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​園芸店接客カルテ#13|「育てる条件」の裏にあるもの

梅雨明け早々
セミの鳴き声が聞こえてきました
もう夏なのですね…

熱中症には注意しないとです😣

こんにちは!

園芸店の接客で意識していた
小さな心遣いの裏側をお伝えする
「接客カルテ」の第13回目です!

今回は
『園芸店の接客において
植物の育て方の知識だけでは
答えられなかった質問』を
されたときのお話です

園芸店に立っていると
さまざまな質問をいただきます
その多くは
「この植物は日陰でも育つ?」
「水やりの頻度はどれくらい?」
といった
植物の育て方に関する質問が
ほとんどです

私も園芸店員として
植物が健全に育つための知識を蓄え
それをもとに
お客様の園芸ライフを
サポートしていたつもりでした

​ところが時には
これまでの園芸知識だけでは
どうしても太刀打ちできない
特殊な質問を受けることも
しばしばあるのです

​方角のことまでは、さすがに‥‥

​ある日のこと
年配の女性のお客様から
「家の鬼門に置くといい植物は
どれかしら?」と尋ねられました
​その瞬間、私の頭の中では
(き、鬼門ってあれだよな!
なんか悪そうな方角!
ってのはなんとなくわかるけど
具体的にどこ!?
そもそも鬼門ってなんだ〜!?)

正直なところ
私はそれまで私生活でも業務でも
風水を意識したことはありませんし
教わったこともありませんでした

頭の中の引き出しを
どれだけひっくりかえしても
「鬼門に合うかどうか」
「鬼門の方向」
という基準のデータは
どこにも入っていません😣

結局
「申し訳ありません
ちょっと分からないですね……」
とお答えするしかありませんでした

お客様は
特に気を悪くする様子もなく
「あ、そうなの?
じゃあ、なんとか
自分で調べてみるわ」
と笑って別の話題に
移ってくださったのですが
私の中には
もやもやしたものが残りました

「意味」まで聞かれたとき

​また、別の日

閉店時間の間際に
少し慌てた様子のお客様から
こんな質問をいただきました

「知り合いのお子さんが
今度受験なんだけど
応援の気持ちを込めて
贈るのにふさわしいお花ってどれ?」

このときも私の脳内では
(花言葉っていうと
母の日のやつしか知らねぇ〜……!
カーネーションが『母への愛』
ってことくらいしか…)

受験生に贈るお花となると
花言葉的に縁起の良いもの
応援の気持ちが伝わるものを
選びたいという
お客様の気持ちはよくわかります

でも残念ながら
私の引き出しには
その答えが入っていませんでした😢

ただ単に
お祝いやギフトであれば
季節の美しい花や
管理がしやすく長持ちする
鉢植えを提案するのが
いつもの流れですが

さすがに「意味合い」を
求められると太刀打ちできません

この時も
自分の知識不足を感じつつ
「ちょっとわからないですね」
とお伝えするしかなく
申し訳ない気持ちで
いっぱいになりました

​見えていなかった、もう一つの引き出し

この二つの出来事があってから
少し考え方が変わりました

それまでの私は
「植物を元気に育てるための知識」
こそが
園芸店で働く上で一番大切なもの
だと思っていました

水やりのコツ
病害虫への対処法
季節ごとの手入れの仕方
などなど

資格の勉強もして
そういった知識を
どれだけ深く正確に持っているか?が
お客様への価値提供の
すべてだと考えていたんです

でも実際には
お客様が植物に求めているものは
育て方の正解だけでは
ありませんでした

風水のように
「どこに置くか」という
空間との関係性

花言葉のように
「誰にどんな気持ちを込めて贈るか」という人と人との関係性

植物は
ただそこに存在して
育っていくだけでなく
誰かの暮らしや気持ちに
寄り添う存在でもあるのだと
この時初めて実感しました

どれだけ
植物を元気に育てるための知識を
磨いても
お客様の「知りたいこと」の角度
によっては
自分の引き出しが
まったく役に立たない瞬間が
あるのだと知ったのです

それは少し悔しい気づきでも
ありましたが、同時に
見えていなかった部分を
お客様から
教えてもらったような
気持ちにもなりました

植物を扱う仕事だからといって
植物のことだけを
知っていればいいわけではなく

育て方の先にあるその植物が
誰かの人生の場面に
どう寄り添うのか?という視点も
必要なのだと気づいたのです

おわりに

それから
風水や花言葉について
興味があったので
自分なりに調べていくと
置く場所や贈る相手により
いろんな意味を持つことが
わかりました

実際
風水を試してみましたが
効果のほどはよくわかりませんし
花言葉もすべてを完璧には
さすがに答えられませんが

それでも

「わからない」で
終わらせるのではなく
少しでもお話できることを
増やしておきたい
そう思いながら
日々店頭に立っていたのでした

本日はここまで!

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