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コンビニを辞めるしかないと思った日

コンビニ経営で、
オーナー自身がコントロールできる経費は限られている。

大きく分ければ、
廃棄と人件費くらいだろう。

他の個人事業であれば、
売上がなければ時間がある。

次の手を考える余裕がある。

しかしコンビニは違う。

売上がなければ、
人件費で調整するしかない。

その結果、どうなるか。

売上や利益が出ていない店ほど、
時間がなくなる。

オーナー自身が
シフトに入るしかないからだ。

廃棄を抑えればいい、
という単純な話でもない。

抑えすぎれば、品揃えが崩れ、
売上はさらに落ちる。

結局、残された手段はひとつになる。

人件費を削ること。

そしてその負担は、
オーナー自身に向かう。

ここに、
コンビニシステムの
一つの限界があるのだと思う。

何年も休みなく、
1日12時間以上働いても、
十分な利益が出ないこともある。

それでも生活のために、
シフトを増やしていく。

14時間。
16時間。

自分の時間を削りながら、
家族を食べさせていく。

ふと気づけば、
子供たちもいつの間にか成長していた。

一緒に遊んだ記憶は、ほとんどない。

その事実に気づいたとき、
遅れてきたように、後悔が押し寄せてくる。

30代のころは、
それでもなんとかなった。

しかし、
40代も半ばを迎えると、
さすがにきつくなってくる。

身体よりも先に、
精神が削られていく。

そんな生活を、何年も続けていくと、
次第に考えることが変わっていく。

店を良くしたいとか、
売上を伸ばしたいとか、
そういうことではなくなる。

ただ、
店を開け続けることだけを考えるようになる。

いい店を作ろう。
お客様に喜んでもらおう。

そう思って始めたはずなのに、
その気力すら、少しずつ失われていく。

気づけば、
「続けること」だけが目的になっている。

それでも、
何もしなかったわけではない。

いろいろと試した。
散々もがいた。

それでも、
現状を変えることはできなかった。

精神と身体の限界が近づく中で、
ふと、思った。

もう、辞めるしかないのかもしれない。

しかし、現実は簡単ではない。

子供が3人いる。
辞めるにしても、収入のあてが必要だ。

40代半ば。
簡単に就職先が見つかるとも思えない。

だから考えた。

辞める前に、資格を取ろう。

なぜ行政書士なのか。

独立開業ができること。
受験資格がないこと。
そして、もともと興味があった法律系の資格だったこと。

それが、行政書士だった。

問題は、時間だった。

1日16時間、店に拘束されている。

机に向かう時間は、ほとんどない。

では、この時間を
どうすれば勉強に変えられるのか。

考え続けた。

そして辿り着いたのが、

耳で学ぶという方法だった。

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