詩 「歩幅」
「歩幅」
若い頃の私は
前だけを見て歩いていた
早く進むことが
強さだと思っていたから...
隣にいる人の歩幅なんて
気にも留めずに
ただ、遠くへ行きたかった...
置いていかれた気持ちにも
追いつけずにいた心にも
あの頃は
気づけなかった...
ふと立ち止まり
後ろを振り返った時
そこにはもう
誰の姿もなかった...
静かな道の途中で
ようやく知った
大切なのは
どれだけ早く進むかじゃなく
誰と歩いているかだと
少し歩幅をゆるめて
隣の呼吸に耳を澄ませる
疲れていないかな
無理して笑っていないかな
そんなふうに
寄り添いながら歩く時間が
こんなにもあたたかいなんて
知らなかった
ゆっくりでもいい
遠回りでもいい
同じ景色を見ながら
隣で笑い合えるなら
その道はきっと
何より幸せなんだと思う
今日の私は
誰かの歩幅を感じながら
やさしく歩いていきたい...
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