四季の里演劇祭2026
茨城の小美玉市で開催された、四季の里演劇祭に行ってきました。
2024年に第一回が茨城劇王と同時に開催されて、その時は参加者でしたが、今年は純粋お客さんとして観劇…だったのだが。
何と全国38団体が参加するという一大イベント。20分程度の短編を会館のあちこちで同時開催されるという贅沢な二日間。
語っても語っても語りつくせないので、自分が観劇できた分の所感を。
本当は全部見たかったー!
ラクイチラクザ(東京)
コント仕立ての二人芝居
友達が突然、お義父さんになっちゃったらどうなるのか。二人とも絶対に若いイケメンなのにどんどん「お父さん」になっていく振る舞いと、テンポよい会話が楽しかった!
イチニノ(茨城)
このイベントの主宰者。なのに(だから?)なんと3つの作品を上演という暴挙(失礼)。
一本目は浜松でも上演してくれた「遠くから見てるだけ」
しかも今回は役者が異なっていて(北海道と福岡て)、より深い会話の裏側が見れた。
2本目は、静岡でも上演された「胴の長い猫」
初見の時の衝撃をそのままに、よりパワーアップしていたのと、女優さんが似合いすぎていて思わず声出た(笑)
3本目は炎天下の芝生で行われた「つくねもう歩けない」
小高い丘の向こうから現れる3人の賢者(?)に導かれて謎の儀式に参加するという。今書いていても何言ってんだかわからないサスペンス。個人的には茨城版ミッドサマー。
どういうわけだか一緒に謎の歌を歌いながら参加してきました。
劇団ヒロシ軍(長崎)
もはやこれを観に来ていると言ってもいいくらい。短編コントを連発する団体さん。フルドライブ林さんの何事にも動じない佇まいと、コントをひょうひょうとやってのけるヒロシさんの掛け合いは安定の面白さ。
個人的には「ラップバトル」が一番好きで、しっかりした演技力があるからできるコントだなあと。あと、「いつものあれ」が出てきたときは始まる前から笑っちゃった。
樺太大学附属関門高校演劇部(山口/福岡)
どこかの高校の演劇部っぽいけど関係ないという異色の劇団さん。会場についてトイレで主宰のゆっきーさんに会って、
「わーお久しぶりですー。今年は出ないんですか?」
「出ましょうか?(冗談)」
「じゃあお願いします」
というわけでゲストに呼んでいただきました。魂の仕分けするバイトというシチュエーションが、最近書き終えた台本と時々やってるバイトに近くて楽しかった。「誤着」ややウケで嬉しい。
株式劇団マエカブ(香川)
カブフェスでもお世話になってる団体さん。ポスティングのバイトの話で、コメディ仕立てかな?と思ってたら、結構現代を切り取った深い内容。宮本さんが淡々と告げる業務内容についてバイトの三島さんがだんだん闇落ちしていく様子にのめりこみました。毎回全く違う色を見せてくれるからいいよなあ。
表現実験BASHOW(富山/東京)
サブテレニアンに続いて、現代社会を切り取ったような作品。自分もAIや機械学習に関わる場が多いので、非常に興味深く観ました。ただ前説でかなりいじられてて、それに対応しているコメディ力も見ているので、次回は笑いも期待しています!
がらくた宝物殿(東京/福岡)
前回の四季の里でも「謎の協会による不穏な笑い」が特徴と勝手に思っている団体さん。今回は「ビンゴ大会」を崇めるという謎の集団との攻防戦。ビンゴになった人はその人が望む景品がもらえるという、ハリーポッターみたいな景品ボックスの中には何があったんだろう。
最後のグレートマザー的な人の後光がビンゴの穴になっていて笑った。
灯座(滋賀/京都)
座組の名前から、それはそれは荘厳で幻想的な作品を上演する団体さんなんだろうなと思っていたらそんなことは全然そんなことはなくて逆にギャップ萌え。クラッカーでお祝いをする宇宙人たちのあちゃらかなドタバタコメディ。FOX最初期の頃の作品に親近感を覚えて、あの若さと陽キャ感が羨ましかった。
幻想劇場◎経帷子(長野)
正真正銘の幻想舞台を作り出す、これぞアングラな劇団さん。でも会話が意外と所帯じみていて見やすかったのと、本当に松明を燃やす演出がすごかった!利賀演劇祭とかも好きな自分としては非常に見ごたえがあった。でも普段の役者さんがめちゃくちゃ気さくな感じでこれまたギャップ萌え。
空想紀行(高知)
インプロをメインに活動している団体さん。今回見せてもらったインプロゲームも非常に勉強になったし、今まで以上に自然体な二人の空気感がとても親しみやすかった。
インターバル
一日目の後半戦で、「借り物競争イベント」というのがあった。4つのチームがお題を貰ったら、そのお題にあった人をどこかから連れてきて、そのお題に沿って即興劇を見せて、きめ台詞を言って終わりというもの。お客さんとして見ていたら「イケメン好きですよね?」と空想紀行の野村さんに声をかけられて、なぜかイケメンを取り合った後に全力疾走するという事に。
しかも、そのあとどういうわけか、八丈島の盆踊りの名物「超高速マイムマイム」に参加。しかも小高い丘を越えて…死ぬかと思った(笑)
やべあい(福岡)
介護をテーマにしたインプロを見せてくれたやべさん。即興劇としての腕もさることながら、あまり触れることのない介護用語も勉強になりました。「ギャッジアップ」覚えましたよ!
それにしても、やべさんは自分の公演の他に、イチニノさん2本、樺太大学さんにも参加しているという分身っぷり。ほんとどこにでもいた。
劇団シアターホリック(高知)
香川県琴平の遊郭と芝居小屋・金丸座にまつわる物語を見せてくれたお二人。歴史的な背景を現代風にアレンジして見せてくれる手腕はさすがで、個人的に大好きな世界観。いつか大きな公演も観に行ってみたいな。
演劇修団たまてばこ(茨城)
今回は一人芝居での参加。箱守くんという妙に四角い相手との別れ話に至った経緯を語る会話劇…かと思いきや。
なるほど、だから四角かったのか。とか、コロコロ変わる回想との切り替えが上手で見入ってしまいました。
バカバッドギター(東京)
ドン・〇ホーテにいそうなヤンキーカップルのもとに、ある日野良力士がやってきてという、今書いていても何言ってんだかわからない作品。力士「食盛(たべさかり)」さんの身体が仕上がりすぎてて本職かと思った。なぜかラストてちょっと感動する自分が居たことに驚いたんですよね。
いるかHotel(兵庫)
俺は一体、何を見せられたんだ? 名前がアスカという女優の卵のオーディションを仕切るアンノさんとのやりとり。女優さんがだんだん本物の中の人に見えた反面「こんなシーンあったっけ?」と思ったり、こ、これも演劇か!とうなりながら確かな演技力に没頭しました。あと、主宰さんは一回色んなところから怒られたほうがいい(誉め言葉)
Projectトンデンバヤシ(熊本)
包丁の実演販売を演劇化したスタイル。確かな説得力と場を制する力が素晴らしく、あーいるいるこういう人!と思いながら最後までリラックスして観劇しました。あと個人としてあまりにも動きの切れと体力がすごすぎて脱帽した。
深呼吸(東京)
まったく悪い印象はないんですが、内容に演劇的なところがあったのかというと微妙。でも最後にはお客さんが一体となってラップを歌ってたという体感型作品。言ってることが結構刺さって、何度も反芻した作品。
ユニット「ケモノミチ」(香川)
朗読をメインにする団体さん。言葉だけだから想像力が膨らむ観劇体験。同窓会で明かされる秘密を受けて、それぞれの関係性やこれからの事を語り合うという、一見地味だけど年々表現力が増しているので、一人一人を応援したくなる作品。
劇団タイコバン(茨城)
この世は装飾でできているというコンセプトのもと、様々な人が行きかう群像劇…かと思ったら江南スタイルみたいな人がシャボン玉まき散らしながらウェーイとやってくる謎の展開が。着飾ることがいいことなのか悪いことなのか。案外大人になってもめちゃくちゃでいいのかもしれない(笑)
中央ヤマモダン(新潟)
ヘンゼルがグレてる物語。中年にさしかった二人が不仲になっててアレコレするという物語。ダメなおグレーテル感がよく出てていて、見ていて全然飽きなかった。トイレ使うのはずるいよなあ(笑)
Dream Land Circus with Bad Company
全国にある河童の総代の伝説を子供たちとつづる物語。子供たちの純粋なえ縁起が良かったのと、ああこの子は大物になるなあという勝手な親戚目線も味わえた。こういうその地域の伝承を基にした話が好きなので、ぜひあちこちでやってほしい。
というわけで、自分が観劇できた団体さんの所感でした!もしかしたら漏れているものや、実はちょっと見たものもあるかもなんですが、きりがないのでここまでで!
とにかく濃厚で楽しくて贅沢な二日間だった!来年…はさすがにまだないかな? 機会があったら今度はまた参加者として一緒にやれたら…。
演劇がこんなに自由で、人とのつながりを生んでいく素晴らしいものだと再認識させてくれる。素敵な演劇祭をありがとうございました!
