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四国の果てにあるベラボーなもの!「足摺海底館」は先人が見た未来!



岡本太郎じゃないけれど、「太古からそこにあるベラボーなもの」の申し子みたいな建物がある。
高知県土佐清水市の「足摺海底館」。


いずれ女房を質に入れてでも行かねばなるまいと思い続けて10数年。
結局、無期限休館の報を受けて慌てて行くはめになった。


公共交通機関でいく自治体(離島除く)として、東京から最も遠いと言われるのがここ土佐清水市である。


ツイッターの好事家界隈では「行きたいが遠すぎる」という声も聞かれた。
そこは高知住みのバリューと言える。



ひとつ前の大阪万博の機運もあったろう。
70年代は未来を夢見るようなデザインが溢れていた。


足摺海底館の開業は1972年である



建物の中心が螺旋階段になっており、浦島太郎の気分で海底へといざなわれる。



見えて来たのはなかなかの異空間。




このあたりでシュノーケリングをしたことがあって、当たり前だがその時に見たそのままの光景だ。


それを服を着たまま、空気の心配もせず、今日みたいな波の高い日に安全に鑑賞できるのは、足摺海底館が掲げる「下駄履きのままで海中散歩」というコンセプトを見事に体現している。



とはいえ、潮の流れをまともに受ける窓はときおり「ミシッ」と軋んだりして戦慄が走りもする。



そんな入館者の不安を鎮静させるべく、館内で流れるアンビエントミュージックが素敵だ。


ブライアンイーノを彷彿する、撹拌した意識がゆっくりと沈殿していくような音像風景。


誰の作品だったのか聞きそびれたのが悔やまれる。



今はもう過去から見た未来、レトロフューチャーというべき意匠だが、子供のころに刷り込まれたこの宇宙船的イメージにグッとこない昭和生まれはおるまい。



これは台風に揉まれる足摺海底館。
こんな岩をも穿つ過酷な環境で、54年前に造られた建物が今も現役ということに驚かされる。



建設当時の高知新聞の記事。
加古川の川崎重工業で造られ海路での移送だった。


記事によると瀬戸内海をノロノロと航行し、豊後水道を経て土佐清水市まで67時間かかったらしい。



兵庫県加古川市からなら鳴門海峡を抜けて室戸回りのほうが距離は近いはずである。


なぜわざわざ細長い佐田岬を遠回りして、速吸(はやすい)の瀬戸とも呼ばれる潮流の激しい豊後水道を通ったのか。



これはボクの憶測だけれども、高知の沿岸部には天然の良港が少ないのが理由のひとつではないかと。


荒天時、潮待ち風待ちで待避のできる港が多いルートをとるのは当然の判断と言える。




さて、2028年の大河ドラマが「ジョン万」に決まったそうだが、足摺海底館の休館と無関係ではない。


「ジョン万」ことジョン万次郎の出生地がここ土佐清水市だからである。
観光客の大挙することが予想され、老朽した建物での不測の事態を未然に防ぐ意図があるようだ。



新聞によれば連絡橋の老朽らしいが、リニューアルするとなればそこだけでは済むまい。


駐車場から足摺海底館までの長い遊歩道の再整備や、海底までのエレベーター設置などバリアフリー化も必要となるだろう。



おそらくまるまる作り直しという話になるのではないか。


四国の果てにあるこのベラボーなものを朽ちるままにしておくのはあまりに惜しい。
高知県民として復活を切に願うが、それがウルトラCであることもまた現実である。




近年朝ドラが牧野富太郎の「らんまん」、やなせたかしの「あんぱん」と続き、今度の大河が「ジョン万」と高知ネタ目白押しだ。


足摺海底館もその着想から建造、移送から落成までをプロジェクトXで追ってみてはどうか。
タイトルはもちろん「ずりかん」である。


そして、100年後の未来を夢見たデザインの、新しい足摺海底館をボクは見たい。



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