お金を積まれても無理なこと
息子は、数日後にある友達の誕生日会に呼ばれている。
夕方にその子の家に集合し、翌朝まで過ごすお泊まり会だ。
先日、バースデーボーイのママに会ったとき、この誕生日会の話になった。何人くらい招待しているのか尋ねると、「12人」という驚きの数字が飛び出した。
「この人数で一晩乗り切れるか、ちょっと自信がないわ」
じゅ、12人?!
あまりに無謀に聞こえて、わたしは一瞬、言葉を失った。
わが家には子どもが2人いて、それでも手に余るときがある。そこにさらに10人プラスされた状況なんて、想像するだけで恐ろしい。
わたしだったら、「自信がない」なんて話では済まない。なんとかして別のプランに変更させる。
だって、10歳の男子が12人も集まって、「さあ、寝なさい」と言ったところで、おとなしく寝るわけがない。長い、長い夜になることだろう。
わが子ならガツンと言って聞かせることもできるが、よその子となると、そうもいかない。
いや、別に子どもが嫌いなわけではない。わが子やわが子の友達が楽しんでくれるなら、多少のことは頑張れる。
...…でも、やっぱり12人は無理だ。
どう考えても無理だ。
お金を積まれても無理だ。
「とりあえず、全員の親に連絡して、その日は子どもたちを朝4時に起こしてもらうように頼んでみるのがいいんじゃない?」
なんとか息を取り戻し、最大限、彼女の心に寄り添ってそうコメントした。
「それ、いいね」
と彼女は笑った。
「もちろん、昼寝は禁止で」
念のため、そう付け加えておいた。
うちも呼んでもらっておいてなんだが、彼女の幸運を祈るばかりである。
