FC岐阜 26-27シーズン 第3節 vs鹿児島ユナイテッドFC マッチレビュー

第3節(Away) 2026/8/22 19:00 @白波スタジアム
鹿児島ユナイテッドFC 0-0 FC岐阜(前半 0-0、後半 0-0)
得点者 なし
試合スタッツ

試合ハイライト





1. 両チームのスタメン及びフォーメーション

両チームのスタメンとフォーメーションを示します。岐阜はボール保持、非保持共に4-4-2。前節からメンバー変更なし。対する鹿児島も岐阜と同じく、ボール保持、非保持共に4-4-2。



2. 試行錯誤の90分

開幕2連勝同士の対戦でしたが、お互い少ないチャンスをものにできずスコアレスドローで決着した今節。それぞれの強みがぶつかりあう好ゲームで非常に面白い試合でした。
まず、この試合で特筆すべき点は岐阜のボール保持。ボール支配率が約70%を記録しており、多くの時間を岐阜がボール握っていたことが分かります。しかしながら、終わってみればシュート数5、ゴール期待値0.364ということで、鹿児島の堅い守備を崩すことはできませんでした。試合を通して、色々とポジションを流動的に変えながら鹿児島の守備をずらそうと試みた試行錯誤の90分だったと思います。今節のボール保持局面について振り返ります。

下図は、岐阜ビルドアップ時の各チームの配置になります。鹿児島のハイプレスの基本コンセプトは2トップのどちらかがサイドに誘導して、それに合わせてチーム全体でサイドに圧縮するというものです。

岐阜ビルドアップ時の各チームの配置

このような鹿児島の守備網を攻略するため、岐阜は配置をずらすことで前進を試みました。
鹿児島はボール非保持が4-4-2のフォーメーションのため、岐阜のボール保持と噛み合うような配置となります。そこで、SBの箱崎を1列上げて後ろを3枚にする3-2-5の形(下図)。鹿児島の2トップと4バックに対して、それぞれ3枚と5枚でかみ合わせをずらす+数的優位を作ることができます。
後ろを3枚にするために、下図のようにSBがスライドする以外にもボランチの片方が降りて3枚を作る方法もあります。その場合は、SBもしくは2トップのどちらかがボランチの位置に入り、ゲームを組み立てます。両SBが中盤でもプレーできる岐阜ならではの戦い方だと感じます。

箱崎を1列上げた3-2-5への変形①
箱崎を1列上げた3-2-5への変形②


上述したような、岐阜側から配置を動かしてズレを作る方法もありますが、鹿児島の選手の動きを見て、配置を変えるやり方も行っています。例えば下図の例ですが、鹿児島の4-4-2において、SHが岐阜のSBにプレスをかけるとボランチ脇のスペースができます。そのスペースに岐阜のボランチもしくは2トップのどちらかが移動してボールを受けることに成功するシーンが何度か見られました。
構造的に空いてしまうスペースを狙うということもあれば、プレスをかけた選手が元々いたスペースを活用するというのはこのシーン以外にも見られており、チームとして狙いがはっきりしているように思います。

鹿児島ボランチ脇のスペースを狙う動き

ボール保持において、今の岐阜の強みは上述したような配置の流動性です。よくサッカーの配置移動をじゃんけんで例えることがありますが、相手の配置を見て配置を変える「後出しじゃんけん」的な動かし方や、自ら配置をずらすような「先出しじゃんけん」的な動かし方のどちらもできるため、相手は岐阜の選手を捕まえることが難しくなります。

ただ、こうした試行錯誤でボールを保持し、鹿児島陣内でプレーすることが多くなりましたが、結果としてチャンスを作る回数はあまり多くありませんでした。鹿児島は途中からハイプレスをやめて、ミドルブロックで待ち構えることが多くなりましたが、自陣のスペースを可能な限り消し、岐阜の攻撃を阻止し続けました。
昨シーズンからの課題ではありますが、引かれた相手に対してどのように崩していくかは鹿児島のようなチーム相手ではもっと高いレベルでできなければなりません。非常に難しい課題ではありますが、更なる攻撃力アップを期待しています。



3. ウィークポイントを効果的に突かれた後半

ボールを保持しながらも岐阜が攻めあぐんでいる中で、後半は鹿児島が岐阜のゴールに迫る決定的なシーンがいくつかありました。
下図は後半68分のシーンです。鹿児島のゴールキックのセカンドボールを江川が岐阜のCBとGKの間に蹴り込み、それを拾った嵯峨がシュート。春名のナイスセーブで九死に一生を得ましたが、非常に危ないシーンでした。ゴールキックを跳ね返した時に、岐阜がディフェンスラインを上げて足が止まっていたところを狙われました。

後半68分のシーン

村主監督のコメントからも、後半に岐阜の足が止まり隙が生まれるのは鹿児島側にもスカウティングされており、鹿児島にとっては狙い通りの攻撃だったと思われます。

前半は、岐阜さんはポゼッションが上手なチームなので、お互いやり合いで、ギリギリのところで取れていれば我々の攻撃回数も増えていましたし、それが少し取れない回数の方が多くて押し込まれている中、岐阜さんの映像を見ていると後半足が止まるなとは少し感じていたところがあります。
そこの勝負どころはどこなんだろうと考えながら選手交代のところも、やっていきました。

村主監督 試合後コメント


第一節の滋賀戦でも、後半に最終ラインの裏へのパスからピンチが生まれたように、今後も集中が切れてくる後半に同様の攻撃で攻められるのではないかと思われます。元々、ライン位置が高めでラインコントロールも緻密に行っていますので、ディフェンスラインの選手にかかる思考負荷が高く、後半の疲労度は計り知れないと推測します。ただ、勝ち続けるためには乗り越えなければいけない壁だと思いますので、試合をこなしていく中で改善してくることを願っています。



4. 最後に

大きなピンチもありましたが、1万2千人を超える方が集まったアウェイの地で昇格を争うライバルチームに負けなかったことは非常に大きいと思います(調べてみると公式戦のスコアレスドローは2024シーズン第11節金沢戦ぶりなんですね)。
また、3試合を全て無失点で終えていることもポジティブな要素です。1試合平均被ゴール期待値もJ3で一番低い0.4であり、相手に与えているチャンスが少ないことが分かります。このまま好調をキープしてほしいところですが、サブメンバーの底上げにも期待したいところです。天皇杯やルヴァンカップが続きますので、スタメン争いに食い込む選手が出てくることを願っています。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。それでは、また次回。

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