リーダーの人間力×HR〜人は、少なくとも組織よりも"人"に付くことが多い〜
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エクセレントグループ採用担当の藤原です。
「なぜあの施設では、職員がなかなか辞めないのだろう」
給与も制度も、近隣の事業所と大きく変わらない。それでも長く働き続ける人がいる。逆に、待遇を整えても次々と人が離れていく職場もある。その差はいったい、どこから生まれるのか。
もちろん、給与や立地、組織の安定性で職場を選ぶ人もいる。それは当然のことだ。ただ、長く働き続ける理由を掘り下げると、多くの場合、制度よりも先に「人の顔」が浮かぶ。少なくとも、人は組織よりも"人"に付くことの方が多いのではないか、そう感じる場面に何度も出会う。

最近、SFの古典『銀河英雄伝説』アニメにハマって見ていた。リーダーシップという観点から眺めていると、気づけば現場のことが頭をよぎって仕方がなかった。このアニメには、対照的な二人のリーダーが登場する。
一人はヤン・ウェンリー。戦略の天才でありながら、権威や肩書きをまったく重んじない。部下を信じ、任せ、失敗しても責めない。「勝ちたいから付いていく」のではなく、「この人だから付いていく」と思わせるリーダーだ。彼が率いる艦隊は、組織への忠誠ではなく、ヤンという人間への信頼で動いていた。
もう一人はラインハルト・フォン・ローエングラム。圧倒的なカリスマと実力で帝国を変革した天才だ。ヤンとは正反対の、強烈なビジョンと意志で人を引きつける。部下たちは「この人と共に歴史を作りたい」と信じ、命をかけて従った。動機はヤンとは異なるが、彼らもまた組織ではなく、ラインハルトという人物に付いていた。
二人のスタイルはまるで違う。けれど共通しているのは、部下が「制度だから従う」のではなく、「この人だから動く」と思っていたことだ。そのことが妙に現実と重なって見えた。

多くの現場では、これが特に如実に表れる。施設長や園長、店長などは、組織の顔であると同時に、文化そのものだ。日々の小さな判断——困っているスタッフに声をかけるか、理不尽なクレームから職員を守るか、失敗を責めるか受け止めるか——その積み重ねが、「ここで働き続けたい」という気持ちを育てる。
ただ、一人のリーダーへの信頼に依存しすぎることには危うさもある。人が代われば組織が揺らぐ、では困る。だからこそ大切なのは、その「信頼の感触」を次の世代へ伝えていくことだ。主任が、先輩職員が、同じように後輩に関わっていく。信頼は連鎖する。

ヤン・ウェンリーもラインハルトも、現実にはいない。けれど「この人のために頑張りたい」と思わせる上司は、どの現場にも確かに存在する。そしてそういう人のいる職場だけが、静かに、しかし確実に、人を育て続けていく。
組織の形がどう変わっても、人が支えるのは、結局のところ"人"なのではないだろうか。

出典・参考文献
原作: 田中芳樹 著『銀河英雄伝説』(創元SF文庫/マッグガーデン)
アニメ:
『銀河英雄伝説』(OVA版/石黒昇監督作品)
『銀河英雄伝説 Die Neue These』(多田俊介監督作品)
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