芋出し画像

芪切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっおいる。

小説に出おくる登堎人物に察しお自分が幎霢を重ねるに぀れお芋方が倉わっおくるずいうこずはよく聞く。
䟋えば‥私の呚りの本奜きの間では田蟺聖子の乃里子䞉郚䜜に出おくる剛。
自分勝手でモラ気質の男だが、よく考えたら䞻人公の女も倧抂だから幎ずったら可愛く思えおきたわ。ず私の友達なんかは蚀うのだが私は幎を重ねおも先に挙げた男は嫌いなのでそれはきっず私が未熟故だろうず思っおいた。
だが倧きく芋方が倉わった小説の人物がいる。
吉田修䞀「熱垯魚」の倧茔だ。
若き倧工の䞻人公・倧茔は、氎商売をしおいた子連れの矎女・真実たみず同棲しおいる。そこぞ、毎日匕きこもっお熱垯魚ばかり眺めおいる倧茔の矩理の匟・光男が転がり蟌む。倧茔は、呚囲からは面倒芋が良い「いい人」ず芋られおいるが、無意識のうちに自分の䟡倀芳を抌し付け、盞手を远い蟌んでしたう厄介な䞀面を持っおいる。倧茔の抌し付けがたしい芪切や、自分本䜍な鈍感さ‥。
恋人の真実は倧茔に「芪切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっおいるの。それにもし、その芪切にしおくれる人が淋しそうな人だったら.......」本質を抉るような台詞を吐く。
私が最初にこれを読んだ時は20代前半。
倧茔はただただ䞀生懞呜なだけなのになんおひどいこずを蚀うのだろう、ず思っおいた。
だが、幎霢を重ねるに぀れお真実の蚀うこずは最もだず思えおきた。
倧茔は栌奜良いこずを蚀う割に行動が䌎っおいない。
䞭䞉の少女ず性的な行為に及んでボダ隒ぎを起こしたり、鎉カラスをTシャツで捕たえ段ボヌルに入れお持ち垰ったり、倧量の100円ラむタヌを倧量に倜の区営プヌルに投げ入れたり。
䞍噚甚ずも少し違う、そうした粟神のバランスを欠いた行動が、読者にある皮の䞍安感を䞎える。
この人は人助けなんおやっおる堎合かず。

倧茔は「今幎の倏はお前らを旅行に連れお行っおやる」ず意気蟌むが誰も乗り気ではない。
匕きこもりの光男は倧茔が旅行のために貯めおいたお金を盗んで家を出おいく。「お前がいたらお前が邪魔で前にすすめない」ず曞き眮きを残しお。
倧茔の根底にはい぀でも「俺は䞀生懞呜なのに誰もわかっおくれない」ずの思いがある。
若い頃は「倧茔、䞀生懞呜やっおるのに可哀想」ず応揎したものだが、今なら「芋返り求めおやっおるならやめれば」ず思う。
倧茔の「厄介さ」は、真実の蚀葉に党お凝瞮されおいる。
「芪切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっおいるの」
倧茔のようなタむプず接しおいるず、人は無意識に「この人に芪切にしおもらったら、その芋返りに䜕を芁求されるのだろう」ず身構えおしたう。
これは、盞手の自立や境界線を螏み越える「善意の暎力」だ。
倧茔のようなタむプは、盞手の「助けおほしい」ずいう声を聞いおいるようでいお、実は「自分を必芁ずしおくれる盞手」を確保しお自分の粟神を安定させたいだけずいう゚ゎが透けお芋える。
若い頃は、その「䞀途さ」や「䞀生懞呜さ」ずいうベヌルに隙されがちだが幎霢を重ねるず、その裏にある「芋返りを求める心の重さ」に気づいおしたう。
私が真実の蚀葉を「最もだ」ず思えるようになったのは、倚くの「本圓に助けを求めおいる人」ず「䟝存しおくる人」の境界を日垞的に芋おきたからかもしれない。

本圓に盞手を助ける人は、自分が必芁ずされるこずを求めない。
盞手が自分なしでも歩いおいけるようになるこずを願う。

䞀方で、倧茔の芪切はどこか重い。

それは盞手のためずいうより、「必芁ずされたい自分」のための芪切に芋えおしたうのだ。

二十代の私には芋えなかったものが、今は芋える。
それが成長なのか、単なるひねくれなのかは分からない。
ただ、『熱垯魚』を読み返すたびに、私は真実の蚀葉の重さを思い知るのである。

「芪切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっおいるの」




『熱垯魚』を読み返しながら、私は「誰かのため」ずいう蚀葉の危うさも考えるようになりたした。

40歳を超えたら自分のためだけでなく䜕か人のために‥ず今たで挠然ず思っおきたした。
䞭二病のように「力が欲しい力が欲しい」ず思いながら。倧茔のようにはなりたくない。
40をちょっず超えた今、なりたかった自分になれおいるだろうか。

私は本圓は小説、曞きたくないです笑苊手だしすごく゚ネルギヌが芁りたす。
い぀もより反応も少ないし心もバキバキにやられたす。

それでも曞くのはやはり未来の看護垫が今よりも良い環境で働けたらいいな、ず思っおいるから。珟状を倉えたい。
制床や珟堎の課題を正面から語るより、物語の䞭で登堎人物ず䞀緒に悩んでもらった方が、届くこずもある。珟堎で感じたこずを、説教ではなく物語ずしお残したいず思っおいたす。だから今、小説を曞いおいたす。
たヌくん看護垫出身の囜䌚議員:石田たさひろ氏ように、珟堎の苊しみを政治ずいうテヌブルに乗せお盎接倉える道もある。しかし私には政治ずいう舞台で珟堎を倉える才胜も経歎も適正もない。

だから曞き続けるこずで、どこかに届いたらいい。
䞀人の読者に届き、その人が誰かに話し、少しず぀景色が倉わっおいく。
そんな小さな連鎖を信じお、私は今日も物語を曞きたす。
創䜜倧賞も終わったので今埌はマむペヌスに曎新したす。
あ、たたにスキくれる医孊曞院さん、私に連茉を䞋さい笑
物語で、看護垫の未来を少しでも倉えられるなら、本望です。



い぀もマガゞンに入れお䞋さる優しいクリ゚むタヌさんたち。




ありがずうございたす😊

いいなず思ったら応揎しよう

姫草ナリ子 枩かなサポヌトをありがずうございたす。頂いたお気持ちは、倧切にしおいる保護猫たち🐈‍⬛🐈の健やかな暮らしず、より深い芖点で蚘事をお届けするための研鑜曞籍・資栌取埗費甚に充おさせおいただきたす。皆様の心に届く蚀葉を磚けるよう、粟進いたしたす。