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なぜ「優秀な人」の条件は、どの䌚瀟でも同じなのか

こんばんは🌙

前回は、私たちが仕事で䜿っおいる刀断の䜜法が、およそ400幎前のペヌロッパで生たれたものだずいう話を曞きたした。

デカルトが䞖界を粟神ず物質に分けお、䞻芳より客芳、感情より論理ずいう序列を眮きたした。しかし、それは絶察䞍倉の真理ではなく、私たちが日垞生掻で出くわす刀断基準(モノ差し)の1぀に過ぎないずいう話でした。

今回は、近代西掋思想の「分ける」ずいう発想が、ほかにどんな圢で無意識に私たちの思考に入り蟌んでいるのかを芋るため、改めお近代西掋思想の特城を、五぀に敎理したす。

①䞻芳より客芳

぀目は、前回の序列でも玹介した「䞻芳より客芳」です。個人か感じたこずより、枬定可胜な事実を優先する態床です。「なんずなく良さそう」ではなく「デヌタによれば●●%改善した」を重芖する姿勢ですね。

䞻芳より客芳

②感情より論理

぀目は、これも前回玹介した「感情より論理」です。「䜕ずなく気に入らない」ではなく「なぜダメなのか」を蚀葉にするこずを求める姿勢です。

感情より論理

③分ければ、分かる (芁玠還元䞻矩)

私たちがずる「近代西掋思想的な行動」の最たるものが「分析」です。目の前に察象があっお、これは䜕だずなったずきに、察象を现かく分解しおいく行為を指したす。

「これは、この芁玠ずこの芁玠に分解できる」
「その芁玠は、さらにコレずコレに分解できる」

みたいな感じで、察象を分解しおいけばしおいくほど、それの正䜓に到達できる。「分ければ、分かる」。これがデカルトずニュヌトン物理孊の基本にある考え方で「芁玠還元䞻矩」ず呌ばれたす。

゚ンゞニアの私は、たさにこれ(芁玠還元䞻矩)が飯の皮のようなものです。なぜかずいうず、゚ンゞニアにずっお「切り分け」ずいう仕事の仕方は必須だからです。

システムに障害が起きたら、どの郚分で問題が起きおいるのかを真っ先に「切り分け」たす。ネットワヌクなのか、アプリケヌションなのか、デヌタベヌスなのか。

仮にアプリケヌションだず分かったら、今床はアプリケヌションの䞭のどこが悪いのか、切り分けお、切り分けお、原因を䞀点たで远い蟌んでいく。ここたで特定できれば盎せたすし、それが分けられないうちは手が出せたせん。「分けたモン勝ち」なんです。

この芁玠還元䞻矩には良い面がたくさんありたす。䟋えば、物質が䜕から出来おいるのか。分子、原子、電子、䞭性子、量子の発芋は「分析」によっお埗られたものです。ロゞックツリヌやMECEみたいな考え方も芁玠還元䞻矩です。

ただ、バラバラに刻んだもの同士を再びくっ぀けたずき、元々の「䞀぀」だったずきの性質が取り戻せるのかずいうず必ずしもそうずは限らないので、「分けた」こずで「倱われるもの」もありそうです。

分ければ分かる

④効率の最倧化 (効率至䞊䞻矩)

続いお、効率の最倧化です。コスパ、タむパ、投資察効果、ようするに「最小の投資で最倧の効果を埗るこず」を良しずする考え方ですね。

A案ずB案があったずき、二぀を倩秀にかける。枬定しお、評䟡しお、効率が良いほうを遞び、もう䞀方は砎棄される。限られた予算ず時間で意思決定するには必須の考え方です。生産性などずも䞀緒に考えられたす。

ただ「遞ばれなかった方」に、もしかしたらあったのかもしれない䟡倀や未来は、本圓にそこで捚おられおいいんでしょうか

⑀右肩䞊がり志向 (成長拡倧䞻矩)

最埌は「右肩䞊がり」぀たり「成長や拡倧」を良しずし「停滞や瞮小」は悪だず芋なす考え方です。昚幎よりも今幎は売䞊は䌞びお然るべきで、組織は幎々倧きくなるべきだし、経枈は毎幎成長し続けるべきである、ずいう芳念です。

もちろん、成長や拡倧はある偎面では善だず思いたす。売䞊が䌞びなければ絊料は䞊がりたせんし、事業が広がらなければ新しいこずに挑戊する原資も出おきたせん。ただ、それが「぀ねに良いこず」ずいうのは本圓でしょうか。そもそも、ずっず右肩䞊がりであり続けるなんお、あり埗るのでしょうか

右肩䞊がり志向

この぀は繋がっおいる

ここたで近代西掋思想の぀の特城を挙げたしたが、これは独立したものではありたせん。䞀本の線に繋がっおいたす。

分けるから、枬れたす。塊のたたでは枬りようがないものも、芁玠に分けるこずで䞀぀ず぀数字にできたす。そしお、枬れるからこそ比べられたす。同じ単䜍に換算できたこずで、A案ずB案は倩秀にかけられるようになりたす。そしお、比べられるから「もっず」が蚀えたす。去幎より、他瀟より、前四半期より。

䞀぀めが二぀めを可胜にしお、二぀めが䞉぀めを可胜にする。順番に効いおいく䞀続きの手順になっおいるわけです。

こうしお5぀䞊べおみるず、気づくこずがありたす。

そう、この5぀は私たちビゞネスパヌ゜ンにずっお「優秀な人」ず評䟡される条件そのものです。

䞻芳を亀えず客芳的なデヌタで話せる人。感情を出さず論理で議論を進められる人。蟌み入った問題を分解しお敎理できる人。同じ成果をより少ないコストで出せる人。そしお、担圓した事業を成長し続けられる人。そういう人、呚りにいたせんか出䞖も早いですよね。

シゎデキなビゞネスパヌ゜ン

いわゆる「シゎデキ(=仕事ができる人)」っおや぀です。

なぜ、シゎデキの条件はどこでも同じなのか

先ほど述べた「シゎデキ」の条件ですが、どの䌚瀟や組織でもほずんど倉わりたせん。

いや、圓たり前でしょう。ビゞネスパヌ゜ンがやるこずなんおどこも同じなんだから

ず思うかもしれたせんが、本圓にそうでしょうか

䟋えば、優れたプロ野球遞手がサッカヌの詊合に出おも優秀なプレむダヌになるずは限りたせん。優れたむチゎ蟲家が、持で人䞊み以䞊に魚を獲れるずは限りたせん。

求められる技術も知識も経隓もルヌルも違うからです。

ずころが、ホワむトカラヌのビゞネスパヌ゜ンだず事業内容も組織文化も䌚瀟によっお違うのに「優秀さ」の評䟡基準はどこも同じです。

なぜでしょうか

それは、前述の5぀の特城を持぀近代西掋思想が、私たちビゞネスパヌ゜ンにずっお「OS」になっおいるからです。

私たちが「この人は優秀だな」ず思うずき、その䟡倀基準がどこに由来するのか意識したせんよね。

この意識しないずころが「OS」たる所以です。

そしおこの五぀は、実は最初の蚘事で曞いた、あの答えの出ない二択ずも無関係ではありたせん。

二択のゞレンマは、このOSの䞊で起きおいる

・「短期的な利益」vs「長期的な信頌」
・「スピヌド」vs「品質」
・「仕事」vs「家族」

論理的、あるいはコスパやタむパの芳点からどちらを遞ぶべきかは明癜なのに、本圓にそれを遞んでいいのか䞍安になる。あの居心地の悪さは、䞊で䞊べた五぀の䞊で起きおいたす。

分けお、倩秀に茉せお、良いほうを取る。この手順を螏む限り、どちらを遞んでも必ず片方を捚おるこずになりたす。

孔子は「どちらが優れおいるか」を聞かれた

同じ構図の堎面が『論語』にありたす。匟子の子貢が孔子に、兄匟匟子の二人はどちらが優れおいるのかを尋ねる話です。

『論語』先進第十䞀

垫は子匵、商は子倏ずいう匟子の名前です。孔子は「子匵は行き過ぎおいる、子倏は足りない」ず答えたす。するず子貢は「では子匵のほうが優れおいるのですね」ず受けたす。行き過ぎおいるほうが、足りないよりはマシだろう、ずいう受け取り方ですね。

これに察する孔子の返しが「過ぎたるは猶お及ばざるが劂し」です。有名な蚀葉ですが「行き過ぎは、足りないのず同じだ」ず。

子貢の質問は、二人を倩秀に茉せお優劣を決めたいずいうものでした。近代西掋思想の考え方に慣れた私たちなら「じゃあ、どの指暙を䜿っお二人の優劣を比范しようか」なんお考えがちです。

ずころが孔子は「䞭(䞭庞)」ずいうずころに基準を眮いおいたす。「䞭(䞭庞)」ずいう基準から芋れば、行き過ぎも足りないも、どちらも同じだけ倖れおいるこずになる。「どちらが優れおいるか」ずいう問いの立お方そのものを退けたのです。

぀たり、孔子にずっお「良い」の基準は優劣ではなく「䞭庞に近いか」だったずいうこずです。

なお「䞭庞」は東掋思想にずっお䞭栞をなす重芁な抂念なので、別の蚘事で詳しく解説したす。

仕事にどう圱響するのか

誀解しおほしくないのですが、これは「近代西掋思想に由来する優劣の刀断基準をやめよう」ず蚀う話ではありたせん。それだけが刀断基準ではないずいう話です。

私も仕事では近代西掋思想流の基準で優劣を刀断しおいたすが、重芁な意思決定や人事に関わる話は「目に芋えるもの、定量的な情報だけで刀断すべきではない」ず心掛けおいたす。

さいごに

今回は、近代西掋思想の特城を五぀に敎理したした。䞻芳より客芳、感情より論理、分ければ分かる、効率の最倧化、右肩䞊がり志向。この五぀は別々の話ではなく、分けお、枬っお、比べお、増やすずいう䞀続きの手順で、それはそのたた私たちが「仕事で優秀ず評䟡される条件になっおいる」ずいう話でした。

倩秀にかけお捚おられたほうにあった遞択肢は、そこで捚おられおいいのか。成長拡倧は、あらゆる面で善なのか。

次は、この近代西掋思想由来の思考法が、私たちに実際に䜕をもたらしおきたのかを芋おいきたす。良い面ず匊害の䞡方がありたす。

それでは、たた。


このアカりントでは、儒教・仏教・老荘・犅・神道の叀兞を、日々の仕事の刀断に䜿える圢に翻蚳しお曞いおいたす。


いいなず思ったら応揎しよう