「あの人、ほんとにいい人だよね?」と言われるたびに、私は少しずつ壊れていった
――職場の“裏表人間”に削られた私を救った、たった4日間のノート習慣
「〇〇さんって、本当に優しいよね」
その言葉を聞くたびに、私は曖昧に笑うしかなかった。
心の中では、まったく違う感情が渦巻いていたからだ。
1.「いい人」と呼ばれるあの人の、もうひとつの顔
私がその人を「裏表が激しい」と感じ始めたのは、異動して3カ月目のことだった。
表向きは、誰に対しても丁寧。
上司には腰が低く、後輩には親切。
気配りもできるし、冗談も上手。
だから当然、職場での評価は高い。
でも。
私が相談した内容は、なぜか翌日には別の人の耳に入っている。
私のミスだけが強調されて報告されている。
私の提案は却下されるのに、数日後、ほぼ同じ内容をその人が発表して拍手を浴びている。
証拠はない。
でも、確信はある。
「この人、裏で私を削ってる」
けれど周囲はこう言う。
「え? あの人が? そんなわけないよ」
この瞬間が、一番きつい。
裏切られるよりもつらいのは、「誰にも信じてもらえない」ことだった。
2.私を一番追い詰めたのは“人”ではなく「孤立感」だった
人間関係のストレスは、単純に「嫌な人がいる」ことじゃない。
本当に苦しいのは、
自分だけが気づいている気がすること
周囲がその人を賞賛していること
こちらが疑い深い人間に見えること
つまり、孤立感だ。
私は次第に、
無駄に考え込む
夜中に目が覚める
食欲が落ちる
出勤前に動悸がする
という状態になっていった。
「自分の心が弱いのかもしれない」
「私が被害妄想なんじゃないか」
そうやって、自分を疑い始めた。
3.愚痴を間違えると、状況はもっと悪くなる
ある日、私は我慢できなくなって同僚に話した。
「実はさ…」
結果は最悪だった。
その同僚は、裏表の人と仲が良かった。
話は回り回って本人に伝わった。
そして私は、「悪口を言う人」になった。
ここで私は初めて知った。
愚痴は“誰にでも言っていい”ものではない。
言い方を間違えると、二次被害が起きる。
4.私を救ったのは「たった一人の理解者」だった
もう職場では話さないと決めた。
代わりに、大学時代の友人に電話した。
彼女は言った。
「あなたがそんなに苦しんでるなら、きっと何かあるよ。あなたは嘘つくタイプじゃない」
この一言で、私は泣いた。
問題は何も解決していない。
職場環境も変わっていない。
でも、**“分かってくれる人がいる”**だけで、呼吸が楽になった。
これがいわゆる「情緒的サポート」だと、あとから知った。
解決策よりも、
アドバイスよりも、
「それはつらいね」
「あなたの感じ方はおかしくないよ」
これが、心を救う。
5.でも、誰にも話せない夜もある
そうはいっても、毎回電話できるわけじゃない。
内容によっては、何度も同じ話をするのも申し訳ない。
そして何より、
「こんなこと考えてる自分が嫌だ」
という気持ちがあった。
そのとき私が試したのが、“書くこと”だった。
6.4日間、ノートに全部ぶちまけた
やったことは単純。
ノートに、感情をそのまま書いた。
・腹が立つ
・悔しい
・なんであの人ばかり評価されるの
・私が悪いの?
・消えたいくらい悔しい
綺麗な文章じゃなくていい。
整理しなくていい。
誰にも見せない前提で書く。
最初は、書くほどにイライラが増す感じがした。
でも3日目あたりから変化が起きた。
7.「私は何に一番傷ついているのか」が見えた
書き続けるうちに、気づいた。
私はその人に怒っているのではなかった。
一番つらかったのは、
「私の努力が正当に見られていない気がすること」
だった。
つまり、
私は“公平さ”を求めていた。
その人を潰したいわけでもないし、
評価を奪いたいわけでもない。
ただ、「ちゃんと見てほしかった」だけだった。
これに気づいた瞬間、怒りが少し静まった。
これが、自己明確化なんだと思う。
8.心が軽くなると、選択肢が増える
感情が整理されると、冷静になれる。
私は次の行動を変えた。
その人と戦わない
証拠を静かに残す
自分の成果は自分で発信する
仕事外の人間関係を大事にする
そして一番大きかったのは、
「職場が世界のすべてじゃない」
と腹落ちしたことだった。
9.“いい人”に期待しないという防御
私は気づいた。
裏表のある人が成功しているように見えるのは、
「裏を知らない人が多いから」だ。
だからこそ、私は決めた。
期待しすぎない
理解してもらおうとしすぎない
みんなが気づく日を待たない
その代わり、
自分の心を守る仕組みを作る。
10.話すことは、弱さではない
私は以前、「愚痴はかっこ悪い」と思っていた。
でも違う。
話すことは、
書くことは、
弱さではない。
それは、自分の心を守るための行為だ。
もし今、
職場の裏表人間に削られている人
「あの人いい人だよ」と言われて苦しい人
誰にも分かってもらえないと感じている人
がいるなら、伝えたい。
あなたの感覚は、無視しなくていい。
11.今も、その人は“いい人”と呼ばれている
状況は劇的には変わっていない。
その人は今も評価されている。
でも、私は壊れていない。
なぜなら、
話せる人がいる
書ける場所がある
自分の感情を理解できるようになった
からだ。
ストレスはゼロにならない。
でも、ダメージを最小限にする方法はある。
12.たった4日間、やってみてほしい
やり方は簡単。
1日15分。
4日間連続で。
誰にも見せない前提で。
・一番腹が立っていること
・本当は言えないこと
・悔しかった場面
・本当はどうなってほしいか
これを書くだけ。
一時的に気分は悪くなるかもしれない。
でも、長期的には驚くほど軽くなる。
13.最後に
職場の人間関係は、選べない。
でも、
誰に話すかは選べる。
どう吐き出すかも選べる。
そして、
「自分の心を守る方法を知っている」という事実は、
思っている以上に強い。
もし今、あなたが削られているなら。
どうか一人で抱え込まないで。
誰かに話す。
それが無理なら、紙に書く。
それだけで、未来のあなたの健康は変わる。
私はそれで、壊れずにすんだ。
そして今日も、ちゃんと生きている。
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