全入時代だからこそーー大学を卒業すれば安心と思っていませんか?
安心してください、大学には入れます。
今は英単語を書けない子でも大学に合格できるんですから。
高校入試のしくみを学ぶ講座で講師のその言葉を聞いた時、私の手が止まりました。
(……えっ?)
(今ってそんなに大学に入るのが簡単なの?)
(でも、それって...)
喉まで出かかった「それって本当に安心できることなんですか?」という質問を飲み込んで私は静かにペンを握り直しました。私たち発達凸凹の親の不安をぬぐおうとして言ってくれた言葉だと分かったからです。けれど、胸の中に残ったのは安心ではなく不安でした。
そんな私のモヤモヤとした気持ちに、先日、財務省がひとつの明確な「答え」を突きつけました。
財務省が示した「2040年までに私立大学を250校削減する」という目標。 背景にあるのは、あまりにも異常な数字でした。こちらのデータをご覧ください。

いまや大学は、お金さえ払えば(選ばなければ)誰でも入れる「全入時代」です。 しかし、政府はこの現状にメスを入れようとしています。
2000年代以降、大学は「勉強が苦手でも入学・卒業できる場所」になりました。この状況では「大学を出ていないこと」が社会的なハンデになる可能性がありました。だからこそ、「とりあえず大卒の肩書きを」という選択には一定の合理性があったのだと思います。
しかし、これからはどうでしょうか?

「大卒」という看板のデフレ化
財務省の削減案が実現したとしても、おそらく依然として定員数が受験者数を上回る状態は続くでしょう。 しかし、だからこそ問われるのは「大学の存在意義」です。
ただ在籍していただけなのか?
その大学で「何を」身につけたのか?
「誰でも入れる学校」を卒業したという事実は、かつてのような「安心の切符」ではなく、むしろ厳しい選別の入り口になる可能性を秘めています。

2026年5月時点(愛知県)
・地元愛知ではお嬢様学校と名高い金城大学が、2028年4月に名古屋学院大学と統合・共学化することを発表。金城大学に通っている中学・高校生を持つ親に激震が走りました。
・愛知工科大学は令和8年度入学生を最後に、令和9年度以降の学生募集を停止することを決定。
・愛知文教大学及び愛知文教大学大学院は、令和9(2027)年度以降、学生募集を停止することを決定。
親の価値観をアップデートする時
今の小学生たちが進路を決定する約10年後は、おそらく教育と社会の「構造転換期」の真っ只中でしょう。
「大学にさえ入れれば安心」
「どこでもいいから大卒の資格を」
私たちが生きてきた時代のそんな「漠然とした価値観」のまま子供たちの未来を眺めていていいのか…。
「学歴」という箱を整えること以上に、その中身である「学びの質」や「自ら考える力」をどう育むか。今こそ、私たち親のアップデートが求められているのかもしれません。
【連載|日本の未来とこどもの未来】
