◼️ 生物の能動的動きの基盤

生物の動きは無数の物質の統合的かつ協調的な動きによりて実現される

(余談) 生物の活動に随意性を持たせる可能性

生物は高度かつ精細なオートポイエシスの物質システムと評価される

生物は高度な物理的秩序を能動的に形成しつづけている

生物の活動は物理法則に違反している

生物の発生・活動・進化などの動きが自然に生じることは有りえない

生物が実現されるためには物理的メカニズムまたは物理的枠組または物理的基盤が必要である

生物の能動的な活動は観念的な機能に基づいている

生物の動きは無数の質の統合的かつ協調的な動きによりて実現される

植物をふくめ、生物や、細胞・組織・器官などの生体は、自発的かつ能動的に動いています。しかも、それらの動きは、ふつう、意図的(目的的)であり、かつ、全体的に辻褄が合いています。

しかし、生物のそういう動きを実現するためには、関係する全ての細胞におき、関係する全ての物質が、正確かつ協調的かつ個別的に動かなくてはなりません。これは不可欠です。

(物質の正確な動きとは、細胞内のある物理事象の材料となる物質がその物理事象の現場に正確に移動することを意味します。もしかして、化学反応などを迅速に起こすため、微妙な姿勢制御も果たされるかも知れません)。

言わば、細胞などの生体の構成要素の物質の動きには統合性が具わりているのです。これは、また、構成要素の物質が組織化されて、それらの動きが制御されている、とも評価できます。(これは恐らく事実だろうと推測されます。さもなくば、生物は決してまともには動けはしないはずなのです)。

(ちなみに、各種の物質の結晶の形成プロセスにも統合性は感じられ、構成要素の物質の動きには協調性と個別性が具わりているよう見えます)。

(余談) 生物の活動に随意性を持たせる可能性

ちなみに、準備済の材料物質の、現場への移動を延期することで、細胞内の物理事象の発生をいったん保留にすることができる、と思われます。

そして、こういう枠組に依拠するならば、細胞内での物理事象の発生に、ひいては、生物の活動に、随意性を持たせることが可能である、と予想されます。

(随意性は生物の活動の本質の一つと思われます。しかし、根本的には物質システムである生物(の構成要素の物質)の動きと随意性は両立しはしないです)。

こういうことが、生物の活動を((巨視的な)物理法則に違反する)意図的(目的的)なものにできるか否かのキーになるかも知れません。

生物は高度かつ精細なオートポイエシスの物質システムと評価される

こういう次第で、それらの生体や生物の体は、機械に例えれば、極めて高度かつ精細なマシーンと言えます。また、極めて高度かつ精細なオートポイエシスの物質システムとも見なせます。(オートポイエシスとは自己製作のことです)。

生物は高度な物理的秩序を能動的に形成しつづけている

さらに、きわめて高度なマシーンに例えられる生物の活動は、ひと言で言えば、物理的秩序の形成に当たります。生物は、きわめて高度かつ精細かつ動的かつ大規模な物理的秩序を、自発的かつ能動的に形成しつづけているのです。

生物は、からだの物理的秩序を形成し維持するために、そして、可能なら、より高度な物理的秩序を創発させるため、瞬間、瞬間、動きつづけています。生物とは、きわめて高度かつ精細なオートポイエシスの物質システムの実現であり、みずからの物理的秩序を能動的に形成する物質または存在と、評価できます。

生物の活動は物理法則に違反している

ところで、エントゥロピーは増大するという熱力学第二法則があります。これは、物理的秩序は自然には崩壊することを含意しています。別言するなら、より高い物理的秩序が自然に形成されることは有りえないです。

このゆえ、根本的には物質システムである生物が(原因も根拠もなしに)(動的な)物理的秩序を自発的に形成することは、不可能です。

さらに、生物は無数の物質により形成されますが、物質は、三人称の客体であり、(なんらかの物理的相互作用に受動的に巻きこまれない限り)、対外的に動くことはできません。いわんや、自発的かつ能動的に動くことは決してできません。

このゆえ、無数の物質からなる物質システムである生物が自発的かつ能動的に動くことは、(なんらかの原因ないし根拠のないかぎり)、不可能かつ不合理です。生物の活動は物理法則に違反しているのです。つまり、生体を構成する無数の物質の能動的な動きは、そこは生体内部という特殊な環境ではあるにせよ、物理法則に違反しているのです。

生物の発生・活動・進化などの動きが自然に生じることは有りえない

そして、熱力学第二法則ゆえに、そして、生物が基本的に三人称の客体である物質システムであるという点で、生物におき、その発生・活動・進化などの動きが生じることは、根本的に有りえないです。

(たとえば、(辻褄のあいし目的・方針・設計などなしに)ランダムに生じる突然変異は、熱力学第二法則ゆえに、生物の発生や進化--より高い物理的秩序の形成--を促進する方向で生じることは先ずないと、推測されます。逆に、それは、生物の物理的秩序を崩壊させる方向にはたらき、その生物をして(自然選択により)淘汰されやすくするはずです。

つまり、ランダムな突然変異で生物が発生したり進化したりすることは、ほぼ不可能です。

(このゆえ、生物を進化させる方向ではたらく変異は、生体や生物の体の全体にわたる包括的な目的・方針・設計などにもとづき生じる必要がある、と予想されます))。

生物が実現されるためには物理的メカニズムまたは物理的枠組または物理的基盤が必要である

しかし、それにも拘わらず、生物という高度な物理的秩序は現実に実現されています。

このため、物質が三人称の客体であることからと、熱力学第二法則に拘束されずに生物が実現されるためには--根底の細胞内部のレヴェルで、物質が自発的かつ能動的に動くためには--、それを可能とする何らかの物理的メカニズムまたは物理的枠組または物理的基盤が必要です。

生物学と物理学には、生物の動きにかんし、こういう見方を追加することと、そして、そのメカニズムなどを解明することが、望まれます。そして、生物という高度かつ動的な物理的秩序の形成には無数の物質が関与しているという点で、その解明は主に物理学の担当になる、と思われます。

ちなみに、細胞内部での物質の自発的かつ能動的な動きのメカニズムなどの解明は、生物の発生や進化のメカニズムの解明の一助となることが期待されます。

生物の能動的な活動は観念的な機能に基づいている

ちなみに、生体の構成要素の無数の物質の動きに統合性と協調性と個別性が具わりていることと、それらの物質が組織化されて、それらの動きが制御されているよう評価されることから、それを果たすものは、なんであれ、その生体の大きさに匹敵する大きさを有すると、推測されます。

さらに、生体の活動が実現されるためには、生体全体の現状についての包括的な観測機能(情報収集)と次の瞬間における新たな状態についての包括的な演算機能(設計)が必要と思われます。この二つの機能はどちらも観念的な機能です。つまり、生物の能動的な活動は観念的な機能にもとづく必要がある、と予想されます。

そして、たとえそれらが観念的なものであろうとも、闇雲に敬遠すべきではありません。なぜなら、私たち、人間は、現に、かならず、意識に生じる考えに基づき活動しているからです。たとえば、発話に関係する筋肉の動きは、かならず、意識に生じる思考にしたがい生じます。つまり、生物というオートポイエシスの物質システム(= 高度かつ精細かつダイナミクな物理的秩序)の活動は、すべて、観念に基づいているのです。生物の活動や生体の動きに観念が関与することは、不可欠です。

ちなみに、生物の活動が意識に生じる思考に基づき果たされるという点で、まず、思考には物質的(物理的)な側面あることが理解されます。そして、発話にかんして言えば、脳の意識と発話のための筋肉組織のあいだのどこかに観念と物質のあいだの接点あることが推測されます。それは、恐らく、神経より前の、ニューロン内部か、脳組織の内部です。こういうことも物理学により認識されることが望まれます。

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