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「二人なら大丈夫」と思っていた私たちが、再婚前に話していなかったこと


私は3人の子どもを連れて6年前に再婚した。
再婚前、私たち夫婦は、それなりに話し合っていたと思う。

いつ再婚するのか。
どこで一緒に暮らすのか。
子どもたちには、いつ、どのように伝えるのか。

新しい生活を始めるために必要なことを、二人で一つずつ決めていった。
だから私は、「何も考えずに再婚した」とは思っていなかった。

夫も子どもたちのことを大切にしようとしてくれていたし、私も、みんなが安心して暮らせる家庭にしたいと思っていた。

話し合って
二人で準備して

だから、きっと大丈夫。うまくいく。私たちなら乗り越えられる。

そんなふうに思っていた。

けれど、再婚して6年目になる今、振り返ってみると、私たちが話していたことの多くは「予定」だったように思う。

いつ、どこで、どうやって新しい生活を始めるのか。
どんな風になりたいのか。

目の前にある、決めなければならないことやお互いの気持ちについては話していた。

けれど、その先の生活で、うまくいかないことが起きたときにどうするのかまでは、ほとんど話していなかった。

たとえば、夫と子どもたちの距離が、思うように縮まらなかったとき。
夫が子どもたちへ注意し、その言い方に私が違和感を持ったとき。
子どもたちが、夫と一緒に暮らすことへ戸惑いを見せたとき。
夫と子どもたちの間に立つ私が、だんだん疲れてしまったとき。

そんな場面を、具体的に想像していなかった。

もちろん、再婚前から悪いことばかりを考えたい人はいない。
これから一緒に生きていこうとしているときに、

「もし、うまくいかなかったら」
「もし、子どもが受け入れられなかったら」
「もし、あなたと子どもの間で問題が起きたら」

なんて話をするのは、少し怖い。

相手を信じていないと思われそうだし、自分自身も、せっかくの幸せな気持ちに水を差したくなかったのだと思う。

それに、再婚前はとにかく忙しかった。私はシングルで子どもたちを育てながら働き、夫との時間もつくっていた。

再婚が具体的になってからは、仕事や周囲との調整、住まいや生活の準備など、短い期間で進めなければならないことがたくさんあった。
そのうえ当時は妊娠しており、望んでいたことが現実になった喜びだけでなく、私自身にも戸惑いがあった。

立ち止まって、お互いの不安や期待をゆっくり話すよりも、まずは目の前のことを進めるので精いっぱいだった。

それに、再婚を決めてから
私は、夫と子どもたちの間で何か起きても、そのとき自分が橋渡しをすればよいと思っていた。自分さえ頑張れば・・・と。

でも、「橋渡しをする」とは、具体的に何をすることなのか。
夫と子どもの言い分が違ったとき、私はどこに立つのか。
私自身が苦しくなったとき、誰にどう伝えるのか。

そこまでは考えていなかった。

予定を決めることも、もちろん大切だった。
決めなければ、新しい生活は始められない。

けれど、予定を決めることと、お互いが何を不安に感じ、何を期待しているのかを知ることは、同じではなかった。

再婚前の私たちに必要だったのは、すべての問題を予測し、答えを出しておくことではなかったと思う。
そもそも、生活してみなければ分からないことはたくさんある。

子どもの成長によって、家族の関係も変わっていく。
再婚前に決めたとおりに進まないことがあって当然だ。

それでも、
「こんなことが起きたら、私は不安になると思う」
「そのとき、あなたはどう感じるだろう」
「すぐに答えが出なかったら、どうしようか」

そんな話が少しでもできていたら、何かが起きたときの受け止め方は違ったかもしれない。
生活が始まって、いざ課題にぶつかってからだと、余計に難しくなることが多い。
実際に課題が起きている最中に、落ち着いて話し合うことは思っていた以上に難しかった。

夫には夫の寂しさや苛立ちがあり、私には私のつらさや、「子どもたちを守らなければ」という思いがある。
お互いが感情に飲み込まれているときには、相手の言葉を冷静に受け取れない。

何が起きているのかを一緒に整理するより先に、
「どうして分かってくれないの」
「そんなつもりじゃなかった」
「自分ばかりが我慢している」

という気持ちが強くなり、建設的に解決へ向かうことが難しいことも多かった。

今、夫は、上の子どもたちとの関係について、少し諦めてしまっているように見える。
一緒に暮らし始めてから、いいときもあれば今のようになるときもある。
気持ちが上下しながら、それでも少しずつ立ち位置や居場所をつかむような感じ。

「どうせ、もう何を言っても俺の気持ちは伝わらない」
「俺のことを親とは思っていないんだから無理」

そんなふうに感じているようだ。

夫なりに関係をつくろうとしてきたからこそ、思い描いていたような反応が返ってこないことに、寂しさやむなしさを感じてきたのだと思う。

けれど、そこまで気持ちが固まってしまってから、私が間に入って、
「子どもたちは嫌っているわけではないよ」
「実の親子と同じでなくても、家族として安心して暮らせているよ。それってなかなかできないことだよ。」

と伝えても、なかなか届かない。

一度積み重なった諦めや傷つきを、あとからフォローすることの難しさを感じている。

再婚前に話していたとしても、私たちはきっと同じような課題にぶつかっていただろう。
事前に考えれば、問題が起きなくなるわけではない。

それでも、生活が始まる前の、まだお互いが感情に飲み込まれていないときに、
「もし、子どもとの距離が思うように縮まらなかったら、どんな気持ちになるだろう」
「親子のような関係になれなかったとしても、どのような関係なら受け入れられるだろう」

と話していたら、どうだっただろうと思うことがある。

何かが起きたときに、
「そういえば、あのとき二人でこんな話をしたね」

と戻れる場所があったかもしれない。
問題を避けるためではなく、問題の中でお互いを見失わないために、生活が始まる前に話しておく。

再婚前の話し合いには、そんな意味もあったのではないかと、今は思っている。
話し合うというのは、予定を決めることだけではない。
まだ起きていないことについて、二人で正解を出すことでもない。

相手が何を大切にしたいのかを知ること。
自分でも気づいていなかった不安や期待を、少しずつ言葉にしてみること。

そして、答えが出ないことも一緒に抱えていけるかを確かめること。

再婚前、私たちは話し合っていた。

ただ、その生活の中で何かが起きたとき、二人でどう向き合っていくのか。

そこまで話すことも、子どもを連れて再婚するということの準備として必要だったのだと、今になって思う。



そんな自分自身の経験を振り返り、再婚前に二人で話しておきたいことを「20の問い」にまとめてみました。
私の経験が、これからお子さんを連れて再婚を考えている誰かに届けばいいなと思っています。

再婚してよいかを判定するためでも、二人の答えを一致させるためでもありません。

子どもを連れての再婚は、そうでない結婚に比べると、結婚後に乗り越えないといけないことが思ったより多いと感じています。
できれば生活が始まる前に、これらのことを二人で想定して、お互いにお互いの気持ちや考えを知っておくこと。それだけでも、再婚後の課題の難易度が下がると思っています。

第1編では、20の問いのうち4つと、二人で書き込めるワークシートを掲載しています。
「話し合っているつもりだけれど、何を話せばよいのだろう」と感じている方に、使っていただけたらうれしいです。


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