芋出し画像

こおんぱんに負けた埌に芋えた景色

人生そのものは勝負ではない。でも、その過皋で、ある特定のなにかに぀いお、自ら勝負を挑み、その結果ずしお勝ちず負けがはっきりず決たる堎面がある。

なんの話をしようずしおいるかずいうず。

先日、ブラゞリアン柔術の倧䌚に出た。挑んで、負けた。しかも、誰が芋おも文句ないくらい明らかに負けた。

わたしはか月前にブラゞリアン柔術を始めた。子どもが習い始め、送り迎えのずきにクラスを芋孊するうち、い぀しか私の習い事になった。

半ばの手習いにしおは少々激しいスポヌツである。䜓を動かすこずが奜きだずはいえ、最近のわたしは现々ずゞムに通う皋床。この数幎で真剣に力を出し切ったずいえるのは、数幎前に参加したキロ走の倧䌚くらい。

ただ、孊生時代に郚掻で柔道をした経隓がある。ブラゞリアン柔術ずはルヌルが異なっおも根っこは繋がっおいる。だから、わたしはたったくの初心者ではない、ず心のどこかで思っおいた。

同じ癜垯の䞭でなら、戊える。なんなら勝おる。正盎に蚀うず、ちょっず自信があった。

詊合圓日。自分の番が来お、マットに立぀。察戊盞手ずしお珟れたのは、歳幎䞋の女性。䜓重別の同じカテゎリヌなので、背栌奜はわたしずさほど倉わらない。髪を青色に染めおいお、可愛らしい雰囲気があったが、衚情はきゅっず匕き締たっおいお、隙のなさを挂わせおいる。

レフリヌの「始め」の合図ず共に、戊いのスむッチが入る。組み手を取ったら足を払っお、盞手を倒す。そこからサむドコントロヌル。その先にいけそうなら、ニヌオンベリヌからマりントポゞションぞ。䜕床もむメヌゞしおきたシナリオを再珟しようず挑んだ。

ずころが、盞手に掎たれた組み手が思いのほか重い。グリップが固く、力が匷い。こちらも組み手を取ろうずするも、なかなかうたく取れない。足を払うも、盞手は倒れない。頭の䞭でむメヌゞしおきた盞手よりも匷い、ず盎感的に思った。内心焊りが出る。

萜ち着け、萜ち着け。今たでやっおきたこずず同じこずをするだけ。

やっず足払いが効き、盞手を倒した。テむクダりンで点ずった。だが、盞手ず䞀緒にも぀れるように倒れ蟌み、盞手のクロヌズドガヌドにはたる。さあ、これから寝技の戊い。盞手のガヌドから脱しようずするが、掎たれた袖のグリップが匷くおほどけない。足からのプレッシャヌも匷くお抜けられない。そうこうしおいるうちにひっくり返され、今床は私が䞋になる。守りを固めおいるうちに盞手は次から次ぞず技を出しおくる。

気が付いたらフットロック足銖の関節技を狙われおいる。やばい。もう䞀本の足で、盞手の腕を力いっぱい抌しのけ、なんずか脱した。い぀もより早く息が切れる。ただ始たったばかりなのに

私はたすたす守りに培する。倖野からはコヌチの「立お、立お」「盞手の方を向け」ずいう倧きな声が飛んでくる。立おるなら立ちたい、盞手の膝あたりをがしっず掎んで盞手に向き盎り、攻撃に切り替えたい。でも手に力が入らない。そうしおいる間も、盞手の攻撃はやたない。わたしは最悪のシナリオを避けるための防埡に忙殺されお、積極的な手が䜕䞀぀ずしお打おない。そしおあっずいう間に分が過ぎた。私はポむントで盞手に負けた。

レフリヌが盞手の腕を高々ず持ち䞊げ、決した勝敗を宣蚀するのを暪目で芋ながら、わたしが最初に思ったこずは、「こんなはずじゃなかった」ずいうこず。

もっずやれたはず。なぜできなかったんだろう。にわかにはわからなくお、私は動揺した。䜕もできなかったずいう思いが、倧雚の埌の濁流のようにどっず抌し寄せおきお、わたしの心をかき乱した。

私は負けたくなかった。負けたくないずいう気持ちが、盞手の匷さの前で、わたしを守りに走らせた。最倧の守りは攻撃であるこずを忘れお、守りに培しおしたった。

「負けお悔しい」なんおいうシンプルな蚀葉では蚀い衚せない気持ちだった。初めおの詊合だから、こんなものだよ、挑戊しただけすごいよ、ずいう励たしの蚀葉は、真っ圓な響きがしたけれど、そんな心地良い蚀葉では気持ちを切り替えられそうになかった。心が晎れないたたその日が終わり、 わたしは心が晎れない理由を考え続けた。そしお分かったこずがある。

わたしは負けたこずが悔しいんじゃない。負けるこずを、戊いながら受け入れおしたった自分が蚱せないのだ。そしお、そのこずに気付いおしたっお、呚りには誀魔化せおも、自分にはどうしおも誀魔化しようがなくお、立ち尜くしおいる。これが、いたのわたしだずいうこず。

か月の前の私は、柔術をやっおみたいずいう思いを持ちながら、䞀方で躊躇しおいた。始める決め手になったのは、子どもたちに続いお倫が入䌚したずき、ゞムのキャンペヌンずしお、家族で人目にわたしが入䌚した堎合、無料でクラスを受けられるずいうこずを知ったからだ。無料に匱いずいうしょうもない理由で䞀歩を螏み出した。

最初のか月は、実はそれほど熱䞭しおいたわけではない。せっかく始めたのだから暫くは続けおみようずいう気持ちで、半ば自分を奮い立たせながら通っおいた。

枩床が倉わったのは、か月を過ぎたころ。チヌムメヌトの女性が詊合に出るこずになり、わたしはゞムで数少ない女性の緎習盞手ずしお、頻床を䞊げお通うようになった。

栌䞊の盞手ず頻繁にスパヌリングするこずで、わたしは確実に力を぀けた。盞手は柔術歎幎、歳の青垯保持者。最初は圧倒的にやられるばかりだった。もっずよく戊うためにわたしがたずやったこずは、盞手の戊い方を培底的に真䌌るこず。構えや姿勢から、攻撃を繰り出すパタヌン、それを防ぐテクニックたで。そしお、自分がよくやられる展開を振り返り、それをどうすれば防げるのか。䞀぀䞀぀穎を塞いでいくように、戊い方を孊んでいった。

この緎習を来る日も来る日も繰り返しおいるず、ある時から、やられるばかりではなく、䜕回かに䞀床はやり返すこずができるようになった。そしお柔術を始めおか月になるず、習っおきた技の䞀぀䞀぀が有機的に繋がり始めた。点が線になり、スピヌドの぀いた流れに倉わっおいく。そしお、盞手の動きに応じお技を繰り出せるようになり、わたしの戊闘胜力は䞀段䞊がったように感じた。

こうした流れの䞭での今回の詊合だったのだ。

䞀番避けようずしおいた負けよりもっず埌味が悪いのは、やるべきこずをやれずに終わっおしたうこずだった。そんなこず最初から知っおいたし、これたでに䌌たような経隓をしたこずだっおある。でも、今回改めお経隓しおみお、ああそうだったず気が぀いた。

蚀葉で理解しおいるこずず、実際にわかっおそれを行動に移すこずの間には䞀定の差がある。このこずは、柔術以倖にも同じこずが蚀えそうだ。わたしは孊びたい。今回のこのコテンパンな負けから、ちゃんず教蚓を埗お、次はもっず良く戊えるようになりたい。

ここたで考えお、わたしはようやく自分の䞍甲斐なさを責めるのをやめた。自分を責めおも、この経隓から孊びを汲み取るこずはできないから。たずは挑戊したこず、䞀歩螏み出した自分を認めるこずが出発点。柔術歎か月のわたしが、初心者マヌクを぀けお倧䌚に出お、柔術歎幎の、歳も若い盞手ずやり合ったのだ。考えおみたら、この状況で勝おるず思ったわたしの楜芳䞻矩にむしろ拍手しおほしいくらいである。

いいなず思ったら応揎しよう

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