FC岐阜 26-27シーズン 第2節 vs高知ユナイテッドSC マッチレビュー
第2節(Home) 2026/8/15 18:00 @岐阜メモリアルセンター長良川競技場
FC岐阜 7-0 高知ユナイテッドSC(前半 3-0、後半 4-0)
得点者 4分:閑田 隼人(岐阜)、23分:オウンゴール(岐阜)、35分:大串 昇平(岐阜)、49分:閑田 隼人(岐阜)、68分:北 龍磨(岐阜)、72分:ジョルダン テル(岐阜)、76分:ジョルダン テル(岐阜)
試合スタッツ
試合後コメント
試合ハイライト
1. 両チームのスタメン及びフォーメーション
両チームのスタメンとフォーメーションを示します。岐阜はこれまで通り、ボール保持、非保持共に4-4-2。前節負傷交代の屋敷はベンチ外、羽田と北が今季初のベンチ入り。

2. 昨シーズンからの積み上げを遺憾なく発揮
1万人を超える大観衆の前で7得点を決め大勝したFC岐阜。Jリーグ参入以降、最多得点で勝利しましたが、それぞれの得点に2026年シーズンおよび百年構想リーグで積み上げてきた石丸岐阜のサッカーが再現度高く見られたゲームでした。
下図は1点目と3点目のシーンを再現した図ですが、相手を押し込んだ状態において似た形で得点を奪っています。
1点目は、右サイドでボールを持った横山が中に切り込みインスイングのクロスを泉澤に送ると、泉澤が折り返して中に走りこんだ閑田がゴールを奪います。
この大外へのクロスは、ブロックの外側かつDFがボールと相手を同一視野に入れることができないため非常に対応しにくく、そして大外から中へ折り返すときにマークずれるため、上手くタイミングが合えば中の選手が容易にゴールを決めることができます。ゴール前でブロックを固める相手に非常に効果的な攻撃です。
3点目は箱崎からのアウトスイングのクロスですが、大外でフリーになった文が上手く折り返し、中の大串は頭で押し込むだけでした。


このような攻撃は百年構想リーグでも見られ、例えば第4節の札幌戦では左サイドの荒木のクロスから川本が頭で合わせてゴールを決めました。このクロスは大外ではなく、ポスト付近を目掛けたクロスですが、上述したように相手はボールに注意が向いており、川本を完全に見失っています。
理論的に理解していたとしても、サッカーは一人でやるスポーツではありませんので、クロスを落とす位置やクロスのタイミング等をお互いが合わせるには一朝一夕ではできません。チームとしての積み上げがこの得点に繋がっていると私は考えます。
得点シーンだけではなく、自陣および相手陣内でのボール保持においても、ポジションを入れ替わりながら相手を剥がさす作業が自然に行われているように外野からは見えていますので、後述する守備面を含め様々な面でチーム石丸のサッカーが定着してきているよう感じます。
3. 大勝に繋がった高知ビルドアップ攻略
ここまでボール保持に関して述べてきましたが、この試合はボール保持よりも非保持の出来が大勝に大きく寄与したと考えます。この試合の非保持局面について振り返っていきます。
下図は高知ビルドアップ時の岐阜の配置です。高知はボール保持時は4-1-2-3のフォーメーションになりますが、アンカーの高野とIHの田中、佐々木を起点にボールを前進させます。対する岐阜は前からハイプレスをかけてボールを奪いに行きますが、アンカーに対しては2トップの一方がマークし、もう片方がCBへプレスを掛けます。IHに対しては、SHの泉澤、横山とボランチの中村、福田がスライドして対応します。
それでは、実際のシーンからどのように効果があったのか見てみます。

下図は、2点目のGK猪瀬のオウンゴールに繋がる岐阜のハイプレスです。ゴールキックの流れでビルドアップを開始した高知は右サイドから前進を試みるものの、岐阜の圧力に屈し上月からGK猪瀬へボールを戻します。この時、ボールと逆サイドの岐阜の選手は高知の前進を阻止しようと、大串が高野へのパスコースを消しながら猪瀬へプレス、それに合わせて福田、横山がそれぞれ佐々木、濱へプレスをかけます。猪瀬は濱へパスを送ろうとしますが、最初のトラップが足元に入りすぎたせいで、キックの当たり所が悪くそのままゴールへ吸い込まれていきました。

こちらは上述した3点目に繋がるミドルゾーンでの守備。濱から佐々木へパスを通したところで横山がプレッシャーをかけてボールを奪い、岐阜の攻撃に繋がりました。この時、横山はSB藤森、IH佐々木の両方をケアできる位置におり、どちらにパスが通ってもスライドして対応することが可能です。

石丸監督が常々話している通り、今の岐阜は自陣で相手の攻撃を耐え続けることは難しく、相手陣内で積極的にボールを奪いにいくことが重要になりますが、ポゼッションを志向するチームに対して結果が出たことは今後の自信になるでしょう。過密日程かつ夏場でコンディション維持が難しいことが想定されますが、この守備を継続することがJ2昇格に向けて大きなカギになることは間違いないです。
4. 最後に
7得点は素晴らしい結果でしたが、後半は高知の集中力が切れてきたのもあり、上振れした結果になったと個人的には思います。今の岐阜にはそのような選手はいないと思いますが、この二戦を経て自分たちの実力を過信しすぎないことが今後に向けては重要です。
肝心の次節の相手は鹿児島。百年構想リーグではJ2含めて全体5位という素晴らしい成績を残しており、J3優勝候補の一つです。鹿児島が志向するのはハイプレスやロングボールが主体の岐阜が苦手とするサッカーです。開幕2連勝同士でシーズン序盤の大一番を迎えますが、この試合をどう戦うかは非常に楽しみです。
ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。それでは、また次回。
