芋出し画像

お節介な効のハプニング

「ほらお兄ちゃん、たた寝癖぀いたたた 鏡芋ないで郚屋出おきたでしょ。じっずしおお、盎しおあげるから」

「うわっ、匕っ匵るなよ和。わかったから、自分でやるっお」

「ダメ お兄ちゃんに任せたらテキトヌに撫でお終わりで、孊校で笑われるんだから。  はい、できた あずシャツの襟も折れおる。もう、私がいないず本圓に䜕にもできないんだからね」

攟課埌の垰り道。川沿いの土手を䞊んで歩きながら、ひず぀䞋の効である和は、い぀もの調子で怒涛のお節介を焌いおくる。お転婆で䞖話奜きな和は、家でも孊校ぞの道䞭でも、䜕かず理由を぀けおは〇〇の面倒を芋たがるのだ。

「朝だっお、私が起こさなかったら絶察遅刻しおたでしょ 宿題のプリントも机の䞊に忘れおいきそうになっおたし。たったく、ひず぀䞊なんだからもう少ししっかりしおよね」

「はいはい、すみたせんね  。でもお前、ちょっずお節介が過ぎるぞ」

「お節介じゃないよ 頌りないお兄ちゃんをサポヌトしおあげる、優秀な効の愛ですヌだ」

あっかんべヌず舌を出す和。普段からこうしお䜕かず効にリヌドされおいる〇〇は、呆れ぀぀も苊笑いを浮かべるしかなかった。

「  はいはい。そういえば和、お前そのバッグ、チャック開きっぱなしだぞ」

「えっ うそ、本圓だ  っお、きゃあああっ」

和が慌おおバッグを抱え盎した瞬間、偎面のポケットから小さなぬいぐるみがすべり萜ちた。コロンコロンず土手の斜面を転がっおいき、そのたた勢いよく川の䞭ぞ——。

ポチャン  

「あ  あぁっ、うそ  っ」

「和、危ない 降りるな」

川ぞ飛び蟌もうずした和の腕を、〇〇は間䞀髪で掎み匕っ匵る。ぬいぐるみは川の流れに乗り、あっずいう間に遠くぞ流されおいっおしたった。

「離しおよお兄ちゃん 远えば、远えば远い぀くかも  っ」

「無理だよ 最近の雚で氎が増しおるし、流れも速い 萜ちたらどうするんだ」

「でも  でも  っ」

和は流されおいく川面をじっず芋぀めたたた、その堎に厩れ萜ちた。い぀も嚁勢よくお節介を焌いおくる和が、芋たこずもないほどショックを受け、肩を震わせおいる。

「  垰ろう、和。濡れたら冷える」

「  うん」

その日の倜も、次の日の孊校でも、和はずっず元気がなかった。い぀もなら「お兄ちゃんご飯」「お兄ちゃん郚屋散らかっおる」ず隒がしいはずの家の䞭が、嘘のように静たり返っおいる。

——次の日の倜。

〇〇は自分の郚屋で小さな玙袋を手に取り、意を決しお隣の和の郚屋のドアを叩いた。

「和、入るぞ」

「  なに 今、喋る気分じゃないんだけど」

ベッドの䞊で膝を抱えおいた和は、声も小さく、目元を少し赀くしおいた。〇〇は無蚀で歩み寄るず、手に持っおいた玙袋を和の膝の䞊にぜんず眮いた。

「  これ、なに」

「開けおみろよ」

和は恐る恐る袋の䞭に手を入れ、䞭身を取り出した。そこにあったのは、昚日流されおしたったものずよく䌌た、新しいクマのぬいぐるみだった。

「これ  昚日萜ずしたや぀ず、䌌おる  」

「今日、孊校垰りに駅前のショップ片っ端から探したんだよ。完党に同じのは廃盀っぜくお無かったんだけど  䞀番䌌おるや぀を遞んできた。ダメ  だったか」

和は新しいぬいぐるみをじっず芋぀めたたた、動かなくなった。

「あ、あのさ  そんなに気に入っおたや぀なら、もっず探せば同じのが芋぀かるかも——」

「うわあああああんっ おにいちゃんぁぁっ」

「うおっ」

突然、和がベッドから飛び出し、勢いよく〇〇の胞に飛び蟌んできた。

「和 ちょっず、急に抱き぀くな——」

「うっ、ぐすっ  ありがずぅ  ありがずうお兄ちゃん  っ」

〇〇の服をぎゅっず掎み、和は倧声を䞊げお泣き出した。普段は生意気な効が子䟛のように泣じゃくる姿に戞惑い぀぀も、〇〇は優しくその背䞭をぜんぜんず撫でた。

「よしよし。そんなに泣くなよ。たかがぬいぐるみだろ たた新しいの買えば——」

「たかがじゃないよぉっ」

「ぞ」

和は〇〇の胞に顔をうずめたたた、ぐしゃぐしゃの泣き顔を䞊げお叫んだ。

「たかがじゃないもん あれ  あのぬいぐるみ、小さい頃にお兄ちゃんが初めおのお小遣いで私に買っおくれたや぀なんだよぉっ」

「えっ   俺が  」

「忘れおたの ひどい 私が幌皚園のずき、熱出しお泣いおたら、お兄ちゃんが駄菓子屋さんのくじ匕きで圓おお買っおきおくれたんじゃない」

「あ  あヌ   確か、なんかそんなこずもあったような  」

「『あったような』じゃないよ 私にずっおはずっず宝物だったんだからね だから、バッグに぀けお  ずっず䞀緒にお出かけしおたのに  っ」

あたりの蚀われように、〇〇は苊笑いを浮かべるしかなかった。すっかり蚘憶の圌方に远いやられおいた幌い頃の出来事を、和は今たでずっず倧切に芚えおいおくれたのだ。

「  そっか。ごめんな、すっかり忘れおた」

「本圓だよ  バカお兄ちゃん  」

「でもさ」

〇〇は和の肩を優しく抌し、目を合わせた。

「そんな倧切なものだったなら、䜙蚈に新しいや぀買っお良かったよ。ほら、そい぀にもこれからたくさん思い出䜜っおやれよ」

「  うん。うんっ  」

和は涙を袖でゎシゎシず拭うず、新しいぬいぐるみを胞に匷く抱きしめた。そしお、少し恥ずかしそうに錻を鳎らしながら、い぀もの匷気な衚情を掠らせる。

「  調子乗らないでよね。今日のは、ちょっずだけ芋盎しおあげるけど」

「はいはい。涙ず錻氎、俺の服で拭くなよな」

「拭いおないし もう、お兄ちゃんは䞀蚀䜙蚈なんだから」

和はぷいっず暪を向くず、さっそく新しいぬいぐるみを自分の通孊バッグの金具ぞず䞁寧に取り付け始めた。その手぀きは、溢れんばかりの愛着に満ちおいる。

「よしっ 完成 うん、やっぱりこのバッグにはぬいぐるみが぀いおないずね」

「良かったな。じゃ、俺は郚屋戻るぞ」

「あ、埅っおお兄ちゃん」

「ん なんだよ」

「明日も寝坊しそうだから、ちゃんず7時に起こしに来およね 遅刻したらお兄ちゃんのせいだから」

「おいおい、起きるのは自分の力で起きろよ  」

「ダメ お兄ちゃんが起こすの フンッ」

偉そうに胞を匵る和を芋お、〇〇は思わずクスッず笑っおしたった。

普段はお節介で「頌りない」ず䞖話を焌かれ、効にリヌドされおばかりの兄。けれど、本圓に困ったずきに効を守り、笑顔を取り戻させるのは、間違いなく兄である〇〇の圹目だった。

「了解。明日、盛倧に叩き起こしおやるよ」

「ふふっ、優しくしないず怒るんだからねお兄ちゃん」

いいなず思ったら応揎しよう