【出版の裏側】書籍企画を尖らせるコツ
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
私たち編集者が書籍企画を立てるときに、気にすべきポイントがいくつかあるのですが、そのうちの1つに、「書籍企画を尖らせる」というものがあります。
つまり、その本が出たときに、
「そのジャンルにおける登場感があるか?」
「オリジナリティがあるか?」
といったことを気にします。
当たり前ですが、商業出版の世界では、すでに世の中に出ている本と同じでは意味がありません。同じだったら、読者は、すでに出ている本を買って読めばいいわけです。
そのジャンルや類書の中で、できるかぎり「違い」や「オリジナリティ」を出すことで、その本の「登場感」が出れば、読者の皆さんに、「自分の本だ」「自分が抱えている悩みを解決してくれるかも」と思っていただけます。
書籍企画を尖らせるためには、どのようなコツがあるのか?
私の経験や、先輩編集者の方々に教えていただいたことを基に、具体的にお伝えしたいと思います。
私は編集者なので、編集者の立場からお伝えしますが、これから本を書きたいと思っている方や、実際に書籍企画を考えている方にも、少しでもお役立ていただけるヒントになればと意識しながらお伝えします。
「書籍企画を尖らせるコツ」は、私の経験上、大きく7つあると考えています。
①「逆張り」で考えてみる
世の中や社会で、「良い」といわれていること、「人気」のあるものがあったとして、「それは本当に良いのか?」「欠点や危険性はないのか?」といった疑いの目をかけてみて、その主義主張ができる著者さんを探す、というものです。
私の出版業界のメンターに教えてもらったことに、「振り子の法則」というものがあります。
振り子がどちらか一方にふれているとき、その逆側にもしっかり読者は存在しており、そのエネルギーは溜まっており、爆発力がある。だから、振り子がふれている逆側に目を向けてみることを忘れるな、とメンターに教えていただきました。
具体的な事例として、2000年代、従来のガスコンロではなく、電気を使ったIH調理器(コンロ)が新築マンションや新築一戸建てに一気に普及していた時期があります。まだSNSが発達する前でしたが、消費者センターや消費者生活関連のNPOの関係者の界隈では、「IH調理器は電磁波の問題や、ライフラインの電気一本化の危険性」がちらほら言われていました。そこで私の前職・三五館という出版社で刊行されたのが『やっぱりあぶないIH調理器』という作品で、ベストセラーになりました。刊行してから判明したのですが、振り子の逆側には、ガスメーカー関係者が多くいらっしゃって、この書籍の実売がさらに伸びたという話があります。
それ以外にも、弊社から出ているロングセラー、神田昌典さんの『非常識な成功法則』。タイトルそのもので、逆張り感が伝わるのではないでしょうか?

世界的にもベストセラーになっているダイヤモンド社さんの『嫌われる勇気』というタイトルも、「嫌われることはダメなこと」という一般的なイメージに対する逆張りメッセージがタイトルでも伝わってきます。
「逆張り」は、読者に新たな気づきや驚きを与えるという意味でも有効な、企画を尖らせる重要エッセンスの1つであることがわかると思います。
②「著者ならではの体験・立場」を前面に出す
企画を考えるには、「テーマから著者を探すパターン」と「著者からテーマを探すパターン」の大きく2つあるのですが、これは後者のときに有効です。
「著者さんがどんなテーマで本を書くといいのか」を考える際、著者さんは、自分の専門性や、これまで培ってきた経験、知恵、知識を棚卸ししながら探っていくわけですが、編集者はその方の圧倒的な変態性がどこにあるのかを探ります。
たとえば、異常に詳しい領域、奇妙な経験、偏愛、特異な経歴などがどんなものか、「その変態性はどんな悩みを抱える人にお役に立てるのか」を追究していくわけです。
それが見いだせたとき、その体験や立場を前面に出すことで、類書や他の本にはない、その企画ならではの存在感、いわゆるその企画を尖らせることができます。
③著者の専門性が別ジャンルで通用しないかと考えてみる
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