芸人から清掃会社へ。カラテカ入江さんが語る、どん底からの起業とフランチャイズ展開
こんにちは!アントレnote編集部です。
アントレは、独立・開業支援サイト『アントレ』の運営に加えて、
公式YouTubeでもフランチャイズ起業や独立ノウハウを発信しています。
「未経験からでも独立できる仕事を探している」「手に職を付けて長く働ける仕事がしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、お笑い芸人として活動した後、ハウスクリーニング業界へ転身し、株式会社ピカピカを創業した入江さんにお話を伺いました。
ハウスクリーニング業界を選んだ理由から、仕事の獲得方法、収益モデル、フランチャイズ展開まで、未経験から事業を成長させた実体験を詳しくご紹介します。
▼話者プロフィール
入江さん(株式会社ピカピカ 代表取締役)
1997年にお笑いコンビ「カラテカ」を結成し、23年間芸人として活動。2019年に芸能界を離れた後、ハウスクリーニング会社で約1年間修業を積み、2020年に株式会社ピカピカを設立。現在はフランチャイズ事業も展開し、全国35店舗まで拡大している。
聞き手 田中 翔(株式会社アントレ 取締役)
京都大学大学院修了後、リクルートに入社。人材領域のメディアプロデューサーとしてHRアワード受賞、リクルート全社表彰「TOPGUN」受賞などの実績を持つ。独立開業メディア「アントレ」の編集長を経て、アントレ取締役に就任。フランチャイズ本部の審査・キュレーションを担当している。
芸人引退後、なぜハウスクリーニングを選んだのか

田中:芸能界を離れた後、ハウスクリーニング会社でアルバイトをされたところからスタートされたそうですね。
入江さん:はい。おそうじ本舗で1年間アルバイトをしたところからスタートしました。2019年の騒動で芸能界を離れ、「この先どう生きていこうか」と考えていたとき、相方から「地に足のついた仕事を頑張ればいい」と言われたんです。
田中:なぜハウスクリーニングを選ばれたのでしょうか。
入江さん:時間があったので自宅を掃除してみたら、不思議と気持ちが軽くなって「もう一度前を向けるかもしれない」と思えたんです。そこで仕事について調べる中で、ハウスクリーニングは「なくならない仕事」だと知りました。
田中:「なくならない仕事」という言葉が決め手になったんですね。
入江さん:はい。芸人という仕事を失った自分にとって、すごく響いたんです。思い切ってこの業界に飛び込むことを決めました。
未経験から起業できた理由

田中:ハウスクリーニング会社で働いて辞めるきっかけは何だったのですか。
入江さん:面接のときから「2カ月後に独立したい」と社長に伝えていました。当時、独立して結果を出せば、世の中の人にもう一度認めてもらえるんじゃないかという思いがあったんです。ただ、実際に現場へ出ると、そんなに甘い世界ではありませんでした。結果的に約1年間お世話になり、技術だけでなく仕事の進め方まで一から教えていただきました。
田中:現場で経験を積む中で、独立のイメージも変わっていったのでしょうか。
入江さん:そうですね。現場で働きながら、「SNSをもっと活用すれば集客できるんじゃないか」とか、「ユニフォームをもう少しスタイリッシュにしたら印象も変わるんじゃないか」と、自分なりのアイデアが少しずつ見えてきました。
田中:独立すると、前職の社長とは競合になるわけですよね。
入江さん:普通ならそう思いますよね。でも社長も先輩も、「車はこれを買った方がいい」「この道具があれば始められる」と、全部教えてくださったんです。今でも仕事をお願いしたり、逆に手伝ってもらったりしています。私は競合ではなく「競業」だと思っていて、お互いに協力しながら成長できる関係が、この業界の魅力だと思っています。
ピカピカのフランチャイズモデルとは

田中:フランチャイズを始めてどれくらいになるのでしょうか。
入江さん:フランチャイズを始めて4年くらいです。
田中:現在は何店舗まで広がっているのですか。
入江さん:今は35店舗ほどです。
田中:加盟されているのは、個人の方が多いのでしょうか。
入江さん:いえ、ほとんどが法人ですね。個人事業主の方はあまり多くありません。
田中:入江さんのように未経験から独立される方というより、法人が加盟する理由は何でしょうか。
入江さん:不動産会社や飲食店などが多いですね。「営業は得意ではないが、現場で体を動かすのが好きな社員がいる」という会社が、その社員を中心にハウスクリーニング事業を立ち上げるケースがあります。また、飲食店では、これまで外注していた清掃を内製化するために加盟されることもあります。既存事業に新しい事業を加えるイメージですね。
田中:加盟するための費用はどれくらいなのでしょうか。
入江さん:加盟金25万円、研修費約25万円、スターターキット約55万円で、本部にお支払いいただく費用は約100万円です。軽自動車をお持ちであれば、それほど大きな初期投資をせずに始められます。
田中:ロイヤリティはどのような仕組みですか。
入江さん:月額5万円の固定制です。売上に応じたロイヤリティではないので、売上報告も必要ありません。本部から仕事を紹介する仕組みではありませんが、その分、加盟しやすい価格設定にしています。加盟店から相談があれば、SNSで求人募集やPRのお手伝いをするなど、その都度サポートしています。
仕事はどう獲得する?営業・集客方法

田中:現状どのように集客されているのでしょうか。
入江さん:基本的にはアナログでの営業がメインです。仕事で出会った方と話をする中で、「ハウスクリーニングもやっています」とお伝えすると興味を持っていただけることが多いです。そのほかSNSから集客しています。現場のビフォーアフターを投稿して、「ご依頼お待ちしています」と発信しています。
田中:入江さんの知名度で仕事が集まるという面もあるのでしょうか。
入江さん:あまり関係ないと思っています。うちの社員も、未経験からメール営業やDM営業を続けて仕事を増やしています。実際に名古屋や大阪の店舗も、最初はまったくの未経験でしたが、地道に営業を続けて売上を伸ばしています。
田中:個人のお客様だけでなく、法人からの依頼も多いのでしょうか。
入江さん:はい。加盟店では7割くらいは法人のお客様ですね。弊社は4割が法人、6割は個人のお客様です。不動産管理会社へ営業して、退去後の空室清掃を任せていただくケースが多いです。まずは「1部屋だけでもやらせてください」と提案すると、人手不足の会社も多いので、そのまま継続して依頼をいただけることも少なくありません。
田中:営業で意識していることはありますか。
入江さん:ハウスクリーニングは、一度ご利用いただくと良さを実感していただける仕事です。だから難しく考えすぎず、まずは試していただくことが大切だと思っています。
売上を伸ばす加盟店に共通する特徴

田中:加盟店の中でも、売上を伸ばしている方とそうでない方では、どのような違いがありますか。
入江さん:僕は「明るい人が勝つ」と思っています。これはハウスクリーニングに限らず、どんな仕事でも共通していることです。ハウスクリーニングって、どちらかというと暗いイメージを持たれがちですよね。でも、だからこそ明るく挨拶をするだけで印象が大きく変わるんです。
田中:技術だけではなく、コミュニケーションも選ばれる理由になるということですね。
入江さん:ハウスクリーニングもサービス業です。掃除をして終わりではなく、「きれいになりました」「ありがとうございました」と気持ちよくやり取りすることで、「またお願いしたい」と思っていただけます。芸人時代も「面白かった」「元気をもらった」と言われることが一番うれしかったんです。今も同じで、「きれいになった」「ありがとう」と言っていただけることが、この仕事のやりがいになっています。
田中:ほかに、仕事をするうえで大切にしていることはありますか。
入江さん:根拠のない自信を持つことですね。最初は作業着を着ている自分に自信が持てず、「周りからどう見られているんだろう」と気にしていました。でも、今では何とも思いません。結局は自分の気持ち次第です。自信を持って仕事に向き合うことが、お客様からの信頼にもつながると思っています。
全部できなくても大丈夫。得意分野を伸ばせばいい

田中:ハウスクリーニングは、「大変そう」「難しそう」というイメージを持つ方も多いと思います。実際はいかがですか。
入江さん:大変だと思われることは多いですが、やっている本人たちは、そこまで大変だとは思っていません。
田中:一方で、エアコン清掃など難しい作業もありますよね。
入江さん:もちろんあります。実際、僕もエアコン清掃は苦手でした。身長が低いので、脚立に乗って作業するエアコン清掃は自分にはあまり向いていなかったんです。今はエアコンが得意なスタッフに任せて、自分は営業や得意な現場に集中しています。
田中:一人ですべてできる必要はないということですね。
入江さん:そうです。苦手な作業は仲間や協力会社にお願いすればいいんです。SNSで「このエアコンをお願いできる方いませんか」と声をかければ、協力してくれる人もたくさんいます。全部を一人で抱え込むより、自分の得意なことを伸ばして、周りと協力する方が長く続けられると思っています。
ハウスクリーニング業界の収益モデル

田中:ハウスクリーニングはどれくらい売上が見込めるビジネスなのでしょうか。
入江さん:一番売上が良い月で月商1,500万円ほどです。現場スタッフは僕を含めて9人で、1人で200万円以上の売上をあげているスタッフもいます。ただ、全員が同じ仕事をしているわけではありません。エアコン清掃を専門に担当するスタッフもいれば、キャバクラや社長宅の定期清掃を担当するスタッフもいます。それぞれ得意分野を活かしながら仕事をしています。
田中:個人で独立した場合は、どのような収益モデルになるのでしょうか。
入江さん:例えば空室清掃なら、1件2万5,000円前後の仕事を午前・午後で2件こなせば、売上は5万円ほどになります。そこから洗剤代やガソリン代などの経費を差し引いても、1日あたり4万5,000円程度は残ります。これを週4日続けると、夫婦で月50万円ほどの利益を目指すことも十分可能です。
田中:利益率も高そうですね。
入江さん:ハウスクリーニングは、飲食店のように食材などの原価がかかりません。洗剤代くらいなのですね。また、自分で現場に出るだけでなく、エアコン清掃の仕事を営業で取って協力会社へ依頼する形にすれば、自分が動かなくても利益を出すことができます。
田中:安定して売上を伸ばすために意識していることはありますか。
入江さん:ハウスクリーニングは季節によって仕事量が大きく変わります。夏はエアコン清掃、年末は大掃除の依頼が増えますが、春や秋は落ち着く時期もあります。だからこそ、定期清掃の営業に一番力を入れています。法人や店舗から毎月依頼をいただける仕事が増えると、年間を通して売上が安定するんです。
ピカピカのフランチャイズに向いている人とは

田中:ピカピカのフランチャイズは、どのような方に向いているのでしょうか。
入江さん:「もう一回立ち上がりたい」「このままでは終われない」という気持ちがある人には、すごく向いていると思っています。逆に、「儲かりそうだからやってみよう」という考えだけでは、正直難しいですね。
田中:実際に、そういった思いを持った方もいらっしゃるのでしょうか。
入江さん:はい。実際に芸人やアスリート、役者など、夢を追いながらハウスクリーニングの仕事をしている人もいます。個人の方には、企業をご紹介することもあります。会社の一員として経験を積みながら、手に職を付けられるので、安心して挑戦できると思います。僕自身も43歳でこの仕事を始め、どん底からもう一度やり直すことができました。だからこそ、「もう一回挑戦したい」という人を応援したいと思っています。
まとめ:未経験でも「もう一度挑戦したい」という気持ちがあれば始められる
入江さんがハウスクリーニング業界で事業を成長させることができた理由は、特別な経験や技術があったからではありません。
「なくならない仕事」を選び、現場で経験を積み、自分の得意なことを伸ばしながら仲間と協力して事業を広げてきました。明るいコミュニケーションや前向きな姿勢も、お客様や仲間から選ばれる大きな理由になっています。
また、ハウスクリーニングは、一人ですべてをこなす必要はありません。苦手なことは得意な人に任せながら、自分の強みを活かして事業を続けられるのも、この仕事の魅力です。
「もう一回立ち上がりたい」「このままでは終われない」と考えている方にとって、ハウスクリーニングは新しい一歩を踏み出す選択肢の一つになるかもしれません。
この対談の様子は、YouTubeでもご覧いただけます。
▼ 動画はこちら
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ハウスクリーニング業界に限らず、未経験から挑戦できる仕事や、自分の経験を活かせる独立・開業の選択肢は数多くあります。複数の案件を比較しながら、自分に合った独立・開業の形を見つけてみてください。
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