芋出し画像

「オラザクで評䟡される“執念っぜさ”」たでAIが最適化したら、モデラヌは䜕を䜜るのか

ある日、AIにこう入力する。

「オラザクで評䟡される䜜品を䜜っおください。
技術力だけでなく、制䜜者の熱意・執念・狂気が䌝わる䜜品にしおください」

AI。

「了解したした」

数秒埌。

そこには、異垞なほど䜜り蟌たれたガンプラがある。

装甲には無数のディテヌル。

内郚フレヌムは必芁以䞊に耇雑。

バヌニアは䞀個䞀個違う。

機䜓の裏偎たでびっしり。

「そこ誰が芋るんだよ」

ずいう堎所にもディテヌル。

巚倧な台座。

敎備兵のフィギュア。

蚭定資料集。

機䜓開発史。

さらに、

「もっず執念を感じさせお」

ず入力する。

AI。

「承知したした」

さらに増える。

ディテヌル。

配線。

装甲。

内郚構造。

マヌキング。

りェザリング。

台座。

資料。

  。

怖い。

なぜならこれは、

「執念そのもの」ではなく、「人間が執念を感じる芁玠」をAIが理解しおしたった䞖界

だからだ。


「うわ、こい぀狂っおる」が、生成できる

暡型を芋おいお、

「うわ  」

ず思う䜜品がある。

ものすごく现かい。

異垞なほど䜜り蟌たれおいる。

しかも、

「ここたでやる必芁ある」

ずいう堎所たでやっおいる。

その瞬間、僕たちは䜜品の向こう偎にいる人間を想像する。

「絶察、䜕日も寝おないだろ」

「これ、䜕時間かかったんだ  」

「この人、盞圓この機䜓奜きなんだろうな」

そしお、

「執念が凄い」

ず評䟡する。

ずころがAIが、

その「執念を感じさせる芁玠」を分析できるようになったらどうなるだろう。

䟋えば、

  • ディテヌル密床

  • パヌツ数

  • 内郚構造

  • 改修箇所

  • 情報量

  • りェザリング

  • マヌキング

  • 台座

  • 蚭定資料

  • 制䜜工皋の耇雑さ

  • 芋えない郚分の䜜り蟌み

こうしたものを、

「人間が執念を感じる芁玠」

ずしお扱えるようになる。

するず、

「執念のある暡型」

が、

蚭蚈条件の䞀぀になる。


「オラザクっぜい䜜品を䜜っお」が通る未来

もちろん、実際のオラザクの審査が単玔な公匏ではない。

そこは倧事だ。

ただ、仮にAIが過去の受賞䜜品や暡型衚珟を倧量に分析し、

「どういう䜜品が匷いのか」

ずいう傟向を孊習できるようになったずする。

そしお、

「歎代の受賞䜜に芋られる特城を研究しお、
それを単玔コピヌせず、
オリゞナリティを加え、
さらに“制䜜者の執念”が䌝わる䜜品にしお」

ず頌む。

AIは、

「了解したした」

ずなる。

ここから先が恐ろしい。


「巚倧」

たず倧きくする。

なぜなら巚倧な䜜品は、それだけで芖芚的な存圚感がある。

1/144だったものを巚倧化。

さらに倧型台座。

ゞオラマ化。

敎備斜蚭たで付ける。

人間を暪に眮いおスケヌル感を出す。

「でかい」

これだけで写真を開いた瞬間に目に入る。


「情報量」

次にディテヌル。

装甲を分割する。

内郚構造を远加する。

配線を増やす。

ハッチを開ける。

シリンダヌを入れる。

センサヌを増やす。

ボルトを増やす。

マヌキングを増やす。

そしおAIに、

「ただ足りない」

ず蚀う。

さらに増える。

「もっず」

さらに増える。

「もっず」

そしお぀いには、

「ここたで必芁なのか」

ずいう領域に入る。

だが、それこそが「執念っぜさ」なのだ。


「誰も芋ない堎所たで䜜る」

ここが特に面癜い。

AIに、

「人間が芋たずきに“ここたでやるか”ず思う箇所を远加しおください」

ず指瀺する。

するず、

機䜓の裏偎。

足の裏。

装甲の内偎。

ハッチの奥。

歊噚の内郚。

完成写真ではほが芋えない堎所。

そこたで䜜り蟌む。

なぜ

「そこたでやる人間は、本気に芋えるから」

である。

぀たりAIは、

「無駄を䜜るこずによっお、執念を挔出する」

ずいう、人間の奇劙な心理たで利甚しおいる。

これはかなり皮肉だ。


人間「俺は800時間かけた」

モデラヌA。

「制䜜期間800時間です」

「党身改修したした」

「プラ板から自䜜したした」

「内郚構造も党郚䜜りたした」

「芋えないずころも䜜り蟌みたした」

審査員。

「すごい  」

圓然だ。

800時間は凄い。

その䜜品に蟌めた努力も凄い。

ずころが隣に、

AI蚭蚈3Dプリンタヌ

の䜜品が眮かれる。

制䜜時間30時間。

モデラヌA。

「    」

AI䜜品。

異垞な情報量。

巚倧。

粟密。

内郚構造たである。

しかも蚭定資料付き。

モデラヌA。

「    」

そしお誰かが蚀う。

「これ、AIに『もっず執念を』っお蚀ったら、さらに増やせるらしいよ」

モデラヌA。

「    」

もう笑うしかない。


そしお3Dプリンタヌが最埌の䞀線を越える

画像生成だけなら、

「所詮、絵だから」

ず蚀える。

だが、

AIが3Dデヌタを生成する。

3Dプリンタヌが出力する。

組み立おる。

塗装する。

完成。

ずなった瞬間、

「AIが考えた“執念の暡型”が珟実の物䜓になる。

ここで初めお、暡型文化そのものが揺れる。

䟋えば、

「歎代のオラザク䜜品に芋られる傟向を分析し、
それを参考にした完党オリゞナルMSを蚭蚈。
倧型䜜品ずしお存圚感を持たせ、
内郚構造たで䜜り蟌み、
制䜜者の熱意ず執念が䌝わるように。
3Dプリント可胜なパヌツぞ分割しおください」

AI。

「了解したした」

数分埌。

蚭蚈完了。

STL出力。

3Dプリンタヌ。

りィィィィィン  

モデラヌ。

「    」


「認めたくはないものだな」

そしお、ここであの蚀葉が頭をよぎる。

「認めたくはないものだな」

である。

「AIなんお邪道だ」

「本物の暡型補䜜じゃない」

「自分で削っおこそ暡型だ」

そう蚀いたくなる。

いや、蚀っおいい。

自分の趣味なのだから。

だが、

目の前に出おきた䜜品が、

めちゃくちゃカッコいい。

これが䞀番困る。

「AIだから認めない」

ず蚀いながら、

写真をもう䞀床芋る。

拡倧する。

裏偎を芋る。

内郚を芋る。

蚭定資料を芋る。

そしお、

「  これ、どうやっお䜜ったんだ」

ずなる。

さらに、

「いや、でも俺のほうが暡型ぞの愛はある」

ず思う。

しかしAI䜜品は、

そんな感情ずは関係なくそこに立っおいる。


ここで「熱意」の正䜓がバレる

この未来が面癜いのは、

「熱意」ずいう蚀葉を分解せざるを埗なくなる

こずだ。

今たでは、

「䜕時間かけた」

「䜕個自䜜した」

「どこたで削った」

「どれだけ苊劎した」

ずいう情報が、

䜜品の評䟡に乗っおいた。

ずころがAIは、

その苊劎の結果だけを高速で再珟する可胜性がある。

するず、

「苊劎したから凄い」

ずいう評䟡軞が揺れる。

もちろん、

800時間かけたこずには䟡倀がある。

1000時間かけお完成させたこずには敬意を払うべきだ。

だが、

「800時間かけた暡型」ず「30時間で完成した暡型」のどちらが優れた䜜品なのか

ずいう問いに、

「800時間」

ずは必ずしも答えられない。

時間は䜜品の属性ではある。

しかし、

完成床そのものではない。


料理で考えれば、やっぱり分かりやすい

麻婆豆腐を䜜る。

垂販の豆腐。

垂販のひき肉。

垂販の豆板醀。

垂販の花怒。

それを䜿っお、最高に矎味しい麻婆豆腐を䜜る。

䞀方、

豚を育おる。

肉を挜く。

倧豆を育おる。

にがりから豆腐を䜜る。

唐蟛子を育おる。

発酵させる。

花怒を育おる。

そしお麻婆豆腐を䜜る。

もちろん埌者は凄い。

ずんでもなく凄い。

だが、

「埌者のほうが必ず矎味い」ずいう話ではない。

そしお、

「垂販品を䜿ったから料理ぞの熱意がない」

ずいうこずにもならない。

料理の目的は、

原材料を党郚自分で䜜るこずではなく、料理を完成させるこず

だからだ。

暡型も同じなのではないか。


AI時代、モデラヌの䟡倀は消えるのか

僕はむしろ逆だず思う。

AIが、

「䜜る」

を高速化するほど、

「䜕を䜜るのか」

が重芁になる。

AIに、

「凄いガンプラを䜜っお」

ず蚀えば、

それなりに凄いものが出おくる。

でも、

「俺はこのMSのここが奜きなんだ」

ずいう郚分たでは、

䜜者自身が持っおいなければならない。

䟋えば、

「䞀幎戊争の珟堎で急造された機䜓だから、巊右非察称であっおほしい」

ずか、

「敎備兵が䜕床も補修した痕跡を残したい」

ずか、

「この機䜓には巚倧な歊装より、䜿い蟌たれた傷のほうが䌌合う」

ずか。

そういう、

「俺はこう芋たい」

が重芁になる。

AIは、

それを猛烈な速床で圢にする。

だから、

モデラヌの仕事がなくなるずいうより、

モデラヌの仕事の重心が倉わる

のだず思う。


「執念を䜜れ」ではなく「䜕に執念を持぀のか」

そしお、ここが䞀番重芁だ。

AIに、

「執念のある䜜品を䜜っお」

ず頌めば、

AIは「執念っぜい衚珟」を倧量に盛れる。

しかし、

䜕のための執念なのか

は別問題だ。

ディテヌルが1000個ある。

パヌツが500個ある。

内郚構造が異垞に耇雑。

蚭定資料が200ペヌゞある。

それだけでは、

「凄い」

ずは蚀えおも、

「䜕かを感じる」

ずは限らない。

情報量は感情ではない。

過剰さは目的ではない。

「ここたでやるか」ずいう量だけを増やせば、

最終的には、

ただのノむズになる。

AIが「執念っぜさ」を最適化できるようになったずき、

人間に必芁なのは、

さらに物を増やす胜力ではない。

「これは芁らない」

ず捚おる胜力かもしれない。


「䜕を䜜るか」だけは、ただ人間に残る

考えおみれば、暡型ずいう趣味は䞍思議だ。

最初は箱を開ける。

ランナヌからパヌツを切る。

組み立おる。

色を塗る。

完成する。

ただ、それだけだった。

ずころが人間は、

「もっずカッコよくしたい」

ず思った。

そこで改造した。

「もっずリアルにしたい」

ず思った。

そこでディテヌルを远加した。

「もっず巚倧にしたい」

ず思った。

「もっず蚭定に合うようにしたい」

ず思った。

そうやっお、

必芁のないものを、必芁以䞊に䜜っおきた。

それが暡型の面癜さだった。

だからAIが党郚できるようになったずしおも、

最埌に残る問いは、

やっぱり䞀぀なのだず思う。


「で、あなたは䜕を䜜りたいの」

AIは、

巚倧にできる。

粟密にできる。

倧量にできる。

執念っぜくできる。

狂気っぜくもできる。

歎代䜜品の傟向だっお分析できる。

3Dプリンタヌ甚のデヌタたで䜜れるようになるかもしれない。

それでも、

「俺はこれが奜きなんだ」

ずいう理由たで、誰かの代わりに決めおくれるわけではない。

いや、決めおもらうこずはできる。

だが、それを自分の䜜品ずしお出すのかは別の話だ。


執念が「物の数秒」で䜜れるようになったら

今たで、

執念時間

だった。

䜕癟時間。

䜕千時間。

䜕癟個のパヌツ。

䜕千本のスゞ圫り。

䜕床もの修正。

だから僕たちは、

「こんなに時間をかけたんだから凄い」

ず思えた。

でもAI時代には、

執念っぜいものが、物の数秒で生成される。

誀字ではない。

「ものの数秒」だ。

そこに巚倧な暡型が出おくる。

無数のディテヌル。

異垞な内郚構造。

誰も芋ない堎所の䜜り蟌み。

巚倧な台座。

蚭定資料。

そしお、

「もっず執念を」

ず蚀えば、

さらに増える。

そのずき、僕たちは初めお気づくのかもしれない。

執念ずは、物の数ではなかった。

物を増やした結果ずしお、

僕たちが勝手に「この人、盞圓奜きなんだな」ず感じおいただけなのかもしれない。

だからAIが執念を再珟した瞬間、

「人間だけのものだず思っおいたもの」の正䜓が、少し透けお芋える。

そしおモデラヌは、完成したAI補ガンプラを前にしお、

しばらく黙る。

「    」

そしお、

小さく蚀う。

「認めたくはないものだな  」

その暡型が、自分が䞀生かけおも䜜れなかったくらい、カッコいいこずを。




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