自宅三国志#48 〜未来の私へ、同じようにもがいているあなたへ届きますように〜
ここは、国王(父)・国母(母)・女王(私)が暮らす自宅大陸。
認知症禍により、今日も何かが勃発しています。
ここからは、女王が自分の国を見失い、拾い直していくまでの記録。
どこまでも女王目線で綴った記録です。
※あくまで個人の見解です。
#48 あなたは女王様
休職後、私は久しぶりに臨床心理士・セラピ嬢のところへ行った。
職場での出来事や、介護の話をした。
国王の話。国母の話。
日々起きる大小様々な人体災害の話。
そんな話をぼちぼちしていた時、セラピ嬢が言った。
「あなたは、あなたの国の女王様なんだよ」
セラピ嬢がいろんな人に紹介している本の、最初のページに書いてある言葉。
本には王様と書いてあるが、女性に話すときは響きやすいよう女王様と伝えているそう。
え、そうなのか。
じゃあ父と母は何?まさか家来?
「お父さんはお父さんの国の王様で、
お母さんはお母さんの国の女王様なんですよ」
なにそれ、自宅三国志じゃん。
二人で笑い合った。
セラピ嬢は朗らかに続けた。
「介護のこと、漫画にしたらどうかな。なんかあったよね。みつえさん、だったっけ?」
みつえさん? 誰? 何?
しばらく考えて、ふと思う。
「ペコロスの母に会いに行く?」
「そう!それそれ」
漫画もどきイラストなどは若かりし頃描いていたが、漫画までは……。
原案ならまだしも。
ん?
原案?
原案なら、書けるかも。
謎にそう思った。
漫画は描けなくても、言葉なら書ける。
そうなると、誰が漫画を描く?
私の話は、岡野雄一さんみたいにハートフルじゃないぞ?
どちらかといえば、西原理恵子さん?
あの一コマに、私のツッコミをびっしり書いていただけたら。
いつの間にか、妄想暴走族、爆走。
次にセラピ嬢に会いに行った時は、既にキャラクター相談になっていた。
「私が女王でしょ?父が国王として、母はどうする?女王じゃなければ王妃とか?」
「王妃?」
セラピ嬢の表情が少し険しくなった。
「王妃って王の妃でしょ?王がいて。
それって、なんだかな。だったら、国母とかは?」
――そこ、引っ掛かるんだ!
王妃とか夫人ではなく、その人個人を尊重しようよ。
そんなセラピ嬢の声が聞こえた気がした。
何かの、誰かの付属品ではない。
私自身。
それぞれの国の王様であれ。
自宅三国志という名前は、たぶん冗談みたいに生まれた。
でもあれは、私が初めて、自分の国を認識した瞬間だったのかもしれない。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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