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笑いのツボ

私は笑いのツボが浅い。

子どもの頃から不真面目な性格なので、笑ってはいけないところで笑いたくなる。

母に叱られる時も、

「そこに座りなさい」

と言われ、向き合って正座をさせられるだけで笑いが込み上げてくる。

「ここで笑ったら、もっと怒られる」

と思い我慢しようとするが、やっぱり笑ってしまう。

「何がおかしいの?」

母が怒ると余計に可笑しくなり、ついには母までつられて笑い出す。
結局、なんで叱られたのか忘れてしまうダメな子どもだった。


大人になっても、この性格が治らなくて困っている。

私は定期的に歯科クリニックで、歯のクリーニングをしてもらう。
専用の機械で丁寧に歯を磨いてもらうのだが、この時に笑ったら危ないので、なるべく余計なことを考えないようにする。

時々、吸引器で口の中の水を吸い取る。
ところが吸引器が唇に触れて、

 キュイーン

と変な音がした。


 もうダメだ。

その音も可笑しいし、口が〰️〰️になっていると思うと、堪え切れずに吹き出してしまった。

笑ってはいけないと思えば思うほど、止められない。

私がツボにハマって笑い止まないので、作業が中断された。

涙を流し、咳き込みながら笑ってしまった。

衛生士さんは笑顔で接してくれたが、内心は呆れていただろう。

なんとか笑いを押さえ込んで作業が続行されたが、本当に申し訳ないことをした。



思い出し笑いも、よくある。
笑いのタネを提供するのは、大概うちの勘違い星人だ。

元気だった頃の義母と星人の会話は、まるでコントだった。

「この人はね、習字教室に6年も通わせたのに、ちっとも上手くならなくてね。お金をドブに捨てたようなもんよ」

と義母が言うと、星人は全く別の話を始める。

「お袋がいつも赤信号で渡るから、信号は赤で渡るもんだと思っとった」

へっ?

いや会話が、全く噛み合ってないって!
しかも、それ危ないし。

いつも真面目な顔をして、こんな会話をする親子だった。
そのギャップが面白くて、思い出しては笑ってしまう。

それが公共の場に一人でいる時に思い出すと、大変なことになる。

なんとかマスクで護摩化しているが、他人からはニヤニヤした変な人だと思われているかもしれない。


まあ、「笑う門には福来たる」ってことで、許してもらえるだろうか?


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