッ)
『えんがわでチャンジャだと?』
味は想像できる。
しかし、一体どうなんだ。
食感はコリコリしていると思う。
でも、えんがわだから、KONGの前歯でも噛み切れるのか?
気になる。
ものすごく気になる。
そして……。
カゴにサッ。
必要ないものは買わない?
誰が決めたのだ。
このバカチンがーーー!!
KONGの中で眠っていた坂本金八が荒ぶる。
あとは寄り道をせず家に帰り、風呂に入り、素材を切る。

そして、えんがわチャンジャを皿に移す。

こうなったら、もうキックオフだ。
ビールを飲みながら、ゴーヤを豚肉と炒める。
豚肉を炒めながら、KONG愛用。
すべての料理にコレを入れると言っても過言ではない、『まるじょうのだしの素』を0.5袋投入。

そして…
2本分のゴーヤを
どーーーーん!!!

2本ってこんなに多かったっけ?
そんなことはどうでもいい。
料理をしながら、さらにお酒が進む。

味付けにオイスターソース、醤油、塩、胡椒をフリフリして、
最後に皿に
どーーーーん!!!

完成。
これは打ち上がる。
ツアーを終えた男が、今宵、静かに祝杯をあげる。
誰にも気を遣わない。
誰にも止められない。
そして。
誰にも止めてもらえない。
それでいい。
最高だ。
こうして…
KONGは、ゴーヤとチャンジャと酒の海へ、ゆっくりと沈んでいった。
……。
(約60分後)
気がつけば、20時前。
眠気が襲ってくる。
ちゃんと意識を失う前に歯を磨く。
そして、そのまま眠りについた。
『家では限界まで飲む。』
これができるから最高なのだ。
「打ち上がっ……
た……
……zzzzzze……。
……zzzzzz。」
……。
(すやすやzzz)
……ゴロゴロ。
……。
ん?
何か音が聞こえる。
……。
寝ぼけながら、目覚まし時計をタッチするKONG。
時刻は2:00。
「まだ……2時かい」
目覚まし時計にツッコミを入れる。
しかし。
その直後。
ゴロゴロゴロゴロ。
さっきよりも明らかに大きい。
そしてかなり近い。
急激に鳴り響く音が、KONGを眠りから現実へと引き戻した。
ゴロゴロ。。。
お腹が痛い。
下手したら、この夏で一番痛い。
いや。
今年一番かもしれない。
KONGはトイレへ駆け込んだ。
蹲り(うずくまり)ながらKONGは考える。
なんだ?この痛みは。
一体、何が起きている?
なにより…。
ロマンティック以上に止まらない。
まさか……。
スマホで調べる。
ゴーヤは食物繊維が多く、食べ過ぎるとお腹の弱い人にはよろしくないらしい。
一日の目安は0.5本程度。
……。
確実に食べ過ぎている。
0.5本が目安なのに。
2本。
4倍。
完全なる過剰摂取。
もう一度言う。
2本。
なぜ2本買った。
なぜ2本食った。
なぜ誰も止めなかったのか。
……。
KONGしかいなかった…。
誰にも止められない。
最高の打ち上げ。
その言葉を、数時間前の自分が誇らしげに語っていた。
コレが現実であり、コレがKONGだ。
今、その「誰にも止められない」が、完全に牙を剥いている。
ツアーの疲れを癒すはずの打ち上げで。
まさか自分の胃腸にまでツアーをさせてしまうとは。
トイレの天井を見つめながら、KONGは静かに目を閉じた。
すると。
どこからともなく、神様の声が聞こえくる。
『打ち上げるからには、しっかり体の中から区切りをつけなさい。
幸せも、食物繊維も、分け合えるぐらいがちょうどいいのです。
そして…。
"打ち上げ"には、"二次会"がつきものです』
……。
まさか。
KONGが今いるココが。
二次会会場だったとは。
……。
ツアーは終わった…。
ライブも終わった…。
打ち上げも終わった…。
…はずだった。
だが。
KONGの身体の中では、まだ終演していなかったようだ。
静まり返った深夜2時。
誰もいないトイレで。
KONGの腸内だけは満員御礼だった。
耳をすませば聞こえてくる。
「まだ終わってねぇぞーーー!!!」

KONGの腸内が叫んでる。
誰も望んでいないアンコール。
それでも、KONGの腸は止まらない。
こんな一方的なアンコールがあるのだと、その日KONGは痛感したのだった。
もう一緒に歌うしかない。
『月〜金きばってきばって!!
深夜でもきばって!!』
それでは!
また!
