歴史と科学 vol.43 〜ヘリウムの発見と歩み〜
ヘリウムは宇宙で2番目に多い元素でありながら、地球上では長い間その存在すら知られていませんでした。
今回は、ヘリウムの発見と応用についてお話します。
太陽の中に発見された
ヘリウムが初めて「発見」されたのは、地球上ではなく太陽の中でした。
1868年、皆既日食の観測中に、フランスの天文学者ジュール・ジャンサンとイギリスのノーマン・ロッキャーが太陽の光をプリズムで分析したところ、既知のどの元素にも対応しない黄色い輝線(光のスペクトルに現れる特定の色の線)を見つけます(2人は別々に発見しています)。
ロッキャーはこれを新元素の証拠と判断し、太陽を意味するギリシャ語「ヘリオス」にちなんでヘリウムと名付けました。
元素に名前がついたのに、まだ地球上では発見されていませんでした。
地球上での発見
それから四半世紀後の1895年、スコットランドの化学者ウィリアム・ラムゼーが、ウラン鉱石(ウランを含む岩石)に酸を加えたところ、正体不明の気体が発生することに気づきます。この気体のスペクトルを調べると、27年前に太陽で観測されたものとぴったり一致しました。太陽の中にあると推測された元素が、地球の岩石の中にも閉じ込められていたのです。ラムゼーはこの功績などにより、のちにノーベル化学賞を受賞しています。
※1882年にルイージ・パルミエールが、ヴェスヴィオ山の溶岩からヘリウムのスペクトル線を見つけ、地球にもヘリウムが存在する可能性を示しています。
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