読者コメントが教えてくれた、書くだけでは気づけなかったこと

記事を書いていると、時々「これは自分の中だけでは辿り着けなかった視点だな」と思うコメントに出会う。今回は、そうしたコメントをいくつか振り返ってみたい。

「結果」ではなく「過程」を見てほしかった

ある元教師の方から、こんなコメントをいただいた。

私の父もそういう人でした。
結果よりも過程を評価して欲しかったのを覚えています。

自分の記事は「理不尽な大人」について書いたものだったが、このコメントで、視点が一気に「子ども側」に切り替わった。

大人は結果だけを見て判断しがちだが、子どもの側にはずっと「頑張った過程を見てほしい」という静かな願いがある。それを、当事者の言葉として突きつけられた。

「教育=ボランティア」という空気が、正当な評価を遠ざける

常連の読者の方から、こんな指摘をもらった。

教育=ボランティアみたいな空気があって、noteではない別のサイトで「不登校ビジネス」という言葉を目にした時、そんな風に捉える人もいるのだと痛感しました。
正当な評価と正当な対価はなかなか得られないのだと思います。

教育を仕事にすると、「良いことをしているんだから、安くていい」という空気に、知らないうちにさらされる。

この空気こそが、教育という仕事の持続可能性を奪っているのかもしれない、と気づかされた。

「ズルを覚える」のは、要求が本人の力を超えているから

放射線技師の方から届いたコメント。

「できないことを要求されると、人はズルを覚える。」は確かにと思う部分が、他にも気づきの多い記事でした。

専門分野は全く違うのに、この一節に反応してくれたのが印象的だった。

「ズル」は性格の問題ではなく、要求の設計の問題なのだと、改めて実感させられた瞬間だった。

個別指導でも、「分かったふり」は起きる

個別指導の現場に立つ方からのコメント。

個別指導は集団授業に比べて「笑われる」場面は少ないはずですが、それでも「こんな問題も分からないと思われたくない」という理由で、分かったふりをする生徒に出会うことがあります。

集団授業の「笑われる恐怖」がなくなっても、「分からないと思われたくない」という気持ちだけで、子どもは十分に自分を守ってしまう。

問題は「笑われるかどうか」ではなく、もっと根の深いところにあるのだと気づかされた。

力で押さえつける人は、自信のない人

ある読者の方から、こんな一言をもらった。

経験上、力で相手を押さえつけようとする人は自身の無い人ばかりですよね。
昔はひどく恨んでましたが、今では不憫に思います。

「恨み」が「不憫さ」に変わっていくまでの時間の重みを、文章の端々から感じた。相手を叩くだけで終わらせない、という姿勢を、自分自身への戒めとして受け取った。

「あとで」ではなく「終わったら」

モンテッソーリ教育に携わる方から、複数のコメントをいただいた。

親だっていつでも手を止められるわけではないけれど、「今は聞けない」と「あなたの話を聞きたくない」は、子どもにとって全然違うんですよね。

親は心配だからこそ、勉強や進路、困っていることなど、つい「自分が知りたい本題」から聞いてしまうんですよね。でも子どもにとっては、話したいことと、親が聞きたいことが同じとは限らない。

正しいことを言って動かすのではなく、子ども自身が「確かに」と思えるところまで一緒に考える。その違いは大きいなと思いました。

専門家の視点から、記事の一つひとつの言葉を丁寧に言い換え、再構築してもらえたことで、自分の中で漠然としていた感覚が、はっきりと言語化された。

話しかけてこなくなった子の方が、心配

こんなコメントも印象に残っている。

特に「話しかけてこなくなった子どもの方が心配」という言葉が心に残りました。

「ねぇ聞いて」が続くことにイライラしてしまいがちだが、本当に心配すべきなのは、それが止まった時なのだと、改めて言葉にしてもらうことで実感が増した。

兄弟で教え合う、という景色

3人の子どもの宿題を見ているという読者の方からは、こんな微笑ましいエピソードをもらった。

小4が小2の双子に教えるんです。兄と喧嘩もしますが、2人の真剣に聞く姿勢に驚きます。

教える・教わるという関係が、大人の手を離れたところで、兄弟の間に自然と育っている。教育とは、必ずしも大人が主導するものだけではないのだと気づかされた。

おわりに

記事を書くという行為は、一方通行になりがちだ。

でも、コメントをもらうたびに、自分が言葉にしきれなかった部分や、気づいていなかった角度が、少しずつ埋まっていく。

これからも、コメントの一つひとつを、自分の視点を広げてくれる贈り物として、大切に受け取っていきたい。

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塾も、学校も、法人の教育事業も見てきた人が、子どもと親の本音を書く|垣村和寿 ここでの発信が、日常の見え方を少し変えられていたら嬉しいです!チップは教育に関する書籍の自費出版費用として大切に使わせていただきます!応援、本当に励みになります!