🎯昭和のトリビア:『廃線跡の探検 ― 立入禁止を越えた少年たちの冒険心』(re)
草むらの奥に、ひっそりと眠る線路。
枕木の間には、雑草と雨水が溜まり、
風が吹くたびにカンカンと錆びた音が鳴る。
遠くでカエルが鳴き、夕立のにおいがした。
あの廃線跡は、子どもたちにとって“禁断のワンダーランド”だった。
錆びたレールの向こうへ
昭和の地方には、赤字ローカル線の廃線が次々と生まれていた。
誰も使わなくなった線路やトンネル、朽ちたホーム。
そこに“秘密基地”を作るのが、当時の少年たちの夢だった。
線路を歩けば、足の裏から伝わる鉄の冷たさ。
まるで見えない電流のように、心がゾクゾクした。
トリビア:廃線は“危険区域”の宝庫
廃線には老朽化した橋やトンネルが多く、
立ち入り禁止の看板が掲げられていた。
だが、昭和の子どもたちはそんなもの気にしない。
「行ったらアカン」と言われれば言われるほど、
行きたくなるのが人情というものだ。
中には、廃トンネルで“幽霊列車が出る”なんて噂もあり、
スリルと怖さのちょうど中間で、少年たちは笑っていた。
トンネルの中の秘密基地
友達と懐中電灯を持ち寄り、
トンネルの中に入ると、ひんやりとした空気が肌を包んだ。
壁には昔の落書き、奥にはコウモリの羽音。
「ここで基地作ろうぜ!」と叫んで、
段ボールを運び込み、鉄道の夢を語り合った。
大人に見つかって「危ないやろ!」と怒鳴られても、
その瞬間までは、僕らは“探検隊”だった。
冒険を忘れた大人たちへ
いまや廃線跡は、整備された遊歩道や観光ルートになった。
けれど、あの頃の“危うさ”と“ワクワク”はもうない。
誰にも見つからない場所で、
自分だけの秘密を見つける――
そんな時間が、少年たちを大人にしていったのだろう。
危険の中にこそ、自由と成長の種があった。
🌸昭和の風景を懐かしく掘り起こすシリーズです。
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