年次が浅かった頃に知りたかったシリーズ④「発表できる人?」の前に、教師がやるべきこと
みなさんこんにちは、数学meganeです。
授業中、生徒に発表してもらうとき、どんな指示を出していますか?
「発表できる人、手を挙げてください!」
これでたくさん手が挙がって、たくさん発表してくれる、そんな状況になるのが理想的ですよね。
しかし、現実はそう甘くはないですよね…。
指示を出しても、みんなが無言になったり、一部のできる生徒が発表して進んでいく授業になったりしてしまいます。
では、どうすれば生徒が発表を効果的にできるようになってくれるのでしょうか。
「このクラスは積極性がないからな~…」
もちろん、積極性の部分も発表できるかどうかに大きく関わってくるとは思います。
ただ、生徒に求めるだけではなく、教師側もいろいろな工夫をしていく必要があります。
「生徒のせい」だけで済ませていた昔の自分を振り返りながら、どう改善していったのか。
今回は年次が浅かった頃に知りたかったシリーズ第4回目として、記事にしていきたいと思います。
どうぞ、最後までお付き合いください。
①発問の中身を絞る
「オープンエンド」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
答えが1つに限定されない、という意味になると思いますが、意外とこれが「発表できない」につながる大きな落とし穴だったりします。
「○○についてどう思いますか?」
いろいろなことを引き出したいと思う教師側の意図は分かります。
しかし、生徒からすると「何を発表すれば正解?」という心理が働いてしまいます。
もちろん、オープンエンドなので「何が正解」ということはないと思いますが、やはり、どうしてもそういう心理的なブレーキがかかってしまいます。
そういうときは、より具体化してあげる必要があります。
例えば、
「○○のいいところを1つ説明します。」
「この式の間違っているところを説明します。」
何を考えればよいのかを明確にしてあげると発表しやすい心理になります。
また、私がよくやっているのは、計算技能の確認時に、式を穴抜きにするというものです。
例えば、方程式の解法を復習するとき、
「2x+4=5x-2の解き方を教えてください。」
と聞くよりも、
2x+4=5x-2
( )=( )
( )x=( )
x=( )
と板書しておき、ただ一言、
「かっこに入る式、数を答えてください。」
と聞いた方が活性化します。
認知負荷が下がるので、「何が正解?」という状況が起きにくくなります。
②発問後に必ずペア活動を入れる
そして、全体での発表を行いやすい雰囲気をつくるためには、まず声に出して、誰かにアウトプットする状況を用意しなければいけません。
そこで、誰かに発表してもらいたいときには、発問後に必ずペア活動を入れるようにしています。
「○○のいいところ1つ、ペアに説明します。」
「かっこに入る式、数をペアと確認します。」
私もそうなんですが、「第三者と確認すること」は何よりも自信につながります。
しかも、そこでペアの人が良い反応をしてくれたら、それだけで「発表してみようかな?」という気持ちになると思います。
逆に、いきなり「○○についてどう思いますか?じゃあ、○○さん。」と声をかけられると、「自分の考えは大丈夫なんだろうか?」と心配になります。
心理的なハードルを一気に下げる必要があるのです。
もちろん、自分の意見に自信を持ってほしい気持ちもありますが、目の前の生徒は「初めて習う」ものが多いです。
そして、思春期ということもあり、より人前で発表することには抵抗があります。
この心理的ハードルを下げていくことは非常に大切だと感じています。
③ペア活動中の机間指導
「ペアに説明します。」
言いっぱなしでは終わりません。
もちろん、発問後にペア活動を入れると、いくらか心理的ハードルは下がると思いますが、それだけでは不十分です。
なぜなら、「分からなくて止まっている生徒やペア」も一定数いるからです。
では、そのような生徒やペアをどうするのか。
私は机間指導を行い、話し合いが活性化していないペアにアドバイスや声をかけていきます。
場合によってはかなり重要なヒントを与えたりすることもあります。
大切なのは、全体を見ることです。
ペア活動をしている生徒たちをよく観察し、ペア活動が十分に行えていないところを見つけます。
日頃の指導から、大体の目星がついている方もいると思いますが、意外とノーマークのペアが活性化していなかったりするときもあります。
ですから、発問したりペア活動をする指示を出した後は、必ず机間指導や全体に目を配る意識をもつ必要があります。
ここまでの手立ては、それぞれ独立しているわけではありません。
「何を話せばいいか分からない」を発問で減らし、「自分の考えで大丈夫かな」をペア活動で減らし、「そもそも分からない」を机間指導で減らす。
私はこうやって、発表までにあるハードルを一つずつ取り除いている感覚です。
④発表する列・生徒を決める
しかし、むしろ「発表」というのはここからが勝負というところがあります。
やはり、自然と「手が挙がって発表する」という状況はなかなか発現しにくい。
だからこそ、私は指名する列や生徒を机間指導中に決定しておきます。
特に私は、数学が苦手な生徒に発表してもらうことが多いです。
なんなら、授業中盤で問題の解法を説明してもらうときにも、あえて数学が苦手な生徒に発表してもらったりすることもよくあります。
そうすると、結構笑顔で発表してくれたりします。
また、周りの生徒も「え、すごいじゃん!できてるじゃん!」と声をかけてくれるので、その生徒たちはさらに喜んで発表してくれます。
もちろん、何も分かっていない生徒を突然指名するわけではありません。
先ほど書いた机間指導の中で、その生徒がどんなことを話しているのか、どこまで理解しているのかを確認しています。
「これなら言える」
という状態を確認した上で指名します。
だからこそ、数学が苦手な生徒にも安心して発表を任せることができます。
よくランダムで出席番号を決めて発表する人を決める、という場面も見かけたりするのですが、個人的にはあまりオススメしません。
本当は、そういう決め方でも、誰でも発表できる状態を作ることが本来の目的ではあると思います。
しかし、それにも段階があります。
何の手立ても打たないまま、いきなりやるのではなく、徐々に慣らしていく必要があります。
「発表する」という行動は非常に奥が深いです。
「発表できる人?」
そう聞いたときに手が挙がらない。
以前の私は、その姿を見て、「もっと積極的になってほしいな。」と思っていました。
でも、今は少し違います。
その前に、
「私は、この生徒たちが安心して発表できるところまで準備しただろうか?」
と考えるようになりました。
発問を絞る。
ペアで一度話してもらう。
机間指導で困っている生徒を見つける。
必要ならヒントを出す。
そして、「これなら話せる」という状態を確認してから発表してもらう。
「発表しなさい」と求めることと、「発表できる状態」をつくることは違います。
もちろん、最終的には教師がここまで手立てを用意しなくても、自然と手が挙がり、自分の考えを堂々と伝えられる集団になってほしいと思っています。
でも、そこにたどり着くまでには段階があります。
生徒に積極性を求めるだけではなく、その積極性を発揮できる環境を教師がつくる。
年次が浅かった頃の自分に伝えられるなら、
「発表を見るなら、発表している瞬間だけを見るな。その前の自分の準備を見ろ。」
と伝えたいです。
発表一つをとっても、教師にできることはたくさんあります。
だからこそ、授業は面白い。
これからも、生徒が安心して「自分も言ってみよう」と思える状態をつくるために、細かな手立てを積み重ねていきたいと思います。
このnoteでは、
・授業でそのまま使える教材・授業展開
・思考力を育てる問題
・実際の授業実践、指導のコツ
を中心に発信していきます。
忙しい中でも「これなら使える」と思ってもらえるような、現場目線の即戦力になるような教材を届けたいと思っています。
