経験しなければ分からないこと
「いじめ隠蔽なんてありえない」
「学校が不正をするはずがない」
そう思う人は少なくないと思います。
むしろ、そのように信じている人の方が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するつもりはありません。
なぜなら、被害に遭ったことがなければ分からないことがあるからです。
私自身も、以前はそうでした。
学校は子どもを守る場所であり、先生は誠実に対応してくれるものだと思っていました。
「学校が事実を隠すことがある」「被害者の訴えが軽く扱われることがある」と聞いても、正直なところ半信半疑でした。
むしろ「何か誤解があるのではないか」
「最近は保護者が学校に厳しすぎるのではないか」
そんなふうに思ったこともあります。
しかし、実際に当事者となり、被害を受けた側の立場になって初めて見える景色がありました。
何度説明しても伝わらない苦しさ。
証拠があるのに認めてもらえないもどかしさ。
相談したはずなのに、なかったことのように扱われる悔しさ。
そうした経験を通して「経験しなければ分からないことが本当にあるのだ」と痛感しました。
被害者が感じている苦しみや絶望感は、同じ経験をしていない人には想像しにくいものです。それは仕方のないことだと思います。
ただ、もし誰かから相談を受けたときには、「そんなことあるはずがない」と最初から決めつけないでほしいのです。
学校だから絶対に正しい。
先生だから間違えない。
組織だから信頼できる。
しかし、実際にはそうとは限らないのです。
でも、その前にまず、目の前にいる人の話を聞いてほしいのです。
被害者は、できればこんな経験などしたくなかったはずです。
否定されることを恐れながら、それでも勇気を出して話しているのです。
だからこそ、まずは耳を傾けてほしい。
それが、苦しんでいる人を孤立させないための第一歩なのではないかと思います。
