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暁降ち

夜明け前。

窓の外を見ると
空が淡いピンクに染まっていた。
その下には薄い水色。
遠くの山肌はまだ濃紺のままで
夜のなごりをとどめている。

夏の暑さはまだまだ続いているけれど
空の色は少しずつ秋が近づいている。

昔の人はこの夜と朝のあいだの時間を
暁降ち(あかときくだち)と呼んだ。

こんな和歌がある。

今夜(こよひ)の暁降ち鳴く鶴(たず)の思ひは過ぎず恋こそまされ

作者不詳 万葉集巻10:2269

夜から明け方になっても
鳴く鶴のように
恋しい人への思いは消えず
それどころか、ますます募っていく。

昔の人も
こんな空を見ながら
大事な人を思っていたのだろうか。

そう思うと
今見ている空が
昔の空とつながっているように感じる。

夜と朝のあいだ。
夏と秋のあいだ。

どちらにもまだなりきらない時間は
なぜだか心が落ち着く。

空が少しずつ明るくなっていく。

新しい一日が始まる。

葛の花が少しずつ咲きはじめています

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