【毎ショまさかの賞】人魚裁判所
こんにちは。不屈の屈葬です。
久しぶりに田原にかさんの「#毎週ショートショートnote」に挑戦します。
お題は「#人魚裁判所」です。
よろしくお願いします。
(本文:396字)
* * *
「被告人魚、あなたが被害者を殺害したのですね?」
「いいえ、やってません!」
もう何時間になるだろうか。
法廷では、両者の激しい応酬が繰り広げられていた。
人魚には殺人の容疑がかけられていた。
それも仕方がない話だ。
だって、実際に殺してたから。
もっとも、人魚には絶対の自信があった。
動機はあっても、証拠だけは決して残していない自信だ。
だからこそ、必死に言い張った。
「どこかで話に尾ひれがついたんじゃないですか?」
その反論は、法廷中の失笑を買った。
それも仕方がない話だ。
だって、尾ひれがついているのは自分だから。
やがて、長い審理は終わりを迎えた。
裁判長が静かに判決を言い渡す。
「被告人魚を無期懲役に処する」
最終的に、証拠は見つかっていない。
判決の決め手は、犯行現場だった。人間には到底不可能だが、足のない人魚なら実行できる状況だったという。
……なんてこった。
「足がつかない」ことが、「証拠」になるなんて。
(了)
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは全額必ずプリニスト(プリン愛好家)としての活動費(プリン代)に使わせて……いただきまーす!