詩「作品は」
詩「作品は」
作品は、
書いた瞬間に
完成するものではない。
紙の上に並んだ言葉も、
誰にも読まれなければ、
まだ静かに
眠っているだけ。
誰かがページを開いて、
一行を読んで、
「わかるな。」
と心を動かしたとき、
その言葉に
初めて命が宿る。
嬉しい日に読まれてもいい。
悲しい夜に
そっと開かれてもいい。
迷っている人の背中を
ほんの少し押すこともある。
泣いている人の隣で、
黙って座ることもある。
書いた人が思っていた意味とは、
違う受け取り方を
されることだってある。
それでもいい。
言葉は、
手を離れた瞬間から、
読む人の人生の中で
新しい意味を持ちはじめる。
だから作品は、
ひとりでは完成しない。
読んでくれる人がいて、
その人の心に
何かが残ったとき、
初めて完成する。
もし今日、
この言葉を読んでいるあなたが
少しでも前を向けたなら、
この作品は、
今ここで完成した。
そしてもし、
あなたの心に残った一言が
いつか誰かを励ましたなら、
その瞬間、
また新しい作品として
生まれていく。
言葉は、
渡して終わりじゃない。
誰かの心から、
また誰かの心へ。
そうやって、
優しさはつながっていく。
だから書こう。
完璧じゃなくていい。
小さな言葉でいい。
誰かの心に届くことを信じて。
そして読もう。
あなたを待っている言葉が、
どこかにあるから。
作品は、
書いた人だけのものではない。
読んでくれたあなたと一緒に、
その瞬間、
ひとつの物語になる。
By MakoCafe
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