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「昭和の工場物語」夏祭りの準備

組合長の指名であればやらずばなるまい。

レンタルは一本に絞れ


先輩は練習の虫

夏のガス欠

入道雲の下にガソリンスタンドの看板が米粒くらい見える。
バカな話なんだ。
自信があったんだ。
ガソリンゲージが点滅してからどれくらいもつか。
でもその自信は簡単に覆されてしまった。

ジーンズのポケットからジッポライターとハイライトを取出し、火を点けて車のドアを乱暴に開けて両側に広がる緑の中の一本道の先の米粒位の看板までの距離を確かめ煙を吹き出すと冷えた体が温まり始めた。
頭のてっぺんに日差しを感じて車の鍵を閉めて歩き始めた。

お湯のような気体の中を重い足取りでガードレールの端まで来ると全身の汗腺から汗が吹き出して服がべっとりと張り付くので、直視できない太陽に「わかったよ、夏なのは」と右手で影を作りながらつぶやき、吸い尽くした煙草を投げ捨て右足で踏みにじった。

焼けたアスファルトから黒いタールが滲みだした路面の先を見ると逃げ水が浮かんでいる。

さっき追い越していった3台目の白いバンが逃げ水に水没していくと、ガソリンスタンド看板がビー玉くらいに見えたので、ポケットからタバコを取出し火を点けようとジッポライターのふたを開けて足を止めると、後ろから聞きなれたスコスコスコーとソレックスキャブの吸引音がした。

真横に深緑の車が止まり「なんしょと」とダチが運転席から声をかけたので、助手席ドアを開けながら「ガス欠」と答えた。

車の中で女の話をしているとガソリンスタンドに着いたので、礼を言って次の土曜日走りに行くことを約束した。

俺は南国に住んでいる。

Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (Official Music Video)


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