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心の中の木漏れ日香る小さな喫茶店


細い石畳の小道。

それは、木陰の小道。

楡の木や、細くて背の高い木々が並び、
葉の間からキラキラと陽が漏れてくる。

あまり知られていない通り。
あまり人が通らない小道。

その通りに、
小さな喫茶店がある。

葡萄の絵が描かれた、
少しくすんだ古びた看板。

木造の、少し古い小さな喫茶店。

中に入ると、コーヒーの香り。

そして、
時を重ねた木の独特の香り。

座席は少ない。

私はいつも、
窓際の二人掛けの席に座る。

古びた木でできた、厚みのあるテーブル。
お揃いの、飾り気のない椅子。

窓は重厚感のある木枠でできている。

窓辺には、小さな小瓶。

そこには、一輪の赤い花が挿してある。

石畳の隅に咲いていた花だ。

その隣には、
小さなステンドグラスのランプ。

私はその席に座って、
頬杖をつき、窓の外を見る。

木漏れ日がキラキラ。

窓から差し込んでくる。

時間は、午後2時。

私は深呼吸をする。

なんていい気持ち。

なんていい香り。

そして、

なんて懐かしい気持ち。

益子焼のコーヒーカップにミルクを入れ、
少し混ぜたら、一口飲む。

いつも、そこで終わる。

私は、その喫茶店に行ったことがない。

どこにあるのかもわからない。

名前も知らない。

ふっとした時。

リラックスした時。

少し寂しい時。

考えごとがある時。

嬉しい時。

なぜか頭の中に、
この情景が浮かんでくるのだ。

それは昔から。

そして、今も続いている。

香りも。

木漏れ日の眩しさも。

コーヒーの苦さも。

いつも一緒だ。

どこの喫茶店なんだろう。

わからない。

でも、

私の心の中には、いつもある。

とっても不思議な喫茶店。

心が安堵する場所。

いつか本当に行ってみたい。

けれど、

足を運ばなくても、
私はもう何度もそこへ行っている。


そこは、

私だけの不思議な窓際。






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