ブラジル発・3姉妹ポップグループ〈Mariasss(マリアス)〉── “ただのフラートよ、じゃあね” 3姉妹が鳴らす恋愛主導権ポップ『Flert3』MV公開
新作リリース 2026/04/22
「Flert3」
”ただのフラートよ、じゃあね” 3姉妹が鳴らす恋愛主導権ポップ
タイトルはポルトガル語のFlerte(フラート/flirt)の「e」を数字の「3」に置き換えた造語。
この一語に3つの意味が重なっている。
① 曲のテーマである”フラート(軽い恋愛ゲーム)”
② 3姉妹トリオであることへのリンク
③ デジタル世代らしい文字遊び(leet風)
派手な仕掛けではなく、さりげない。それがMariasssらしいかわいさ+スマートさだ。
歌詞の世界観
「Flert3」の構造と感情の流れ 歌詞要約
歌詞は ブラジル・ポルトガル語 です。🇧🇷
冒頭
「やあ、人生、元気?」という軽い語りかけで始まる。サウダージ(saudade=恋しさ)は危険だと続くが、語り手はあくまで余裕のトーンだ。返信しなかったことも悪びれない。「あなたは私のお気に入り」という言葉も、重さがなくさらりと流れる。
事件パート(ストーリーの核)
削除する時間もなかった──相手が携帯を触ってしまい、自分が「金曜の第2候補」に過ぎないと知ってしまう。
ここのポイントは語り手が謝らないこと。「泣いてるのは見たくなかった」とは言うが、それはあくまで冷静な観察であって、罪悪感ではない。「私にとって冗談だったことを、あなたは本気にした」という一行が全ての説明だ。
Verse 2
ここで語り手の”キャラクター”が明確になる。
「周りはみんなカップル。私はひとりだけど、別に悪いとも思わない」という独立宣言。さらに「返信してすぐ消えるタイプ(responde e some)」と自分を定義する。これは開き直りではなく、最初からそういう人間だという静かな事実の提示だ。
努力してくれたのはわかってる、でも今日は無理──そのシンプルな断り方も、言い訳がない分だけ強い。
サビ
「Só um flerte e tchau(ただのフラート、じゃあね)」の反復は単なるポップフックではなく、主語の不在が巧みだ。「あなたにとっては恋愛、私にとってはフラート」という非対称が、tchauの繰り返しの中に静かに埋め込まれている。
ラスト
「あなたはまた戻ってくる、耐えられなくて、一緒にいたくなる」──これが最後の一撃だ。
謝罪でも未練でもなく、予言として終わる。しかもその予言を出した上で、再度「でもそれって何のため?ただのフラートなのに」と突き放す。感情的に高まるのではなく、最後まで温度が一定なのがこの曲の特徴だ。
全体を通して
この曲が面白いのは、語り手がいわゆる”悪役”的な立場にいながら、一切の自己嫌悪を持っていない点だ。相手を傷つけたかもしれない、でも最初からそういう関係だった──その割り切りが、説教でも謝罪でもなくポップソングとして成立している。
軽快なブラジルポップをベースに、会話っぽいメロディラインと中毒性ある反復フックで構成されている。00年代ガールズポップの記憶を持ちながら、ショートコンテンツ時代に最適化されたテンポ感だ。
前作「Imaginário」が夢見る妄想恋愛を描いたとすれば、「Flert3」は現実の恋愛駆け引きを等身大で切り取っている。ロマンティックではなく、クールでやや残酷、それが今作の魅力だ。
作曲クレジットにはMalu(Maria Luisa Peixoto de Almeida Valadares)とMAYRA DE GRAMMONT ARDUIの名前が並ぶ。
Mariasss(マリアス)とは
Mariasss(マリアス)はブラジル・ブラジリア出身の3人姉妹から成るポップ・グループです 。
メンバーはマリア・ルイーザ(愛称マルー)
ルドミラ・マリア(ルド)
マリア・ラウラ(ローラ)
三姉妹で、グループ名の「sss」は3人の“マリア”を意味するといいます 。
彼女たちは幼少から音楽環境に恵まれ、父親のジョゼ・アントニオ・ヴァラダレス(愛称ゼジーニョ)はブラジリアの伝説的バンド「Squema 6」のサックス奏者でした 。
マルーとルドの姉2人はもともとデュオとして活動し、SNS上でカバー曲を発表する中で自然体の魅力が評判となり、TikTokでは約290万フォロワー・いいね数7280万を獲得するなど大きな支持を集めました 。
2022年頃、さらなる飛躍を目指して活動拠点をブラジリアからサンパウロへ移し、姉妹はグラミー候補経験もある音楽プロデューサーのTin(ティン)と出会って本格的な曲作りを開始します 。
末妹ローラも元々裏方で支えていましたが、このタイミングで正式に加わり三姉妹グループ「Mariasss」が結成されました 。
三姉妹の強いカリスマと才能、そしてSNSで培った影響力を武器に、“ブラジル・ポップ界に前例のない存在になる”と各メディアでも期待されています  。
音楽遍歴と主なリリース作品
Mariasssの音楽活動の歩みは、姉妹デュオ時代からオリジナル曲でのデビューまで徐々にステップアップしてきました。以下に主な経歴とリリース作品を時系列でまとめます:
• 2018-2021年(デュオ時代):マルーとルドの姉2人でデュオ活動を開始。
自宅でのカバー演奏動画をTikTokなどに投稿し始め、自然体かつ本格的な歌唱で人気を博しました 。この頃に数百万人規模のフォロワーを獲得し、ネット発の新星として注目されます。
• 2022年(プロジェクト始動):プロデューサーのTinに見出され、サンパウロに移住して本格的な制作活動に突入 。
Tinと映像クリエイターのセイジ・タナカ(田中聖司)らのチームの下、プロ仕様のカバー録音や楽曲制作を重ね、音楽だけでなくファッション・映画・写真など多方面からアーティスト像を磨き上げました  。
こうした開発期間を経て、満を持してオリジナル楽曲によるプロジェクトが始動します。
• 2025年3月5日(デビュー・シングル):正式デビュー曲「O Assunto (Fala Mal & Anda Junto)」をリリース  。
ポルトガル語で「O Assunto」は「話題」「件」という意味で、副題の“Fala Mal & Anda Junto”は「悪口を言い、それでも一緒にいる」のニュアンスを持ち、偽りの友情の矛盾をテーマにしたアップテンポのポップ曲です 。
発売同日に公開されたミュージックビデオは色彩豊かで遊び心に富み、映画『ミーン・ガールズ』や『グランド・ブダペスト・ホテル』『ヘザース』といった作品、さらにウェス・アンダーソンやエドガー・ライト監督の作風からインスピレーションを得た、シネマティックでユーモラスな仕上がりとなりました  。
このデビュー曲は「Mariasssの視覚的・音楽的アイデンティティを示す完璧な名刺代わり」と評され、彼女たちのオリジナリティを強烈に印象付けました 。
• 2025年5月20日(リミックスEP)
デビュー曲のヒットを受け、Tinとのコラボによるリミックスやアカペラ版など計5曲を収録したデラックスEP『Fala Mal e Anda Junto Deluxe』を配信リリース 。
原曲「O Assunto」のアカペラ版・スピード版・スロー版・ピセイロ版・Tinリミックス版といったバージョン違いが収録されており 、楽曲の多面性を打ち出す試みとなっています(本EPはMariasss & Tin名義)。
• 2025年8月1日(セカンド・シングル):待望の新曲「Imaginário(イマジナリオ)」をデジタル・リリース 。
これはMariasssにとって2曲目のオリジナル曲で、**「実際には始まっていない頭の中だけの恋」**をテーマにした爽快でエネルギッシュなポップソングです 。
曲名の“Imaginário”はポルトガル語で「空想上の~」を意味し、歌詞では現実には存在しないロマンスを頭の中で都合よく思い描く様子がコミカルかつ等身大に描かれています 。
この曲についてメンバーは「あり得ない幻想に浸る自分自身をジャッジせず受け入れられるところが気に入っている」と語っており 、「夢見がちな人なら誰でも共感できる、自分の安全地帯=頭の中に逃避する感覚を歌った」作品だと説明しています 。
制作チームと参加クリエイター
Mariasssの作品には、実力派のプロデューサーや作家陣が携わっています。
特に主要スタッフとして挙げられるのが、プロデューサーの**Tin(チン)**ことThin de Françaです。TinはLuísa Sonzaのアルバム『Doce 22』収録曲の制作や
Pabllo Vittar、Negra Liらのプロデュースでラテン・グラミー候補にもなった経歴を持ち、
Mariasssのサウンドプロデュースとマネジメントを一手に引き受けています 。
彼は映像面でもディレクターを務め、少ない予算でも創意工夫でクオリティを生み出すDIYスピリットを姉妹に吹き込みました 。
作詞・作曲面では、Mariasss本人たち(三姉妹)が自ら関わっており、デビュー曲「O Assunto」は長女マルーことマリア・ルイーザを中心に、友人でもあるシンガーソングライターのサブリナ・ロペス(Sabrina Lopes)
そしてプロデューサーのTinの3者で共作したものです 。
この曲の歌詞は実際に姉妹が経験した「友人からの陰口・妨害」に着想を得ており、2022年当時にサブリナを交えて書き始め、推敲を重ねて完成させたといいます 。
一方、「Imaginário」はMariasssの三姉妹とTinに加え、作曲家の**カーラ・ソル(Carla Sol)**が参加しています 。
カーラ・ソルはブラジルの若手女性ポップ歌手キャロル・ビアジン(Carol Biazin)やシンシア・ルス(Cynthia Luz)への楽曲提供経験もあるクリエイターで 、彼女が加わったことで「Imaginário」は繊細さとキャッチーさを兼ね備えた仕上がりになりました。
これらの制作者の力も借りつつ、最終的な作品のビジョンはMariasss自身が主体的に作り上げており、「5人(姉妹3人+Tin+映像担当のセイジ)によるチーム」でクリエイティブを回していると語られています 。
音楽的影響・インスピレーション
Mariasssは国内外の多彩な音楽から影響を受けており、そのサウンドやビジュアルに反映しています。
メンバーおよびプロデューサーのTinいわく、彼女たちはビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴ、チャーリーXCXといった歌詞にアイロニーを込める海外アーティストを好んでおり 、そうした影響からユーモアとメッセージ性のある楽曲作りを志向しています。
またボーカル面ではデスティニーズ・チャイルドやABBA、ビージーズなど往年のコーラスグループのハーモニーを参考にしており(グループ名も「3人のマリア」であることを強調しています) 、ポップスの王道的な要素も取り入れています 。
さらに育ったブラジルの音楽遺産にもリスペクトを示しており、ブラジルを代表する女性ロッカーであるヒタ・リーや
近年人気の国内ポップ歌手ジャオン(Jão)からも刺激を受けているとのことです 。
これら国際的センスとブラジル的感性のミックスによって、MariasssはDIY精神に根ざした真にオリジナルなサウンドを作り上げていると評価されています 。
メディアでのインタビュー・レビュー
デビュー以来、Mariasssはブラジル国内の音楽メディアで多く取り上げられています。
例えば音楽サイト「Portal Pepper」は、彼女たちを「新世代ポップの有力株」と紹介し、デビュー曲「O Assunto」が**「偽りの友情」という身近なテーマを皮肉交じりに描いた**点を評価しています 。
同記事では、曲作りの背景として「ある人物に陰で sabotagem(妨害)されかけた実体験」が語られ、そこから曲のアイデアが生まれたことが明かされました 。「裏では悪口を言いながら表向きは仲良くする友人」の存在に感じたフラストレーションを歌に昇華したというエピソードは、多くの読者にも共感を持って受け取られたようです。
また各メディアは、Mariasssの映像面でのクリエイティビティにも注目しています。
デビュー曲のMVについて複数の媒体が「鮮やかな色彩や映画的演出、ユーモアを融合させた映像美」に言及しており 、その凝った世界観が新人離れしていると評判です。
実際プロデューサーのTinはインタビューで「ポップ作品を作るのに巨額の資金は不要。創造力と身の回りの素材で高品質なものを作れる」と語っており 、姉妹と共に自宅の壁を塗り替えたり古着やアンティークを集めて小道具にするなど、手作り感とプロのクオリティを両立させたと明かしています 。こうした舞台裏のエピソードもメディアを通じて紹介され、Mariasssの「クリエイティブ集団」ぶりが強調されています。
さらに、セカンドシングル「Imaginário」に関する記事では、この曲が**「一度のキスで妄想を広げてしまう全ての人に捧げる、現実と妄想(エモーションとデリリオ)が交錯するポップチューン」だと紹介されました 。
メンバー自身も「特にファンフィクションを書くような夢見がちな人(=fanfiqueirasやドラマ好きなdorameiras)**には刺さる曲だ」とコメントしており 、リスナーからも「共感できる」といった声が上がっています。
総じて国内メディアの論調は好意的で、「ユーモアと美学にこだわり、女性のリアルな体験を歌に昇華する情熱的プロジェクトがMariasssである」と評価されています 。
なお、現時点で海外メディアでの大きな取り上げは多くありませんが、英語圏のSNSでは「ブラジル発の新ガールズグループ」として紹介される場面も見られます 。
今後のさらなる活躍次第で国際的な注目度も高まっていくことでしょう。
最新リリース「Imaginário」の詳細
最新シングル「Imaginário」(2025年8月リリース)は、前述の通り「頭の中の架空の恋」をテーマにした楽曲です 。
曲調は明るくエネルギッシュなポップでありながら、歌詞には妄想と現実のギャップに対する切なさや自己受容のメッセージが込められています 。
制作背景としては、姉妹とTin、カーラ・ソルが共作し、「最初は甘く脆い空想から始まり、やがてそれが叶わないと受け入れる過程」を曲の中で表現したと説明されています 。
次女ルドはこの曲について「甘くて率直で、弱さも見せるが同時に包み込むような曲」だと述べ、自身一番のお気に入りだと言います 。
長女マルーも「これは私たちのお気に入りの一つで、個人的にも一番自分を重ねている曲」と語っており 、メンバー3人それぞれにとって思い入れの深い作品となっています。
ビジュアル面でも「Imaginário」は注目ポイントが多く、ジャケット写真やミュージックビデオのコンセプトにもこだわりが光ります。
公式リリース時点では音源のみの公開でしたが、その後メンバーはSNSでMV撮影の様子を逐次共有し、2025年11月14日には待望の公式MVが公開されました(公開前日には「これは訓練ではありません!明日11/14正午に『Imaginário』のMV解禁✨」とInstagramで告知しています )。このMVでは、姉妹がそれぞれ空想の恋に浸る様子や、現実の相手役(ブラジル人モデルのペウ・ヘイゼさん)との掛け合いがユーモラスに描かれています。
ジャケット写真もカラフルでポップな世界観を打ち出しており、デビュー曲に続いてレトロ調の小道具やファンタジックな演出が取り入れられています(例えばヴィンテージ風の電話機を手にした姉妹の姿など)(※)。
総合的に、「Imaginário」はMariasssのクリエイティブな魅力がさらに発揮された作品であり、音楽的にもビジュアル的にも彼女たちの成長を示す一曲となっています。
今後の展望と活動予定
Mariasssは今後も精力的なリリースとプロモーションを予定しています。
デビュー当初のインタビューでは「これから数か月にわたりシングルシリーズを次々と発表していく予定」と明かしており 、実際に2025年は「O Assunto」「Imaginário」と2曲のオリジナル曲を投入しました。現時点(2025年末)で次回作の具体的なタイトルやリリース日程は公表されていませんが、メンバーは「まだお披露目していないストック曲がたくさんあり、早く聴かせたい気持ちでいっぱい」と語っており 、2026年にかけてさらなる新曲発表が期待されます。
将来的には蓄えた楽曲をまとめたアルバム制作も視野に入れている可能性が高く、プロジェクト自体「人々が共感できる女性の体験や感情をユーモアと美学をもって発信していく情熱的なものだ」と位置付けられていることから 、長期的にもコンセプトのぶれない作品展開が続くでしょう。
ライブ活動に関しては、デビューから間もないこともあり2025年中は目立った単独公演の情報はありませんでした。
主なプロモーションはSNSでの発信やMV公開を通じたもので、特にTikTokやInstagramを駆使してファンとの交流や楽曲の拡散に力を入れています 。しかし既にネット上で絶大な人気を誇ることから、今後はイベント出演やライブパフォーマンスの機会も増えていくと見込まれます。
実際、SNSでは「早くライブで観たい!」というファンの声も多数寄せられており(※)、Mariasss自身も「高品質なパフォーマンスを届けたい」と意欲を見せています 。
プロジェクト発足から映像面まで共にしてきたTinやセイジ・タナカらクリエイター陣と共に、音楽だけでなく視覚的演出にも凝った一体感のあるライブを今後披露してくれることでしょう。
