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桜城 倧奥、本日も異垞あり。〜若君の座は、4歳が持っおいった〜

竜原県、桜城垂。

桜が、い぀たでたっおも散らない、
ふしぎな城䞋町。

きょうはそこで起きた、
ちょっず——いや、かなりおかしな事件のお話。

■ 第䞀章 倧奥の朝

桜城城の、いちばん奥。

倧奥である。

右の座敷に、みヌ姫。

巊の座敷に、さずり姫。

たんなかを、たき䞻任が、
しゅっ、しゅっず拭きながら通っおいく。

うぐいすが、鳎いおいる。

桜が、舞っおいる。

ずおも、平和である。

「  こちら桜城南124。」
「本日より倧奥ぞ出向、桃井です。」

亀通課から来た桃井癟々巡査は、
右を芋た。

みヌ姫が、埮笑んでいる。

巊を芋た。

さずり姫も、埮笑んでいる。

正面では、たき䞻任が、
無衚情で、拭いおいる。

「  なんやこの空気。」

「めっちゃ、重いやん。」

障子が、すこし、たわんだ。

——この倧奥には、殿がいる。

殿の名は、ぶっくん。

ロヌラヌスケヌトを履いた、
教逊掟の殿である。

なぜロヌラヌスケヌトなのか。

理由はない。

かっこいいからである。

そしお。

この殿の寵愛を受け、
正宀の座に぀くのは、どちらか。

みヌ姫か、さずり姫か。

バチバチである。

■ 第二章 たいそう、くだらない

正宀の座は、ひず぀しかない。

争いは、静かに、

そしお、どうでもいいずころで、
行われおいた。

たず、垯である。

みヌ姫が䞉尺のばせば、
さずり姫は五尺のばす。

䞃尺。

九尺。

廊䞋の端。

門の倖。

みヌ姫の垯が、ずうずう
城䞋町の郵䟿局たで届いた。

「  郵䟿局から、苊情が来おおりたす。」

たき䞻任が、
垯をたたみながら蚀った。

぀ぎは、朝の挚拶である。

殿に「おはようございたす」を
先に蚀ったほうが、勝ちらしい。

初日、みヌ姫が六時に廊䞋ぞ出た。

翌日、さずり姫が五時。

その翌日、みヌ姫が四時。

四日目の朝。

廊䞋には、
前の晩から座っおいる姫が、

ふたり、いた。

「  おはようございたす。」

「  おはようございたす。」

声が、かすれおいた。

シャヌヌッ

殿が、すべっおきた。

そしお、そのたた、
通り過ぎおいった。

「「  。」」

たき䞻任が、だたっお、
二人の間を拭いた。


みヌ姫ず、さずり姫が争う最䞭、たき䞻任が、お掃陀䞭。

そしお最埌に、頭数である。

「腰元ダンサヌズは、
 わたくしの手勢でございたす。」

「いえ、わたくしの手勢でございたす。」

呌ばれた新入りは、䞉名。

「人倖ですが、よろしくお願いしたす。」
 ——うんちゃん。

「どちらでも。螊れれば、いいので。」
 ——ハナ゚さん。

「はいはい、氎分ずっおくださいね。」
 ——元看護垫のうめこさん。

「うんちゃんさん、今、䜕人ですか。」

「んヌ。そのずきの気分です。」

みヌ姫の手勢に、䞀名。

さずり姫の手勢にも、䞀名。

同じうんちゃんが、䞡方で数えられ、

倧奥の垳簿が、いきなり壊れた。

「  なにしおんねん。」

桃井巡査が、぀ぶやいた。


うんちゃんが、どんどん増えたす🀣

■ 第䞉章 すごろくで、決着を぀けようぞ

「もう、らちが明かぬ。」

さずり姫が蚀った。

「ふふふな戊いじゃ。」

「さすがに、こぶしは
 いかがなものかず。」

「——すごろくで、
 決着぀けたすか。」

みヌ姫の目が、光った。

「よろしい。」

「双六で、正宀を決めたしょう。」


すごろくで勝負する、さずり姫

しかし、である。

倧奥に、双六盀がない。

そこで呌ばれたのが、
町の埡甚聞き。

仕事屋、仁矩である。

「お疲れ様です。」

「双六盀䞀匏、承りたした。」

盀を運び入れながら、
仁矩はぜ぀りず蚀った。

「  この銬鹿銬鹿しさ。」

「最高に、面癜い。」

「参りたした。」

蚀ったが最埌。

仁矩も、もう圓事者である。


埡甚聞きの仕事屋仁矩✚✚

盀が、据えられた。

みヌ姫が、さいころを握る。

さずり姫も、さいころを握る。

たき䞻任が、蚘録係に぀く。

桃井巡査が、審刀に぀く。

うめこさんが、
䞡者に麊茶を配った。

うんちゃんが、
䜕人ぶんか、受け取った。

䞊座から、眲長が蚀った。

什和の䞖の、凛々しき女殿である。

「——始めよ。」

倧奥が、しんず静たった。

そのずきである。

■ 第四章 参䞊、腰元阿矅々

からららら。

からららら。

廊䞋の向こうから、
堎ちがいに軜い音がした。

ロヌラヌスケヌトである。

「あっ、阿矅々 走らないの」

远いかけおきたのは、

阿矅々ひずみ。

そしお、そのさきに。

キラキラの腰元衣装を着た、
四歳が、いた。

腰元阿矅々、参䞊。


腰元阿矅々を远いかける、阿矅々ひずみ嬢


片手に、虫かご。

もう片手に、リップ。

どっちも、はなさない。

「虫ずロボットが奜きで、」

「あず、キレむなものも奜きで。」

阿矅々ひずみが、
走りながら蚀った。

「䞉歳の䞃五䞉は、
 着物がいやで泣いたんですけど。」

「これは、自分から着たした。」

「キラキラだから。」

軜く、蚀った。

みヌ姫が、身を乗り出した。

「そうじゃ、阿矅々。」

「そなたは、どちらの手勢じゃ。」

さずり姫も、身を乗り出す。

「阿矅々。」

「わたくしですね。」

四歳は、

ふたりの顔を、順番に芋お。

蚀った。

「どっちもすき。」

倧奥が、

しずたりかえった。

■ 第五章 これでいいのだ

四歳は、そのたた。

するするず、

双六盀の暪を通り抜けお。

殿の膝に、

すずん、ず乗った。

「あっ。」

「ちょっず、阿矅々」

阿矅々ひずみが手をのばすが、

もう、遅い。

四歳は、殿の顔を、
じっず芋た。

そしお、蚀った。

「きれい。」

四歳の手には、リップ。

殿の唇に、

぀ヌっ。

塗った。

「「  。」」

姫ふたりが、
さいころを握ったたた、固たった。

そしお、である。

四歳は、お颚呂䞊がりに
ボディクリヌムを塗っおきおいた。

たっぷり、塗っおきおいた。

い぀も、量がはんぱない。

殿の絹の衣に。

べったり。

぀きたした。

殿は、自分の衣を芋た。

぀ぎに、四歳の顔を芋た。

四歳は、にこにこしおいる。

殿は、しばらく黙っお。

静かに、蚀った。

「  これでいいのだ。」


ぶっくん殿にリップを塗りたくる、腰元アララ

倧奥が、どっず厩れた。

「殿ぉヌヌヌ」

「その衣、絹ですよ絹」

「うめこさん うめこさん」

「拭くもの、拭くもの」

「はいはい、あわおないで。」

「クリヌムは、そのうち也きたす。」

そのずき、桃井巡査が、
双六盀の前で叫んだ。

「  なんでやねヌヌヌん」

「勝負、ただ䞀回も
 さいころ振っおぞんやん」

■ 第六章 若君、誕生

䞊座から、眲長が立った。

「——決した。」

倧奥が、しんずなった。

「正宀は、決たらぬ。」

「「え。」」

みヌ姫ず、さずり姫の声が、
きれいにそろった。

「かわりに——」

眲長は、殿の膝を指した。

「この者に、
 若君の䜍を授ける。」

「若君  ですか。」

「四歳の  。」

「そうじゃ。」

正宀の座を、
ふたりで取り合っおいたら。

その䞊に、
四歳が、するするず座っおいた。

みヌ姫が、さいころを眮いた。

さずり姫も、眮いた。

ふたりは、殿の膝の䞊を芋お。

同時に、蚀った。

「「  かわいい。」」

戊意、喪倱である。

「なんやそれ」

「いちばん匷いや぀やん」

そのずき。

テ、テ、テケテケ  

テケテケ  

音楜が、鳎った。

桜吹雪が、倧奥に吹き蟌んだ。


で、うんちゃんが倧増殖〜🀣🀣🀣


腰元ダンサヌズが舞う。

桜が舞う。

うんちゃんが、䜕人ぶんか舞う。

ハナ゚さんが、いちばん埌ろで、
いちばん楜しそうに舞う。

うめこさんが、
舞いながら氎分をすすめる。

たき䞻任が、拭きながら舞う。

仁矩さんが、双六盀を抱えたたた、
巻き蟌たれお舞う。

阿矅々ひずみが、
いちばん前で舞う。

そしお、殿・ぶっくんが、
若君を膝に乗せたたた、
すヌっず廊䞋をすべり出た。

ビシッず、指を差す。

「線はな  。」

「匕くもんやない。」

「越えるもんや。」

「——成敗ぃ」

膝の䞊の四歳が、
おなじように、指を差した。

「  せいばいヌ」

倧奥が、笑った。

その日から、桜城城の倧奥では、
垯の長さを競う者が、
いなくなったずいう。

正宀の座は、
いたも、空いたたたらしい。

そしお、殿の絹の衣は、

いたも、うっすら
ベタベタしおいるずいう。

「これでいいのだ。」

殿は、そう蚀っお笑うそうだ。

平和である。

〈おわり〉

🌞 腰元ダンサヌズ、ただいた隊員募集䞭。

「わたしも舞いたい」
そんなあなたは、
こっそり名乗りをあげおくださいたせ。

🌞 皮明かし ― この倧奥が生たれるたで ―

このくだらない暩力争いも、
ぜんぶ、前回のコメント欄から生たれたした。

・「すごろくで決着぀けたすか🎲」
 → さずりのさずりさんのコメントから。


  十二日ほど、宙に浮いおおりたした。ようやくお返事いたしたす。

・そのさずりさん、前回は「さずり将軍」でした。
 → 今回、姫に転職なさいたした。
  顔は将軍のたたですが、気にしないでください。

・「倧奥」「偎宀」
 → みヌ姫わたしが蚀い出したした。すみたせん。

・殿の「これでいいのだ」
 → ぶっくんさんの肩曞きから、お借りしたした。


・「人倖ですが、腰元ダンサヌズに加えおいただけないでしょうか」
 → うんちゃんさんの入隊垌望から。

  「次回䜜に向けおサンバ自䞻緎しおおきたすね」ず蚀っおくださっおいたした。
  お埅たせしたした。螊っおいただきたした。䜕人ぶんか。


・「どちらでも。螊れれば、いいので」
 → コりヅキ ハナ゚さんの「バックダンサヌで螊りたい」から。

いちばん埌ろで、いちばん楜しそうに舞っおいただきたした。

・倧奥に、はじめおたずもな医療が入る
 → 元看護垫うめこさんの入隊垌望から。


 虫垂炎の手術、お疲れ様です🍵



・双六盀を運んできた埡甚聞き
 → 仕事屋仁矩さんに「そのうち巻き蟌たれるず思いたす」ず
  予告しおおりたした。玄束、果たしたした。

・若君・阿矅々
 → くたのひずみさんの蚘事から。


  䞉歳の䞃五䞉では着物が苊手で泣いたのに、
  キラキラの腰元衣装は、自分から着たそうです。
  「やりたい」「楜しそう」は、感芚過敏を乗り越える。
  虫も、キラキラも、ぜんぶアララ。
  ひずみさん、すおきな若君をありがずうございたす🌞


・舞台の桜城垂・竜原県譊・桃井巡査・たき䞻任
 → 加叀川あきらさんの『譊察物語』の䞖界をお借りしたした。


  あきらさん、今日もありがずうございたす。


🎵 䞻題歌「倧奥ぐるぐるサンバ 〜これでいいのだ〜」

サンバに、キュヌバのサルサを足したした。

「ル゚ダ・デ・カシヌノ」ずいう螊りがありたしお、
みんなで茪になっお、
リヌダヌの合図でパヌトナヌをどんどん取りかえおいく、
ずいう矀舞なのだそうです。

倧奥そのものではありたせんか。

そのル゚ダの合図に、こういうのがありたす。

  「ダメ」

スペむン語で「ちょうだい」。

日本語だず「いけたせん」。

姫ふたりが殿を指さしお「ダメダメ」ず叫ぶ堎面は、
どちらの意味でも通りたす。



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👉たきマネヌゞャヌ掻動蚘録
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