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ブラインドオーディション

 ブラインドオーディションとは、目隠しをして審査をすることである。1970年ころまでの世界のオーケストラは男性がほとんどであり女性は5%程度だったと言われている。性差の偏見を取り除くために、オーケストラのオーディション(入団審査)をする際に、審査員と演奏者の間をカーテンで仕切り審査員から演奏者を見えないようにした状態で行われたのが始まりとされている。そのようなオーディションが行われた結果、1990年代にはオーケストラの女性の比率は30%を超えるようになってきた。そして現在は以前のnoteの記事で紹介した通り女性団員の比率は40%を超えてきている。

 現在では、ブラインドオーディションはオーケストラに限らず様々な分野で行われている。ブラインドオーディションは日本ではあまり聞かない制度かもしれない。それは日本が世界から遅れているからだろう。オーケストラとは別の話になるが、就職活動の学歴フィルターや、医学部入試の男性優遇処置など、日本では色々なところに偏見に基づくフィルターがつい最近まで残っていた(現在もまだ解消されてないかもしれない)。

 元々、オーケストラ団員が男性ばかりだったのはいくつかの理由がある。男性の方が知性が高く教養があり、力があるのでパワフルな音を出せ、出産等によって休職したり退職したりしないという理由だった。もちろん現代から見れば偏見に満ち溢れた理論である。それらの理由に加えて、日本では、純粋な演奏スキルだけでなく、「楽団の和を乱さない」「先輩たちとうまくやっていけるか」という協調性が重視される傾向が根強く、ブラインドオーディションが積極的に導入されていない。

 ブラインドオーディションは性差別からの脱却には一役買ったが、人種に関しては一歩後退したと言われている。1970年以前はオーケストラというものは、男性、それも白人が行うものだった。ブラインドをかければ人種差別もなくなると思われたが、結果からするとそちらについては解消されなかった。楽器を練習するにはお金がかかるので、結局はお金持ちの白人が多く残ることになった。意図的に人種を差別しているというわけではないのだが、生活環境の差で社会とオーケストラの人種の構成比率は同じにはならなかったようである。

 実は、私はブラインドオーディションを受けたことがある。小学生の時の運動会の鼓笛隊の選抜試験がブラインドだった。その時の審査は音楽の先生だった。小学生ながらにそのやり方に感動、感嘆した記憶が今でも鮮明に残っている。その時のブラインドは、男女差別をしないためではなく、普段の生活態度、試験の成績などすべてを取り払って音だけで審査するとの事前説明が先生からあった。でも、後日談を先生に聞くと、小学生にはブラインドは難しかったようである。先生が「次の人入室してください」と呼びかけるだけで、お行儀のいい子ほど、「はい!」、と返事をしてしまう、、、と嘆いていらっしゃった。

 学校の部活動の吹奏楽部では、コンクールに出るためにオーディションが行われることがある。音楽の先生が審査をするならまだいいが、先輩や部の幹部が審査をしていることもあるらしい。審査方法を知らない人が審査をすることは大反対なのだが、もしどうしてもそうしなければならないのなら、せめてブラインドを取り入れてはどうだろうか?

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