言葉がやっぱり、好きだ
7月1日。誕生日の午前中は、仕事を入れずに過ごしました。
せっかくの誕生日なのだから、少しくらい自分のために時間を使ってもいいだろう。そう思って、町田駅近くにあるお気に入りのカフェへモーニングを食べに行ってきました。
商業施設のキャッチコピーを見て、心が動いた
カフェは町田東急ツインズ近くの細い道に面していて、テラス席がいくつかあります。パンとコーヒーをいただきながら、ぼんやりと外を眺めていました。
すると、ツインズのショーウィンドウに書かれたキャッチコピーが目に入りました。

今日も私にちょうどいい。
短い言葉でした。 特別に難しい表現が使われているわけでもありません。それなのに、見た瞬間に、気持ちが動きました。
「ああ、いい言葉だな」
たった数文字なのに、その場の空気を変えたり、誰かの心を少し明るくしたりする。言葉には、そんな力があるのだと、あらためて思いました。胸がじんわりと熱くなりながら、コーヒーをおかわりしました。
その後、駅前の本屋さんへ新刊をチェックしに行くと、通りかかった雑誌コーナーで、言葉をテーマにした特集雑誌に出会いました。パラパラとめくり、その内容に感動してそのまま購入。

誕生日の朝から、何度も言葉に呼び止められている。そんな不思議な感覚を抱きました。
僕はライターとして、長く言葉に関わる仕事をしてきました。
言葉を選び、並べ、整える。 誰かの考えていることを聞き、それを文章にする。
毎日のように言葉と向き合っていると、言葉が身近になりすぎて、そのおもしろさや本来持っている力を、時々忘れてしまいそうになることがあります。
でも、この日は違いました。街中で出会った短い言葉や、本屋で見つけた雑誌を通じて、「言葉ってやっぱり素敵だな」と心から思えたのです。
妻が僕にくれた「大丈夫だよ」の一言
言葉の力と言えば。 思い出すのは、11年前の誕生日に、妻(当時はまだ友人でした)がかけてくれた言葉です。
「大丈夫だよ。信じてるから」
あの頃の僕は、ほぼ無職。体調も万全ではなく、実績もありませんでした。自分の未来を自分自身で信じることが、一番難しい時期。周りから「本当に大丈夫?」と思われても仕方のない状態でしたし、僕自身が誰よりもそう思っていました。

でも、妻は「大丈夫なの?」という心配の言葉を口にしません。
「大丈夫なの?」と聞かれると、自分の中で不安が膨らんでしまうことがあります。でも、「大丈夫だよ」と言われると、根拠はなくても「もう一度、自分を信じてみよう」と思えるんです。
僕がこうして自営業を続けてこられたのも、自分の未来を僕より先に信じてくれた妻がいたからです。
何気ない言葉に、支えられている
言葉は、目の前の現実をすぐに変えてくれるわけではありません。 仕事が突然増えるわけでも、不安がすべて綺麗に消えるわけでもない。
それでも、誰かの放った言葉が次の一歩を踏み出す力になり、何年も経ってから「あの言葉に支えられていたんだ」と気づくことがあります。
誕生日の午前中、街中のキャッチコピーや本屋の雑誌に目を止めながら、僕は妻の言葉を思い出していました。これまでたくさんの温かい言葉に、助けられてきたのだと思います。
だからこそ、僕も誰かの心にそっと残る言葉を書きたい。 読んだ人が少し安心できたり、自分の未来をもう一度信じられたりするような言葉を届けていきたい。
42歳の誕生日。初夏の街を歩きながら、あらためて深く思いました。
僕は、言葉がやっぱり、好きだ。
お読みくださり、ありがとうございました。
そのべゆういち
charoma0701@gmail.com
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