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ヨーロッパで最も変な都市スコピエで一生分の銅像を見る旅

世界遺産の街オフリドを後にして、北マケドニアの首都スコピエへ。
実際に来てみたら、想像以上に変な街でした。

街の中心に着いて、まず目に入ってくるのが、マケドニアが誇る巨大なアレキサンダー大王像。

その周りにも銅像。
少し歩くと、また銅像。

川沿いにも銅像。
橋にも銅像。
銅像の供給量がおかしいです。

なぜこんなことになったのか?
背景にあるのが、2010年代を中心に進められた大規模な都市改造プロジェクト「Skopje 2014」。
当時の政権が、首都に記念碑や博物館、政府庁舎などを大量に建設し、街を壮麗な姿に作り変えようとしたようです。
その結果、古代マケドニアを想起させる巨大な像や歴史上の人物の像が、街の中心部に次々と登場。

つまりスコピエでは、「偉人には銅像を建てよう」の適用範囲がものすごく広いようです。

さらにすごいのが橋。
普通、橋とは川の向こう側へ渡るためのものだと思っていました。
スコピエはそんな固定概念を軽々と覆してきます。
橋に銅像を並べればいい。
しかも数体ではなく、ずらーーーーっといます。
橋を渡っているのか、屋外彫刻美術館を歩いているのか分からなくなってきます。むしろ、銅像を建てるために橋を作ったのではないか。
「橋とは何か」という哲学的な問いまで投げかけてくる街、それがスコピエ。

銅像を離れてオールドバザールへ。
細い路地に店が並ぶ雰囲気のある一角で、頭上にはカラフルな傘が吊るされたアンブレラストリートもあります。
映えスポット!
……のはずなのですが、
傘がめちゃくちゃ壊れています。

ひっくり返っているもの、骨だけになりかけているもの、明らかに傘として営業終了しているもの。
直す気配はない。
「まあ、傘だし。上にあればいいんじゃない?」
という強い意志を感じます。
私はこういう雑さが嫌いではないです。

そんなとき、私の前を歩いているおじさんのTシャツが目に入りました。
そこには謎の日本語で、
「落ち着いて」
と書いてあります。

……はい。わかりました。
なぜ北マケドニアの首都スコピエで、見知らぬおじさんから日本語で諭されているのかは分からない。
しかし気になります。極度乾燥しなさい、より気になります。これはもうスコピエ市から私への公式メッセージだと受け取ることにしました。

言われた通り、落ち着いてコーヒーでも飲もう。
カフェに入り、ホットラテを注文しました。
出てきたラテを見ると…

ストローが刺さっています。
一瞬間違えてアイスが来たのかなと思いましたが、触ってみるとちゃんとホットです。斬新すぎる。
試しにストローで飲んでみました。
熱いです。当たり前だけど。
落ち着くために入ったカフェで、まったく落ち着かせてくれない。

休憩後、再び銅像パトロール。
すると今度は、頭に何かを巻いた男性を発見。

私にはどうしても、飲み会で酔っ払って頭にネクタイを巻いたサラリーマンにしか見えないです。
「部長!終電まだありますよ!」
「いやー、今日は無礼講だ!」
「部長、もう一杯行きましょう!」
そんな声が聞こえてきそうです。
もちろん本当はそんな銅像ではないのですが一度そう見えてしまうともう部長にしか見えない。

もう驚かないぞと思って川沿いを歩いていると、川の中にも銅像がいました。

一人は水面から足だけ出ていて、なんならホラーです。
ここまで来ると「なぜ川の中に銅像が?」ではなく、「まあスコピエだし」で処理できるようになってきました。
人間の適応力はすごい。

さらに歩くと、男性数人が集まった銅像を発見。

一人なら偉人感がありますが、複数人で並ぶと、急に違うものに見えてくる。
銅像版SMAP。
誰がリーダーなのか。
センターは誰なのか。
解散予定はあるのか。
説明を読む前に余計なことばかり考えてしまいます。

そして極めつけがこちら。

古代ギリシャ風の列柱の間に、女性の像がずらり。
完全にアイドルグループです。
勝手に命名しました。MCD48です。
Macedonia 48。
コンセプトは、会いに行ける歴史上の女性
特技:微動だにしない。
総選挙をやっても順位変動なし。
なお姉妹グループとして、SKP48も活動しているものと推測されます。
スコピエ、アイドル業界まで銅像で参入していました。

そして街を歩いていると、今度は巨大な雄牛。

……どこかで見たことがある。
ニューヨークのウォール街にある「Charging Bull」にそっくりです。
実際、この雄牛はウォール街の牛との類似性をめぐって批判されたことがあるそうです。
一方、作者側は「力強さ」や古代マケドニアにおける豊穣の象徴として説明しており、「ウォール街の牛をコピーしました」と認めているわけではないという。

そうですか。
偶然似たんですね。そういうことありますよね。
牛だけではないです。
スコピエには、
パリの凱旋門を彷彿とさせる巨大な門。
古代ギリシャを思わせる列柱。
ヨーロッパの古典建築風の巨大建造物。
ロンドンを走っていそうな赤い二階建てバス
更に三越の前のライオンまでいます。

「世界の名所を見て回るのが大変なら、全部スコピエに置けばいいじゃない」という思想で街づくりしたのかもしれない。

そして、銅像のインパクトに完全に押されてしまいますが、スコピエはマザーテレサが生まれた街でもあります。
現在の北マケドニアが国家として存在するはるか前、1910年、当時オスマン帝国領だったスコピエで生まれました。
市内にはマザーテレサ記念館もあります。
ここはさすがに「もどき」ではなく、本当にゆかりの地です。

世界遺産の美しい湖畔都市オフリドから来たので、その落差もすごかったです。
美しい街は世界中にある。
歴史的な街もたくさんある。
でも、ここまで歩いているだけで次々と「なんで?」が出てくる街はなかなかないです。
変なものが好きな人には、自信を持っておすすめしたい。
とりあえず今日は、一生分の銅像を見ました。
そしてホテルへ戻ろうとしたところ猫カフェを発見したのですが、カウンター席や椅子に猫たちが堂々と陣取っている姿は猫カフェというよりニャバクラ。キャストも各種取り揃えていました。
昼間なかなか見つからなかった猫たち、どうやら夜から出勤だったようです。
スコピエ、最後まで油断ならない。

延長します?ちゅーるタワー入れてくれたら考えます。
ご指名ですか?今休憩中なんで…

明日は国境を越えてコソボへ行きます。
果たしてコソボは、スコピエ以上に私を困惑させてくれるのでしょうか?乞うご期待!!

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