#64 俺、学部生と授業をつくる パパ、いんせーになる
○月☓日
短期留学のプログラムは、
どうやら
学部生と一緒に参加する形らしい。
つまり、
内容としては、
わりと初級編。
正直、
かなり助かる。
こちらは
海外経験自体が
初級である。
飛行機ですら、
人生で2回しか乗ったことがない。
その自分が、
いきなり海外の大学へ行くらしい。
しかも、
今回のプログラムは、
現地の大学で、
日本文化についての授業をする
内容らしい。
授業は、
基本的に日本語で行うとのこと。
……助かった。
どうやら、
想像していたより
ハードルは高くないらしい。
もちろん、
準備は必要だと思う。
でも、
「まずは交流してみよう」
という感じの
プログラムっぽい。
少し安心した。
学部生とグループを作って、
一緒に授業を考えることになった。
最初は少し不安だった。
グループは、
自分だけ院生。
しかも、
年齢もまぁまぁ上。
たぶん、
向こうから見たら、
普通に“おじさん”である。
どう接すればいいんだろう。
変に距離感を間違えたら、
気まずいかもしれない。
そんなことを考えていた。
でも、
同じグループになった
学部生の男子2人は、
とても優秀だった。
話もしっかりしているし、
ちゃんと考えている。
しかも、
パソコン操作も速い。
頼もしい。
ただ、
授業をつくったり、
人前で話す経験は、
あまりないらしい。
なので、
自分がこれまで
仕事の中でやってきた、
話の組み立て方や、
相手に合わせた説明の仕方を、
少しだけ話してみた。
すると、
「なるほど」
と、
意外とちゃんと聞いてくれた。
少しは役に立ちそうで、
よかった。
今後は、
連絡を取りながら、
それぞれで作業を進めて、
最後に合わせていく。
大学生って、
思っていた以上に忙しい。
授業もあるし、
アルバイトもあるし、
就活もある。
そしてこちらは、
仕事と家庭と大学院である。
みんな、
それぞれ忙しい。
でも、そんな人たちが集まって、
一つの授業を作る。
なんだか、
少し面白い。
ただ、
連絡用のSNSだけは、
みんな、返信が異常に速い。
どうやら俺、
授業づくりの前に、
通知についていく力が
必要らしい。
(一応、つづく)
