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ホルムズ海峡封鎖でEVが売れる?

 16日に出発した長くハードなインド取材から23日早朝5:30に羽田に帰国して、ヘロヘロのまま一回帰宅してスーツに着替え、同日午後にはトヨタモビリティ基金の理事会。世界のモビリティ発展に有意義な拠出(要するにお金を出す)にはどうすべきかをがっちり議論。もっと良い世の中を作るために定款を改訂する議論を1時間半みっちり。そういう席で大人しくしている性分ではないので、口火を切って言いたい放題。疲れているのに。

インド取材の一コマ

 続いて最近移転して麻布台ヒルズに移転したマツダの東京本社へハシゴ。マツダの経営戦略系の偉い人からトランプ関税影響のレクを受けつつ、意見交換。交換ってか、筆者が勝手に言いたいことを言ったに等しいヤツ。いずれにしても理事会もレクも脳みそフル稼働。振り絞るだけ振り絞って帰宅後、真っ白な灰になってダウン。

 で、翌24日は、何はともあれ身体中ガチガチで原稿が書ける状態ではなかったので午前中に整体に行って80分メインテナンスしてもらい、ようやくデスクに向かってエコノミストの校正とグーネットの連載2500文字とレスポンスのメルマガ2000文字を書き、やらないと終わらないので、最後のエネルギーを搾り尽くして、次の日のINNOCHAN(イノチャン)の収録に使うインド取材テーマの収録の資料作りまで予定通り辿り着く。マジでキツい。

 翌25日は朝から15:00まで某社の秘密の取材。そのまま直行で汐留のスタジオに入って、イノチャンの2回分を収録。インドの話とどっちが先に公開されるかわからないけれど、もう片方は、内閣官房参与の加藤康子さんをゲストに経産省の「ミカタプロジェクト」の改革の話と、経産省がミスった鉄不足問題を激論。この鉄問題は極めて重要で、まだどこからも報道されていないけれど、高品質な鋳造用のリサイクル鉄が大幅に不足し、自動車産業はもちろん、日本のあらゆる産業の足を強烈に引っ張る話になりかねない重要問題。EVシフトの話と極めて近似しているのがなんともな話。

 収録から帰宅して倒れて寝て、起きたら11:00。「あ、やべー、午前中には4日の新世代社会システム総合研究所の有料セミナーの資料を作るつもりだったのに」と思いつつ一旦諦め、もう時間がないからマックで「なんとかてりたまセット」を手早く食って、電車で中央合同庁舎の内閣府へ。加藤康子さんから昨日のイノチャンの収録時に話題に上った鉄不足の詳細なレクを受ける。岡崎五朗さんも一緒。本当は収録前に聞きたかったのだけれど、各所の日程の都合で収録が先になってしまった。

 レクを受けたので、鉄不足問題については早速noteで書こうと思い、実際書きかけたのだが、ちょっと鉄と炉に関する総合的な知識が不足していることを実感。内容的に中途半端になりそうなので、一度畳んで、今回のホルムズ海峡の話に切り替えた。鉄の話は少し勉強時間をいただきたい。必ず書くことをお約束する。

 いやしかし、体がダルくて重いこと。夕方帰宅後再び倒れて起きたら19:00。しかしまだ頑張らないとレギュラーの締切は容赦なくやってくる。ぼちぼちカードラとグーネット。それにスポットでベストカーのもある。というわけで、もう体力の限界スレスレで動いた1週間。そうそうインドの話は先週末のグーネットにもちょっと書いたので、未読の方は是非。

原油が高くなると相対的に電気代が安くなる?

 さて、本題に入ろう。

 ここのところ、筆者の元に、「イランによるホルムズ海峡の封鎖で原油価格が急騰していますが、これでEVが売れたりすることはないですか?」という問い合わせが来ている。

 そう聞きたくなるのはわからないでもないが、答えは「NO」。そんな簡単な話ではない。まずはエネオス・ホールディングスの市況情報のデータをご参照いただきたい。

出展:エネオス・ホールディングス

発電はLNG、石炭が主力でホルムズ海峡の直接影響は小さい

 確かに原油価格はバレル60ドルあたりから100ドルを余裕で越え、倍近くまで値上がりしている。市中のガソリンスタンドで価格が急騰し、リッターあたり30円もの値上げがあったことが多くのニュースで取り上げられた。なのでそれをベースに「これじゃ、ガソリン価格が大変なことになる」からの「だったらEVの方が良いのでは?」という疑問に至ったのだろう。

 では筆者が、ガソリン価格の急騰でEVが売れることはない、と考える理由を説明しよう。我が国の発電におけるエネルギーミックスが大きなポイントになっている。以下の資料は全て資源エネルギー庁のものだ。


我が国の電源構成に占めるLNG(液化天然ガス)の比率は32%と最大である。まあここで最大というのは少々大袈裟で、図の如く、石炭は29%、再エネは23%、原子力が9%。ホルムズ海峡の影響が心配される石油はわずか7%だ。

 石炭の主な輸入先はオーストラリア、インドネシア、ロシア、カナダ、アメリカの順で、ホルムズ海峡には全然関係ない。ではLNGはどうなのかと言えば、こっちも積極的に多角化を進めた結果あまりホルムズ海峡は関係ない。図を見てみよう。

 4割近くがオーストラリアから、下に赤字で書いてある通り、中東依存度は10.8%。ホルムズ海峡に依存するのは6.3%しかない

 石油は発電に占める比率が低く、最も重要なLNGも「ホルムズ依存度」は6%程度。だったら、ガソリンは値上がりしても電気料金は大丈夫……と言えるかどうか。

 LNGの産出量の順位を見てみよう。ここがひとつ目のポイントだ。

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