差額の話。
そのお金の差はどこにある?の話です。
先日、1人で京都へ旅行してきました。せっかくなので新幹線ではなく、高速バスを使って行くことにしました。新幹線なら東京から京都まで片道15,000円くらいですが、高速バスなら5,000円〜10,000円くらいで行けるのでお得だと。これは旅費がかなり浮くわけです。
昔の話になりますが、学生時代は、夜行バスで関西方面に行った経験は何度もありました。なので勝手はわかっているつもりでした。夜中に出発して明け方に目的地まで着くのです。
普通に考えたら「寝ている間に着いてしかもお金も安いなんて、時間もお金も節約できて最高じゃん」と思うでしょう。私も若い頃はそう思ってよく利用していました。
ですが、今回は違いました。
まず、バスの出発時間。今回は夜の22時とか23時に出発する便にしたのですが、これがまあ眠い。歳とってからはあまり夜更かしできない身体になってしまったので、こういう時間まで起きていると眠くてしょうがないのです。
そして乗車中。これもなかなか難儀でした。席は狭いし足は伸ばせない。4列ではなくゆったりめの3列シートを選びましたがそれでもやはり窮屈に感じます。
バスの車内は消灯状態にしてくれて寝たい人は寝てくださいという雰囲気になっているものの、すんなり眠ることも難しいわけです。トイレ休憩のたびに灯りがついて自分の横にある狭い通路を何人も人が行き来します。まあそれは高速バスなので仕方ないと言えば仕方ないです。
また、これは勘弁してくれと思ったのが、後ろの席が何やら若いカップルらしく、ずっと喋ったりガサゴソ動いたりしていました。眠れたとしても、途中で何度も後ろの席から椅子を蹴られ(蹴っているつもりはないのでしょうが、足を組み替えたりするとぶつかるのだと思います)その際に目が覚めます。彼女のほうは消灯中の車内でもスマホをずっと操作していてディスプレイの光が煌々としていました。
この状態で6時間から7時間。ようやく京都駅に到着した頃には、睡眠をとれたのかとれていないのかというよく分からない状況でした。
若い頃は全然問題なく耐えられた状況でも、今ではこれほど耐えられなくなっていたのだなと痛感しました。これなら、少しお金を多く出して新幹線に乗った方が精神的にも身体的にもまだマシだったなと。
もちろん、新幹線とバスとでは差額としては5,000円〜10,000円くらいはするので安くはないです。パッと出せるお金でもないです。ただ、それだけの価値があるなと今の自分には思うわけです。
なお、高速バスを否定しているわけではなく、あくまで今の自分の状況を考えた時にどの選択のほうがベターだったかというだけの話ですので、あしからず(もっと私が元気ならバスのほうが良いわけです)。
さて、京都に着きました。早朝なので飲食店はどこも開いていません。そういう時には、私は神社に行きます。
どことは言いませんが、京都駅から数駅のところで、鳥居がたくさんある超有名スポットです。24時間拝観可能なので、学生時代もよく早朝とか夜間に参拝してました。というか、ここは参拝というより、個人的には、数多くの鳥居をくぐって歩きひたすら山を登って行く、むしろ登山のようなことがメインではないかと考えています。
今回も、せっかく時間があるので頂上を目指してひたすら歩きます。最寄駅付近とか参道から本殿辺りは観光客でごった返して身動きが取れないほどでしたが、山を登って行くとだんだん人が少なくなってきます。傾斜も急だし足腰が丈夫でないと歩いて行くのは大変だからかもしれません。
学生時代もよく登ったものですが、今もまだ歩けたので良かったです。ただやはり疲れはします。しかも夏の暑い日ですので、汗が滝のように出てきます。
なので、脱水症状を防ぐためには水分補給はかかせません。麓付近でペットボトルの水を買って行きましたが、歩いて行くうちにあっという間に飲み切ってしまいます。参拝途中の道には自動販売機もたくさんあるので、喉が渇いて仕方ないという状況は避けられます。
ただ、ここでもお金のことが気になりました。それは、自動販売機で売っている水の価格です。私が麓で買った水(150円)に対して、山の中腹や頂上付近にある自動販売機の水は300円するものもあります。同じ商品でもこれだけ金額に差があります。
経験上、まあこれはそういうものだろうと考えていました。観光地とかホテルとかの自販機って高いことが普通ですのでそういうものだよなと。
ですが、今回はその理由を目の当たりにします。
それは、山を登って行き途中のベンチで休憩していた時のこと、何やら「ガタン、ガタン、ガタン…」と規則的な音が聞こえてきました。
その音の先に目を向けると、恐らく飲料メーカーの関係者なのか(あるいは配送の業者さんなのか)が大量の商品段ボール箱を積んだ荷台を押して、階段を一段一段降りていました。荷台のタイヤが一段降りるごとにガタンと音を立てているわけです。
それを運ぶ男性は、この暑いなかそれこそ滝のような汗を流し、一生懸命に配送していました。もちろん参道は狭く、車などが走って行ける道などありません。だからこうして、人間が歩いて運んでくれているわけです。
同じミネラルウォーターでも、これだけ値段が違う理由はまさにそこにあるのだと思いました。それだけ手間がかかる。人件費がかかっているから、と頭で理解してはいましたが、配送業者の方がこれだけ苦労して運んでいる水であれば、そりゃ300円したとしてもおかしくないよなと思いました。
もちろん、自販機で水を買いました。300円と高かったですが、それだけ手間をかけて運んでくれた水です。思い込みかもしれませんが、美味しいような気もします。
そんな差額について考えた話でした。
つづく。
