わが家のシンボルツリー
結婚した年、夫と一緒に一本のユーカリを買いに行きました。
選んだ理由は、とてもシンプルです。
葉がきれい。
ほのかに香る爽やかな香り。
虫が付きにくい。
育てやすい。
そして、
「あまり大きくならない。」
……と書いてあったからです。
もちろん、植える前にはちゃんと調べました。
どこで見誤ったのでしょう(笑)。
購入した時は、本当に小さな苗木でした。

玄関の横に植えて、
少し大きくなればいいな。
そのくらいに思っていました。
ところが、このユーカリ。
想像以上の健康優良児でした。
肥料は一度もあげていません。
水やりも、植えた頃以外はほとんどしていません。
それなのに、
毎年、力強く。
毎年、健やかに。
ぐんぐん伸びていきます。
気が付けば、
近所の方が驚くほどの大きさになっていました。
今では、わが家のシンボルツリーです。

夏になると、
葉が玄関を包み込みます。
私は毎年、
「イバラ姫になった気分。」
と言っています(笑)。
葉っぱと軽く戦わないと、玄関に入れません。
でも、その木陰がとても気持ちよくて、
見た目も涼しげ。
ほのかに香るユーカリの香りにも癒やされています。
剪定した枝は花瓶に飾ると、一か月ほど楽しめます。
わが家では一年中、
玄関とリビングに飾っています。
剪定をしていると、
時々、ご近所の方から、
「それ、ユーカリですか?」
と声を掛けられることがあります。
そんな時、夫は決まって、
「良かったら持って帰りますか?」
と、その場で枝を切り始めます。
「家に飾るといいですよ。」
「ほのかに香って長持ちしますよ。」
そう言って、知らない方にも気前よくプレゼントしています。

皆さん本当に喜んでくださるので、
玄関のシューズボックスには、
いつでも枝を切ってお渡しできるように、
剪定ばさみを入れてあります(笑)。
それでも、
ユーカリの葉はまったく減りません。
本当に勢いのある木です。
ユーカリは、一年中同じ姿ではありません。
上の方の葉は細長く、

下の方の葉は丸みがあります。

毎年この時期になると、小さな花も咲きます。

秋から冬にかけては、
紅葉とは少し違いますが、
葉がほんのり赤く色付きます。
幹の樹皮も少しずつ剥がれ落ち、
また新しい姿になります。

一年を通して、
いろいろな表情を見せてくれるところも、
私が大好きな理由の一つです。
毎年九月頃になると、
大きくなりすぎた枝を剪定します。
最初の頃は私一人でやっていましたが、
今では一人では手に負えません。
夫と二人で、
せっせと枝を切るのが毎年の恒例行事です。
ほぼ坊主になるくらいまで剪定するので、
ご近所の方からは、
「あらららららら……。」
と、毎年言われます(笑)。
でも数か月後には、
何事もなかったような顔で、
また枝を伸ばしています。
毎年、台風で枝が折れることもあります。
それでも、
また新しい枝を伸ばし、
元気な姿に戻っていきます。
植えてから今日まで、
元気がない姿を見たことがありません。
それでも、
台風で大きな枝が折れると、
「あの枝、もう少し早く切ってあげればよかったかな。」
と、少し申し訳ない気持ちになります。
「痛かっただろうな。」
そんなことを、
木なのに思ってしまうんです。
結婚した年に迎えた一本のユーカリ。
気が付けば、
季節を感じさせてくれて、
家の中を彩ってくれて、
時にはご近所との会話まで運んできてくれる存在になりました。
今日も変わらず、
青空に向かって枝を伸ばしています。
わが家にとって、
大切なシンボルツリーです。
